ほどほどに | 「ゆるりと仏教」いも掘り坊主の与太話

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「念死念仏 常途用心」
仏さまの御教えを、拙僧のエッセイとともに紹介しています。
ほとんど与太話(^_^;)ですが、法話らしきものも書いています。
つたない文章ですが、笑ってもらえたり、うなずいてもらえたりしたら嬉しいです。
毎週水曜日に更新しています。

毎日コーヒーを飲んでいる。

 

ブラックばかり飲んでいる。

 

きっかけは、近所の純喫茶でアルバイトを始めたことだった。

 

高校生のときである。

 

それまでは、ミルクや砂糖が入ったものをたまに飲むくらいだった。

 

雪印コーヒー牛乳、マックスコーヒー、UCCミルクコーヒーなどだ。

 

純喫茶では、十七時から二十一時半まで働いた。

 

普段は、二十時半がラストオーダーとなる。

 

二十一時に閉店、二十一時半まで後片付けをする。

 

ただ、まれに早く閉めるときがあった。

 

ラストオーダーの際、もうお客がいないことがあるのだ。

 

「よし、看板をしまおう」

 

そんな時は、マスターの声がかかる。

 

私は外へ出る。

 

一通り外回りの片付けをおえてから店に戻る。

 

「飲むか?」

 

今度は、お誘いがかかる。

 

マスターがコーヒーを淹れてくれるのだ。

 

ペーパードリップで淹れてくれる。

 

豆の蒸らしかた、回しかた。

 

いろいろな作法も実地で教えてくれる。

 

店内掃除前の贅沢なリラックスタイムだ。

 

「お待たせ」

 

マスターがカウンター越しに渡してくれる。

 

とても香りがいい。

 

「折角だからそのまま飲んでみてよ」

 

ビックリするほど美味しかった。

 

以後、家では自分で淹れ始めた。

 

それなりの道具も揃えてみた。

 

マスターの作法をイメージしながらお湯をさす。

 

一対一で教えてもらっただけのことはある。

 

未熟な技術でも以前よりは味がよくなっていた。

 

……、と思いたい。

 

しかし、これだけ好なコーヒーでも飲みたくないときがある。

 

体調不良の時だ。

 

たいていは、風邪か下痢である。

 

先日もそうだった。

 

「これから熱がでるのかな」

 

みょうに身体がだるい。

 

気持ちの準備をした。

 

ところが……。

 

しばらくしても熱は上がってこない。

 

くだす気配もない。

 

しかも、翌朝にはコーヒーを飲みはじめていた。

 

「なんだったのか」

 

気になり、調べてみた。

 

すると、カフェインの取り過ぎが原因だとわかった。

 

コーヒーを健康のバロメーターとしていた。

 

にもかかわらず、コーヒーで健康を害してしまった。

 

情けない。

 

なにごとも程ほどが大切ですね。

 

 

お釈迦様の御教えに、以下の言葉があります。

 

『健康は最高の利得であり、満足は最上の宝であり、信頼は最高の友であり、安らぎ(ニルヴァーナ)は、最上の楽しみである』

 

【岩波文庫 ブッダの真理のことば・感興のことば 中村元先生訳P241】

 

ありがとうございました。