掃海母艦「うらが」 横須賀 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

横須賀名物海軍カレー、というのはレトルトで流行っているのでしょうか。ゆえあって、そのオリジナルを軍艦内の士官食堂で食べさせていただく機会に恵まれました。武人たちの経験談を拝聴しながらの食事は大変充実した時間で、カレーのお味をいっそう引き立たせてくれました。
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真珠湾奇襲攻撃から70年となる節目の日。
「掃海母艦に乗ってみませんか?」とのお誘いをいただき、横須賀へ出かけました。

私、自衛隊とは多少ご縁があり、カンボジアやシリアのゴラン高原でPKO活動の取材をさせていただいたことがあります。
各国軍隊との縁はさらに深く、これまで空はC130やアントノフのような輸送機、ヘリコプター各種、陸はフランスの水陸両用装甲車など、色々なものに乗った経験があります。

しかし、軍艦は今まで未体験。
初めて自衛艦に乗艦ということで、特別な日ということもあり、緊張しました。
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まずは士官食堂で、歓迎の昼食会。

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これが、正真正銘の海軍カレーです。
本来カレーは金曜日に出すもの、という決まりがあるそうなのですが、この日は特別に木曜なのにカレーにしてくださいました。
艦上勤務というのは、休日もなく、変化に乏しい毎日だそうです。
ともすれば曜日の感覚が失われがちなのですが、カレーを見ると「おお、今日は金曜日か」となるのだとか。
実はこのカレー、味は料理人によってまちまちだそうです。この日はビーフカレーでしたが、具も色々だそうです。
さてお味ですが、非常に古典的で正統派のカレーライスです。日本人にとっての最大公約数的な味わいです。
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カレーには、様々な隠し味が使われるそうですが、詳細は「防衛機密」ということでした(笑)
海自の料理人は、陸自と違って、京都の舞鶴で専門の調理訓練を受けるため、レベルが高いのだとか。場所柄、有名割烹のご主人が指導に来たりもするそうです。

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おかずには、ミートローフと竹輪チーズフライ。すごいボリュームです。

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海自のマークが入ったカップでコーヒー。ハンドペイントです。

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食後は、艦内見学。
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運航はハイテク化が進んでいます。
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艦内の手術室。どんな事態にも対応できるような設備が整っています。その備えが、災害救援で力を発揮しました。

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掃海艇群司令官より、東日本大地震の際の災害救助活動についてレクチャーを受けました。
孤立した宮城県大島の島民を救助した話しは、めちゃめちゃ涙腺がゆるみました。
3月25日、小学校の卒業祝いに艦上でカレーパーティーをやった時のエピソードは、心を打ちましたね。

司令いわく「日頃訓練をしっかりやっている組織だからこそ、災害救助という応用でも力を発揮できる」。
衣食住、全て自己完結できる自衛隊は、インフラが途絶した被災地で、最も頼れる集団ということです。

それにひきかえ頼りにならないのが、艦内に掲げられたこの人たち。
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このうち何人かは、もう交代ですね。

過去の戦争の教訓を忘れず、未来の平和に向かって活躍していただきたいと願うばかりです。