ほそ川 新橋 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

雑居ビルの5階にある地味な和食屋です。料理も地味。店主も女将さんも地味です。良質な材料を使って、手堅い料理を食わせてくれますが、なにせ華がない。銀座価格より2割程度安い点が魅力ではあるものの、新橋サラリーマンに支持されるかどうかは微妙です。
★★★☆☆


目指すビルの前を何度も通過してしまいました。ビルの入り口には、「ほそ川」のほの字もありませんので、初訪問ではまようでしょう。

ビルの5階にあがっても、まだ迷います。一番奥まったところに隠れていますから。

店内は、カウンター8席と、6人掛けのテーブルが1つ。店主のお母さんでしょうか、2人で切り盛りしている小体な割烹です。

込み入った話をするため、隅っこにしてほしいと予約時に伝えましたが、案ずる必要はありませんでした。この夜は、私ら1組だけでしたから・・・。

1万5百円のすっぽんコースを選択。
他に、天ぷらがメインとなるものなど全3コースあり、それぞれ8400円と10500円に分かれています。

先付けは、ふぐの煮凝り、しめじと青菜のおひたしの2品。
煮凝りは小さく、いかにも地味です。食事の入りとしては、もうちょっとうならせてほしいところ。

続いて、牡蠣の茶碗蒸し。
銀餡風のものがかかっていて、中からは2粒の牡蠣がごろりと出てきます。半分に切った方が良いかも。味は濃いめですが、しみじみとしておいしいです。

造りは、クエ、イカ、メジマグロ。
クエは、腹の部分の脂がのったところを3切れ。メジもトロの部分で、味もまずまず。

焼き物は、大きなカマスを半身。
シンプルでひねりはありませんが、モノはいいので満足です。

すっぽんの丸鍋は、各自に1つずつ、ちんちんに熱せられた小鍋が出てきます。
えんぺらや肝などが入り、ゼラチン質はトロトロ。汁は酒が強いように思いますが、すっぽんの臭みは全くありません。ススルほどにコラーゲンが沁み入る鍋でした。

締めは、晩秋も美味くなるという桜エビの炊き込みご飯。
香りも色もいいのですが、私はどうも、この桜エビというのが苦手でして。
1万円のコースなら、もうちょっと華のある締めか、あるいはすっぽんの雑炊の方が納得いきます。

2人で2万7千円ほどのお会計でしたから腹は立ちませんが、「この店のこれが食べたい!」という決め手に欠くのは否めません。
まだ上のお任せコースがあるというので、もしかしたら再訪で試すかもしれません。

ほそ川割烹・小料理 / 内幸町駅新橋駅虎ノ門駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5