




ネットの口コミでは絶賛されていますが、7階の半個室で冷静に料理だけを食べてみると、ごく普通のレベルです。コストもサービスも特筆すべきものはなし。唯一、場所柄、接待には向いてますね。
注意してないと全然気付かない入口。お店専用のスローなエレベーターで、今風のダークな店内へ。
半個室は、結局外から丸見えで、声も筒抜けなので、込み入った相手との接待には使えません。
13000円のシェフ(料理長とは言わない)のおすすめコースを注文。
前菜の胡麻豆腐は、胡麻本来の香りもあまりなく、寒天かなにかで固めた既製品のような味わい。
続く「季節野菜の煮こごり」は、まず量が少なすぎて、何を食っているのかよく分かりません。野菜くらい、ケチケチしないで出して欲しいところです。
煮物椀として「鱧の葛打ち椀 新じゅんさい」が出ましたが、これまたじゅんさいが少なく、貧相な感じがします。「青華こばやし」なんか、どうだ!とばかりにたっぷり入れてくれますよ。鱧ももっと細かく骨切りをして、ふんわり仕上げた方が、葛が活きるでしょう。出汁は、良く言えば品が良く、悪く言えば力が足りません。
お造りは3品。スズキと煮ハマグリとしろイカ。
あれ?はまぐりは夏が旬でしたっけ。桜が散った頃から旬ハズレになるかと思ってました。実際、そんなに美味いものではありませんでした。
スズキはまずまずでしたが、味と香りにやや濁りがありました。イカはごく普通。
焼き物は、天然アユの炭火焼。産地を聞きそびれましたが、小ぶりの鮎2匹を上手に焼いてました。蓼酢を出さないのも、自信の表れでしょう。
「酸味と香り」と題して、日本酒「黒龍」ソルベが出てきましたが、これは落ち着く味。
続いて、メインディッシュ「常陸牛ザブトンの炭火焼 旬香味野菜」。この時期、牛肉を出すのは、個人的に好感がもてます。風評被害、くそ喰らえ、ですね。ただ、料理としては、特にどうということもない、焼き物です。絶賛レビューが持て囃すほど、個性的でもありません。
締めは「タコご飯 赤だし 香の物」。
夏のタコというのも、どうなんでしょうか?旬ハズレな感じがします。日本料理の人でなく「シェフ」だから、そのあたり分からないのでしょうか?
デザートは、「六雁名物!」と題したかき氷。
小豆や抹茶シロップ、フルーツ系のシロップなどが別の容器に入れられ、自由にかけて食べるスタイル。
楽しいけど、でも、要するに、氷です。削った氷です。
6階のオープンキッチンで、18000円のコースを食べると、また違うのでしょうか?どうも、日本人特有の同調強迫に押された口コミワールドのように思えてなりません。