※注意※
この話はフィクションです。
歴史創作・パロディが苦手な方は、撤退してください。
それでも大丈夫な方のみ、以下からどうぞ。↓
放送の翌日、僕たちは予告通り裏山で待機していた。
登子さんたち赤橋コミュニケーションの協力を得て行ったテレビ放送だ。
きっと義助くんもどこかで目にしていることだろう。
「しかし、本当に脇屋義助は現れるのでしょうか……」
「確かに。敵に『来て下さい』と言われて、素直にやって来るバカはいませんぜ」
それでも、直義や師直は効果に懐疑的だった。
そんな彼らに向かって、僕は自信に満ちた声で答える。
「いいや、義助くんは来るよ。彼の今の状況からして、来ない訳にはいかないんだ」
頼遠たちに敗退した今の彼なら、直接僕を討とうと闘志を燃やしているはずだから。
そう考えていると、背後でガサリと音がした。
振り返れば、青い竹林の向こうから、見慣れた人影が姿を現す。
――ほらね。
予想が的中して、僕は思わず微笑んだ。
「待っていたよ、義助くん。来てくれてありがとう」
「――敵の総大将であるお前が、僕に何の用だ?」
喜ぶ僕とは正反対に、義助くんの言葉は冷たく棘がある。
憎悪と警戒が入り混じった視線が、僕に向けられる。
彼の背後には、新田組の社員たちが身構えていた。
これは、一筋縄じゃいかないみたいだな。
でも、僕の目的は彼らと戦うことじゃない。
深呼吸をして、僕は義助くんに右手を差し伸べた。
「単刀直入に言おう。僕は、君と和解したいんだ」
***
尊氏、義助と対面。
以前にも書きましたが、登子は通信事業の大手「赤橋コミュニケーション」の社長令嬢という設定です。
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