てん新 奥座敷 長崎県大村市 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

魚だらけの九州ツアー。
3日続くと、体臭まで魚臭いような気がしてきます。口の中も妙に醤油っぽい。
しかし、東京ではなかなか食べられない、活きの良い地魚を求めて、旅の終着駅・長崎県大村市でも生け簀料理屋へ出向きました。
うかがったのは、「てん新 奥座敷」。しつらえの良い座敷で、うまい魚がたらふく食えるお店です。酒の持ち込みなどにも柔軟に応じてくれます。当地に優しい友人がいるおかげで払ったことはないですが、明朗会計だそうです。

さて、この夜は、白身魚の2大対決となりました。
王様・鯛と怪物・オコゼのぶつかり合いです。

こちらは姿も美しい天然鯛の生け造り。普通なら、他を寄せ付けない、文句なしの王様です。鯛本人も食卓の主役の座は約束されたもの、と思い込んで成仏したでしょう。

しかし、鯛に強力なライバル登場。
オコゼです。顔に似合わぬ繊細な白身。こってりとした肝、こりこりの浮き袋や腸など、多彩な味わいを持つ曲者です。大きかったので、食べ応えもありました。今まで食べたオコゼの中では出色です。

顔対決。こちらは千両役者風ですね。

お店の人は「ピグモン」みたい、と言ってました。たしかに、宇宙か地獄あたりからやってきた人に見えます。

この日の対決、結果はオコゼに軍配です。
肝が何といっても良かった。カワハギなんかよりも遥かに滑らかでデリケート。脂っこすぎず、しかし濃厚なんです。

残骸対決。鯛はかぶと煮。
オコゼは唐揚げ。
この勝負は、両者、引き分けですね。

高級白身魚を存分に食べることができて幸せでした。

この店、長崎空港からそれほど遠くありません。
機会があったら、寄ってみる価値があり、です。