学園太平記 (136) | 犬小屋チャンプルー

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犬己那池の、オリジナルの小話やイラストをもさもさ更新するブログ。
最近は、歴史創作(南北朝~戦国時代)がメインになっています。

※注意※

この話はフィクションです。

歴史創作・パロディが苦手な方は、撤退してください。






それでも大丈夫な方のみ、以下からどうぞ。↓






放送の翌日、僕たちは予告通り裏山で待機していた。

登子さんたち赤橋コミュニケーションの協力を得て行ったテレビ放送だ。

きっと義助くんもどこかで目にしていることだろう。


「しかし、本当に脇屋義助は現れるのでしょうか……」


「確かに。敵に『来て下さい』と言われて、素直にやって来るバカはいませんぜ」


それでも、直義や師直は効果に懐疑的だった。

そんな彼らに向かって、僕は自信に満ちた声で答える。


「いいや、義助くんは来るよ。彼の今の状況からして、来ない訳にはいかないんだ」


頼遠たちに敗退した今の彼なら、直接僕を討とうと闘志を燃やしているはずだから。

そう考えていると、背後でガサリと音がした。

振り返れば、青い竹林の向こうから、見慣れた人影が姿を現す。

――ほらね。

予想が的中して、僕は思わず微笑んだ。


「待っていたよ、義助くん。来てくれてありがとう」


「――敵の総大将であるお前が、僕に何の用だ?」


喜ぶ僕とは正反対に、義助くんの言葉は冷たく棘がある。

憎悪と警戒が入り混じった視線が、僕に向けられる。

彼の背後には、新田組の社員たちが身構えていた。

これは、一筋縄じゃいかないみたいだな。

でも、僕の目的は彼らと戦うことじゃない。

深呼吸をして、僕は義助くんに右手を差し伸べた。


「単刀直入に言おう。僕は、君と和解したいんだ」


   ***


尊氏義助と対面。

以前にも書きましたが、登子は通信事業の大手「赤橋コミュニケーション」の社長令嬢という設定です。


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