




目指すビルの前を何度も通過してしまいました。ビルの入り口には、「ほそ川」のほの字もありませんので、初訪問ではまようでしょう。
ビルの5階にあがっても、まだ迷います。一番奥まったところに隠れていますから。
店内は、カウンター8席と、6人掛けのテーブルが1つ。店主のお母さんでしょうか、2人で切り盛りしている小体な割烹です。
込み入った話をするため、隅っこにしてほしいと予約時に伝えましたが、案ずる必要はありませんでした。この夜は、私ら1組だけでしたから・・・。
1万5百円のすっぽんコースを選択。
他に、天ぷらがメインとなるものなど全3コースあり、それぞれ8400円と10500円に分かれています。
先付けは、ふぐの煮凝り、しめじと青菜のおひたしの2品。
煮凝りは小さく、いかにも地味です。食事の入りとしては、もうちょっとうならせてほしいところ。
続いて、牡蠣の茶碗蒸し。
銀餡風のものがかかっていて、中からは2粒の牡蠣がごろりと出てきます。半分に切った方が良いかも。味は濃いめですが、しみじみとしておいしいです。
造りは、クエ、イカ、メジマグロ。
クエは、腹の部分の脂がのったところを3切れ。メジもトロの部分で、味もまずまず。
焼き物は、大きなカマスを半身。
シンプルでひねりはありませんが、モノはいいので満足です。
すっぽんの丸鍋は、各自に1つずつ、ちんちんに熱せられた小鍋が出てきます。
えんぺらや肝などが入り、ゼラチン質はトロトロ。汁は酒が強いように思いますが、すっぽんの臭みは全くありません。ススルほどにコラーゲンが沁み入る鍋でした。
締めは、晩秋も美味くなるという桜エビの炊き込みご飯。
香りも色もいいのですが、私はどうも、この桜エビというのが苦手でして。
1万円のコースなら、もうちょっと華のある締めか、あるいはすっぽんの雑炊の方が納得いきます。
2人で2万7千円ほどのお会計でしたから腹は立ちませんが、「この店のこれが食べたい!」という決め手に欠くのは否めません。
まだ上のお任せコースがあるというので、もしかしたら再訪で試すかもしれません。
ほそ川 (割烹・小料理 / 内幸町駅、新橋駅、虎ノ門駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5