今日、3月20日は何の日か?
そう!「地下鉄サリン事件」が起こった日である。
「麻原彰晃」率いるカルト教団「オウム真理教」による、日本中を震撼させた前代未聞の凶悪テロ事件であった…
イヤイヤ!
「地下鉄サリン事件」の事を書きたいわけじゃなくて、その一日前。
3月19日は私の60歳の誕生日だったのだ!
いや、昨日アップするはずが今日になってしまっただけなのである(笑)
そう!遂に「還暦」を迎えたのである。
同級生と話をすると必ず出てくるのが…
「まさか自分が60歳になるとは思わなかった」
若い人が聞いたら「何言ってんの?」って笑うかもしれないが、そんな彼らも
「まさか自分が30歳に…」
「まさか自分が40歳に…」
「まさか自分が50歳に…」
と私たちと同じように感じながら、そして私たちもまた
「まさか自分が70歳に…」
「まさか自分が80歳に…」
と言いながら老いて行くのだろう。
歳を取ることが全部悪いわけじゃない。
しかし、体力、気力、容姿は衰え、病気にもなる。
若い頃よく年寄りから「若いなぁ~、若い頃が一番ええわ、わたしらもう年寄りはなんもええことないわ~」と言われたときは「何言ってんの?」と思ったものだが、今になればその気持ちはすごくよくわかる。
若い女の子は美しい。
若い男の子もカッコいい。
それに比べたら今の自分は頬はたるみ、眼は腫れぼったく、ほうれい線は深く刻まれ、シミは出るわで鏡を見るのも嫌になる。
私は自分の顔を男前だとは一度も思ったことはないが、20歳の頃の写真を見ると「オッ!イケメンやん!」って思う(笑)
この頃もっと積極的に女にアタックしてればよかったかな?(笑)
20歳の頃、当時働いていた大阪福島区野田の店の2階の寮にて
そんな若い時でも「オレは若い!若いって素晴らしいんだ!」って思いながらその時を生きている人はまずいないと思う。
若いときは若い時でそれなりの悩みや苦しみがある。
私も仕事の事、将来の事、経済的なこと、人間関係などで色々思い悩んでた。
森田公一とトップギャランの「青春時代」の歌詞にこうある。
♪青春時代が夢なんて
後からほのぼの思うもの
青春時代の真ん中は
道に迷っているばかり
(胸にとげ刺すことばかり)♪
あぁその通りだなと思う。
だって思い悩んだ末、自ら命を絶つ若者さえいるんだから。
大人からすると「もったいない!」と思うけど、本人にとっては目の前の悩みや苦しみが大きすぎてそういう風にはとても思えないのだろう。
歳を取って若い頃を振り返り「あの頃に戻りたい」と思うことは当たり前に抱く感情だろうと思う。
私も若い頃を懐かしくは思う。
私が今あの若い顔、若い身体を取り戻せたら…
とは確かに思う。
しかし、「あの頃に戻りたい」とは決して思わない。
あの頃は確かに若い顔に若い肉体。
しかしその代わり今思えば恥ずかしいほど「未熟」な自分がいた。
その未熟さ故、色んな悩み、苦しみに囚われていた。
その未熟さ故、色んな人に嫌な思いをさせ、迷惑をかけた。
そんな自分には戻りたくない。
歳を取ったらいいことは一つもない。
そうだろうか?
歳を取ったらいいこともあるんじゃないかな?
「いい年の取り方をしている」という表現をすることがある。
それって、ただ「若く見られる」と言うことだけじゃないと思うのだ。
歳を取れば精神は鍛えられ成熟する。
少しの事で動揺する事がなくなる。
私も若い頃はよく怒っていた。
しかし、今は滅多に怒ることはない。
怒る感情を無くしたわけではなく、怒る状況になってもそれを抑えようとする心が働くという感じかな?
いい年をして幼稚な振る舞いや、言動をする人は凄くみっともなく見える。
歳を取り、肉体や容姿が衰える代わりに精神は成熟するべきで、そうなってない人は軽蔑される。
「いい年の取り方をする」とは私が考えるに、年齢よりも精神の成熟が勝っている人の事を言うのではないだろうか?
多くの同級生は今年定年を迎え、すぐに退職はせずとも大きな環境の変化を余儀なくされる。
私のような自営業は当然定年はない。
身体が動く限りいつまででも仕事が出来る。
それがいい事なのかどうなのかは別にして、私は自分の仕事が全く苦ではないので他人に引き際を決められるより、自分が納得するまで仕事を続けられると言うことはありがたい。
「もう早く辞めたいわ~」
と言う人もいるが、私はできる事なら長く仕事を続けたい。
高校を卒業してもう42年、この仕事一筋でやってきた。
そして独立してJinkhairを設立してもう19年。
来年には20周年を迎える。
お客さんは小さなお子さんからお年寄りまで。
開店当時、中学生、高校生だった男の子が今では子供を連れてきてくれる。
「生まれてからここでしか髪を切ったことがないんやないかなぁ~」と言いながらずっと来てくれる若い男の子。
「社長(私)がおる限り俺はここに来るから」と言ってくれるお客様。
もう60歳のおじさんなのに今でも中学生や高校生の男の子がやってきてくれる。
私の技術がまだまだ求められているんだと思うと嬉しい。
話は勿論合わない(笑)
それは若い女性スタッフに任せている(笑)
私の技術自体はまだまだ衰えていないと思う。
衰えないばかりか、最近では「フェードカット」などの新しいカット技術も取り入れ、新規のお客様も増えている。
そんな難しいカットをうまくできたときは楽しいし嬉しい。
色々あったが、やっぱりこの仕事を選んで良かったと思う。
高校3年生の時の選択は間違っていなかったんだ!
もっと儲かれば言う事ないんだけど(笑)
私は60歳を過ぎてもまだまだ社会において、この店を通じてできる事、やるべきことがまだある。
そう思うと、気力と勇気が湧いてくる。
まだまだ老け込むわけにはいかない。
「楽をしたい」などとは決して言うまい。
オレはまだまだやれる!
と、いう訳ですので、これをご覧のお客様、これからもよろしくお願いいたします!(笑)