極楽での目標 | 「ゆるりと仏教」いも掘り坊主の与太話

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「念死念仏 常途用心」
仏さまの御教えを、拙僧のエッセイとともに紹介しています。
ほとんど与太話(^_^;)ですが、法話らしきものも書いています。
つたない文章ですが、笑ってもらえたり、うなずいてもらえたりしたら嬉しいです。
毎週水曜日に更新しています。

とっくに人生の半分は経過した。

 

どうにか生きてこられた。

 

後半はどうなるだろうか。

 

諸行無常とわかっていても心配である。

 

くわえて、その次のことも気になってきた。

 

極楽浄土でのすごしかただ。

 

極楽にいる菩薩さま方は、皆、大きな誓願をたてて修行をしている。

 

誓願とは、端的に言えば目標である。

 

観音さまは、衆生を大火、大水、夜叉から守ることなど多くの誓いを述べている。

 

勢至さまは、智慧の光を照らして地獄、餓鬼、畜生の世界から衆生を救うとしている。

 

薬王さまはあらゆる病を治すことであり、文殊さまは皆がよい行いができるよう援助することだ。

 

お地蔵さまも、普賢さまも、弥勒さまも、月光王さまも、日照王さまも、それぞれしかりである。

 

となると、私も衆生救済のための大きな誓願を準備しておく必要がある。

 

しかし、……。

 

中学二年のときのことだ。

 

所属していた軟式テニス部で、不意に部長となった。

 

それなのに、就任すると何故かチームを強くしたくなってきた。

 

弱小チームだったのだ。

 

そこで今までの練習方法を変えてみることにした。

 

これまでと同じでは変化が望めない。

 

ところが、それが三年生の気に障ったようだ。

 

理由は未だに不明だが、猛反発にあった。

 

同級生は加勢してくれた。

 

しかし、それでも改革は失敗した。

 

大学テニスサークル時代にもある。

 

団体戦の際、シングルスナンバーワンとして戦うことが何度かあった。

 

もちろん団体戦はチーム全体で戦うものだ。

 

したがって、メンバーに上下はない。

 

しかし、そうは言っても「ワン」は柱である。

 

どのチームも「ワン」には絶対に勝って欲しいのである。

 

もちろん、私が所属していたチームの歴代「ワン」は、皆、勝率八割以上だった。

 

ところが私の勝率はゼロだった。

 

「ワン」として臨んだときは一勝もできなかった。

 

これらの経験により、つまり、私は前面にたって大きなことを行う器がないことを悟った。

 

浄土では、誰もが挫折することなく仏道に邁進することができる。

 

観音さまや、勢至さまからは直々に教えをいただける。

 

お地蔵さまとは一緒に修行ができる。

 

とても心強い。

 

ただ、それでも大きな誓願は荷が重い。

 

そこで、考えてみた。

 

観音さまや勢至さまでも、多くの方を救う際には裏方が必要となるであろう。

 

そこで、偉大な菩薩さま方のサポートを懸命に行うのだ。

 

これなら私にだって出来る。

 

はずである……。

 

 

法然上人の御教えに以下のお言葉があります。

 

『地蔵菩薩をはじめとする諸々の菩薩を軽んじてはなりません。お浄土へ往生した後、覚りを目指すお仲間となる方々なのですから』

 

【法然上人の御法語2 浄土宗総合研究所編訳P347】

 

ありがとうございました。

 

 

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