~雨の卒業検定(下)~⑯「57歳バイカーへの道、大型編」 | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

さて、これまでの教習で一度も雨に降られた事のなかったのに、最後の集大成とも呼べる大型自動2輪の検定で見事雨を引き当てた私(笑)

胸部、肘、膝のプロテクターの上に教習所のカッパを着込んで準備はOK!

これは1年半前、ひょんなことからバイクに乗ろうと決意した56歳のちっこいおじさんが、怪我や挫折を乗り越えて「普通二輪免許」を取得後、更に調子に乗って「大型2輪免許」に挑戦するノンフィクションの物語である。

 

今日の受験生は私と60代後半~と思われる男性の2人。

順番は大型の私からという事になった。

今日の検定コースは私が受付時に振ったサイコロの出目で「1コース」に決まった。

さぁ!検定の時間になった!

行こう!

 

控室の前に置いたバイクに乗り、まずコースを大きく8の字に回り、一度急制動の練習をしていいとのこと。

これは濡れた路面と制動距離の感覚を確かめられるので助かる。

せっかく制動距離が伸びているので有効に使わせて貰おう。

晴天時は11メートルの停止線で止まらないといけないが、今日はその先の14メートルの停止線で止まればいいのだ。
 
この3メートルの差は結構大きかった。
路面が濡れているといっても鉄板やマンホールの蓋、白線の上という訳ではなく、アスファルトの上だからそうそう滑るものじゃない。

それで3メートル延長してもらえるのだから、やってみたら50㎞出してても止まれそうだと思った。

これだったら楽勝だ!

こないだの指導員の話は忘れよう(笑)

早くからアクセル離してブレーキをかけに構えてても計測時に40㎞出ていれば問題ないんだ!

雨の検定、意外に「おいしい」かも?

 

急制動の練習が終わったら発着点に入り、いよいよスタートだ!

まず乗ってきたバイクから降りる。

難題課題は勿論なのだが、低身長で短足の私にとってこのバイクの乗り降りも結構気を遣う動作になる。

過去には、「さぁ!これから検定を始める」という場面で跨り損ねてバイクを倒し失格になったり、逆にそつなく走行した後、バイクを降りる際にバランスを崩して倒して失格、という勿体ない事例もあるんだと!

私にとってこの「NC750L」の「シート高770㎜」は乗れる限界の高さで、跨ったり下りたりするときはいつも這いつくばるようにして乗り降りしている。

格好は悪いけど仕方がない(笑)

 

で、倒さないように慎重に一旦バイクから降りて…

検見塔の指導員に合図を送り、再びバイクに跨る。

あ、そうそう!

普通2輪の時はスタンドを払わず乗り込んエンジンをかけ、ギアを1速に入れたところでエンストして「なぜ?どうして?壊れたの?」となり、検定員から「何か忘れてませんか~?」と言われて初めて気が付いたのだった(笑)

今回は忘れずスタンドを払ってからいつもの「這いつくばりフォーム」で慎重に跨る。

 

よし!乗った!

ミラーを直し、エンジンをかける。

右足つく前に右確認。

右足ツンツンだから気を付けないと…

1速に入れ…

合図を出し…

左、右、目視で確認!

いよいよ発進だ!

 

普通走行中も気を抜かない。

1ミラー

2合図(ウインカー)

3目視

4車線変更

の手順を遵守する。

こういう所で減点されたらもったいない。

 

●障害物

●踏切

●坂道発進

順調に来ている。

 

そしていよいよ難題課題のゾーンに入る

まずは

●波状路

ブレないようにハンドルの内側を絞るように握る。

半クラとフットブレーキを使ってなるべくゆっくり進入する。

速度を落とさないまま入るとドコドコ行っちゃってその衝撃でコースから外れる恐れがある。

タイミングよくアクセルを回しバーを乗り越える。

いい感じだ!

今までで一番良かったのではなかろうか?

これは幸先がいい!

 

ぐるっと回って次は…

 

●一本橋

今の私に10秒以上は無理だ、下手にタイムを稼ごうとすれば落下の恐れがある。ここは8秒台でも御の字。

停止線の左に少しずれたか?
大丈夫!修正できる。
最初はやや勢いを付けて…
乗ってクラッチとフットブレーキで減速!
ハンドルプルプル!
ここでタイムを稼ぐ!
しかし無理はしない!
ゆっくり、ゆっくり、落ちない程度で降りる。
「フ~ッ!」
第一関門突破!
今のでだいたい8秒後半から9秒ってところか?
 
一旦外周に出ていよいよ雨の中の…
●急制動
外周道路コーナー前で2速に入れ、加速しながらコーナーを立ち上がったらすぐさま3速にたたき込む。
45㎞くらい出しちゃえ!
よし!
ここだ
制動距離が11メートルから14メートルに延びたせいで余裕の停止!
当然の青信号!(笑)
 
次は…
●スラローム
入る前にギアの確認をしてたらちょっとタイミングがおかしくなってしまった!
遅い!
遅い!
これは遅い!(笑)
最後にちょっと吹かしたけど後の祭り、これは8秒以上かかってるな、きっと…
でもパイロン引っ掛けてないからまぁいいか!

 

 ●8の字

これは問題なく通過!

 

そして…

●クランク

 小型の時からもうずっとこのクランクが大の苦手で幾度となく苦しめられてきた。

何度もバイクを倒したり縁石に乗り上げたり…

当初はもうとにかく通過できる気がしなくて、特に右コーナーが怖くて怖くて、倒すか止まるかのどっちかだった。

 「おい!クランクよ!随分俺を苦しめてくれたな!しかし今日でお前ともオサラバだ!俺はもう2度とここへは来ない!」

2番目の右コーナーを上手く曲がるコツは最初の左コーナーを曲がったらすぐになるべく車体を左に寄せておくことだ。

そして半クラで速度を落としながら、右に少し荷重をかけセルフステアで車体が右に切れ込み始めたらグイとハンドルを右に回す!

よし!抜けた!

後は大丈夫だ!

「さらばクランク!俺はお前を卒業する、これからも後に続く教習生の壁となって育ててやってくれ!」

 

難題課題は全て終了した…

後は油断せずに発着点に帰るのみだ。

そして最後、「這いつくばりフォーム」でゆっくり慎重にバイクから降りる。

スタンド立てて…

 

終わった…。

 

 

俺と「NC750L53号車」良く頑張った!

 

普通2輪の免許に挑戦したことも私のこれまでの人生からするとかなり突拍子もないことだったが、普通2輪の免許取った後も大型2輪に挑戦するなど全く考えてなかった。

「すぐにもっと大きなバイクに乗りたくなるよ~!」って色んな人に言われたが、イヤイヤ!もう一生250ccのバイクで十分だと思ってたくらいなのである。

それが普通2輪から1年も経たない内に大型に挑戦することになって「みんなの言う通りやなぁ~」と妙に納得することに(笑)

 

無事検定を終えて片付けを済ませる。

今日合格すればもうここに来ることもないんやな…

早く卒業して、免許は欲しいけど、まだしばらく通いたいような名残惜しい気分…

 
 
 

今回よく担当していただいた指導員のSさんが「今度は大型トラックですね(笑)」と言っていたが、散髪屋にトラック免許はいりません!さすがに(笑)

 

ロビーでしばらく待っていると事務員さんがやってきて…

「あのぅ~、おめでとうございますぅ…これが免許センターに持っていく書類になりますぅ~」

出たよ!さりげなさすぎる合格発表(笑)

まぁ、今回は受かってると思ってたから別にいいけど(笑)

 

時間的に早く終わったのでこれから免許センターに行こうと思えば行けたんだけど、それではまたヘルメット脱いだペシャンコの頭の写真になっちゃうから明日にしよう(笑)

何も今日貰ったからって大型バイクはないのでどうせ乗れないから。

 

 
 

もう顔なじみになった事務員さんに最後の挨拶をして学校を出る。

「今度来るときは高齢者講習かな?(笑)あ、いや!息子がバイクか車の免許取りたいらしいからまた連れてきますよ!」

 

私自身が何かの免許を取りに来ることはもうないだろうな。

 

「さらば!坂出自動車学校!」

 

明日は免許の併記に免許センターに行く!