学園太平記 (138) | 犬小屋チャンプルー

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犬己那池の、オリジナルの小話やイラストをもさもさ更新するブログ。
最近は、歴史創作(南北朝~戦国時代)がメインになっています。

※注意※

この話はフィクションです。

歴史創作・パロディが苦手な方は、撤退してください。






それでも大丈夫な方のみ、以下からどうぞ。↓






義助くんを救った天狗は、よく見ると天狗の面を被った少年だった。

ちゃんと山伏の格好までしている。

呆然とする僕たちの目の前で、彼は義助くんを木の根元にもたれかからせた。

義助くんの方は、熱とショックで気を失ってしまったらしい。

すぐさま、新田組の者たちが彼の周りに駆け寄る。

よかった……義助くんが無事で。

ただし、問題はもう一人の人物だ。


「あの……」


義助くんの傍から離れた天狗少年に、僕は声をかける。

君は何者なの?

そう質問しようとした矢先、


「――足利尊氏は、お前か?」


逆に問いかけられてしまった。


「はっ、はい!」


緊張で、思わず背筋を伸ばして答える。

すると、相手は天狗面の奥の瞳をギラリと輝かせた。


「我が名はヨシオキ。神に代わって、お前に神罰を下す者だ」


「な……っ!?」


突然の宣言に、うろたえることしかできない。

第一、ヨシオキなんて人、僕は知らない。

しかも、「神罰を下す」だなんて……。

一体、僕が彼に何をしたっていうんだ?

だけど、天狗少年――ヨシオキくんは容赦しない。

どこからか弓矢を取り出すと、キリキリと矢を引き絞る。

狙いはもちろん、僕の心臓。


「死ね」


無慈悲な言葉とともに、矢が放たれた。


   ***


尊氏ヨシオキに命を狙われる。

――という訳で、今月のイラストに描かれた天狗面の少年は、ヨシオキでした!

次回、尊氏の運命や如何に!?


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