~出戻り~⑤【憩室炎入院日誌】 | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

念願の退院を果たしたものの、いきなり38.5度の熱が出て、最悪の事態におびえながらロキソニンンを飲み、再び不安の夜を過ごすことになった私。

夜中の2時ごろ、眼が覚める。

小4の娘がせっせと運んでくれた飲み物や、妻が用意してくれた氷枕のおかげか幾分か熱は下がったような気がする。

計ってみると37.4度。

ロキソニンを飲めば熱は下がってくれる。

しかし…

信じたくないのだが…

下腹部にあの忌々しく思い出したくもない痛みがかすかに感じる…

これはマズイ!マズイぞ!

完全にぶり返しコースではないか!

 

一体どうしたらいいんだ?

昨日K病院を喧嘩するように出て来たというのに!

S病院に行こうか?

あそこなら科は違うが今も定期的に受診しているし、元々胃カメラや大腸ファイバーを何度もしているから私のデータのあるはずだ。

あそこで事情を話して点滴治療を続行してもらえれば…

 

しかし…

しかし、急に外来で行って私が説明したと言っても紹介状があるわけでもなく、それだけで治療が直ぐに行えるとは思えない。

今は一刻も早く炎症を抑えるべく抗生剤の点滴投与が必要なのに、また血液検査やCTなどの検査が必要となるだろう。

そんな悠長な事をしていると本格的にぶり返してしまう。

 

私は腹を決めた。

ここは恥を忍んで頭を下げてK病院に戻ろう。

あそこなら昨日まで入院していたのだから話は早い筈、今はもう格好をつけている場合じゃない。

妻に頼み簡単に準備をして車で送ってもらう。

受け付けを済ませる頃には立って歩くのもしんどくなって車椅子に。

その間にも熱が上がってきたのかドンドン寒気が増してきた。

看護師の勧めで今度はストレッチャーに乗せてもらって毛布をかけてもらう。 

そのままストレッチャーに寝たまま診察室に。

端から見れば重病人だ(笑)

また同じあの医師かと思ったら今度はベテランらしい医師だった。

後で聞くと院長らしい。

やはり入院して数日かけて抗生剤で炎症を抑えないといけないという。

 

処置室に入って点滴を入れてもらう。

毛布を何枚もかけてもらっているのに寒くてたまらず歯がガチガチと鳴る。

「熱は?」

「40度です。」

医師と看護師の会話がおぼろげに聞こえる。

 

幸い同じ階の個室が空いているそうでそこに入る事になった。

 

昨日啖呵を切るようにして出ていった患者がたった1日で今度はストレッチャーに乗せられて帰ってきた。

何とまぁ皮肉な事だろうか!

S医師の「それ見たことか!」という勝ち誇った顔が目に浮かぶようだ。

 

今回の部屋は前回の部屋と左右対象になっているので配置がすべて逆。慣れるまで時間がかかった。
 

 「お帰りなさい、って言ったらいけないけど、お帰りなさい(笑)」

再び担当になった看護師のY田さん。

彼女のお父さんは数年前60歳手前、つまり今の私と同じ位の歳に急死してしまったそうで、それが看護師を目指すきっかけになったそうだ。

そういうこともあって同じ位の歳の私が無理して出ていったことを随分心配していたのだという。

「カッコ悪いけどまた帰ってきたから、またしばらく頼むわ」

 

もうこれだけ長くいるとこの階の看護師は皆顔馴染みになってしまっている。

色々タイプは違えど皆さん親切にお世話をしてくれる。

 

こうなったらもう腹をくくるしかない。

先日までは月曜日に強行退院した後、食事に細心の注意を払いながら少しずつ慣らして行けば元の生活に戻れるのではないか?

と、そして15日の木曜日からは店に復帰できるのではないか?と目論んでいた。

しかし、今回のように特に何も食べてなく、一日点滴を絶っただけでこれだけぶり返すようなら、私の「憩室炎」の治療は手術以外に方法はない、ということになる。

幸い、妻がソーシャルワーカーと粘り強く交渉してくれたおかげで「K医大」で見てもらえる話しになり、更に院長によれば今年中は無理だが、来年、年明けくらいにK医大で手術が受けられそうな流れになって来た。

結局私たちの仕事で最も忙しい「年末」に全く仕事ができないことになってしまったし、クリスマスも正月も病院で過ごすことになってしまいそうだ。

しかし、ここまでくればジタバタしてもしょうがない。

 

 

こうやって図らずも私の入院生活は更に続行することになった。

 

                                つづく