ラ・マーレ・ド・茶屋  葉山 | 御食事手帖

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「食べログ」などでも評価が高いようなので、かねてから一度試してみたかった葉山のフレンチ「ラ・マーレ・ド・茶屋(LA MAREE DE CHAYA)」に行ってみました。
良くも悪くも有名な日本料理店「日影茶屋」の系列。
その威光にあやかるために、中途半端でふざけたネーミングになったのでしょうね。
コンセプトもバラバラです。
「日影茶屋」ゆずりの和テイストを取り入れる、でもなし。
外観はレストランでも、チープな内装はビストロ。
料理もビストロなんだけど、料金は高級レストラン並み。

要するに、邪念が多すぎるのです。料理に対して純じゃない。
夏の観光客で採算を合わせる、浜茶屋のレベルです。

そのレベルが端的に表れたのが、「マーレ風魚のカルパッチョのサラダ」。
質の悪い鯛の刺身に醤油ベースのドレッシングをかけ、サラダにじゃこをパラパラふったもの。
「和民」でも出てきそうな居酒屋テイスト。いきなりフレンチ気分、台無しです。

続いての前菜、白子のムニエル。
小さな白子がバターの大海でおぼれているような感じでしょう。
古くて重い料理法です。素材が古いのでしょうか?すっかりバター味一色になってます。

前菜その2、フォアグラとトリュフのパイ包み。
2000円を越す料金ですが、ポーションが小さいし、中のフォアグラが少ない。
今やあちこちの店が出すこの定番料理のポイントは、フォアグラとパイ生地とソースのバランスです。
これは生地が多すぎ。
餃子の皮とちがって、パイ生地はバターの味がはっきり主張します。
これでは、フォアグラの前にパイの味になってしまいます。ソースも活きません。

メインは、鴨のロースト、ごぼうソース。
3000円を超える一皿ですが、神楽坂の「ブラッスリー・Goo」なら、昼のランチセット1200円のメインで出してくれるレベルです。
ごぼうソースも鴨料理の定番ですが、これは土臭い香りを残さないと面白くありません。
ここのは甘いだけ。
全体として料理の個性が乏しく、印象に残らない味です。

と、ここまでコテンパに書きましたが、良いところもあります。
海の目の前という立地。
陽気が良い時に、テラスでランチはいいでしょう。
夜は値段に見合いません。

結論としては、高評価の理由はさっぱり分からずじまいの一夜でした。