~覚悟と長女の不満~ ⑧【眼窩蜂窩織炎】 | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

さて、ステロイド経口薬「プレドニン」の劇的な効果により、当初あれだけ腫れあがり、白目の水膨れが今にも眼からはみ出しそうで、スタッフから「ゾンビみたい!」と言われた私に眼もここまで回復してきた!

もう殆ど正常といってもいい状態だ!

 

一週間前は…

こんなにひどい状況であった…

 

素人は「もうこれで大丈夫!」と思うのだが、昨日の医師の話では…

 

「確かに炎症は収まっている。しかしこれはステロイドによって炎症を抑えている状態。ステロイドは炎症を抑えるにはとても有効な薬だが、その分身体の抵抗力、免疫力を弱めてしまう。」

「本来は徐々に薬を減らし、身体の抵抗力が回復するくらいまで入院して様子を見るのが望ましい。」

「今の状態は感染症、これは眼に限ったことではなく、例えば新型コロナにもかかりやすく、重症化しやすい状態にあるから普段より注意が必要」

なのだという。

しかし、私の仕事、特に自営業だということに配慮していただき、ギリギリの判断で、それまで経過が良く、血液検査などの数値に異常がなければ、早ければ18日の水曜日の夕方に退院の可能性があるということだ。

 

良かった…

 

当初は一体どうなるのかと思った…

タイトルにはずっと「眼窩蜂窩織炎」と記してきたが、今回の症状は外部から細菌が侵入して炎症を起こした感染症、というより何らかの原因で起こった「涙腺」の強い炎症がきっかけになったのだと推測される。

赤線で囲った部分が涙腺のある箇所、まさにここが随分痛んだ。

 

それが何の原因で起こったのかがわからない。

これまで「サルコイドーシス」「ぶどう膜炎」を起こしていることはわかっている。

では同じように涙腺にも炎症を起こすこともあり得るのだろうか?

もしそうなら、また再発する可能性も大いにある。

しかし今回もなんの前触れもなく、わずか数時間で進行したのであるから、防ぎようがない。

防ぎようがなく、治療にこれだけの日数がかかるというのであればこれはかなり厄介な症状である。

念のためサルコイドーシスがリンパに出てないか胸部CTも取ったが、異常はなかったらしい。

 

ま、心配してばかりしても仕方がない。

動ける間、動ける時間の中でできることをできるだけやっていくだけだ。

時間は無限ではない。

それは誰にとっても…

 

昨夜はどこかの病室でおじいさんが「ウォ~!ウォ~!」と長いことうめいていた…

なんの病気なのだろう?

どれだけ入院しているのだろう?

 

エレベーターのところで電話する60代くらいのご夫婦。

どうやら入院している親御さんに差し入れに来たらしい。

スマホに向かって話しかけていた。

「うんうん、そうや、近くまで来とるんやけどな、もうここからはなコロナやきん入れんのや…。 うんうん、治ったらな、うん、会えるきんな、治ったらな…」

 

廊下を歩くたびに見かけるストレッチャーに乗せられ、息絶え絶えの高齢の患者さん。

この人たちが元気になってこの病院を出ることはあるのだろうか?

 

こうして私が病院で過ごしている間にもこの病院の中では何人もの方が亡くなっているのだろう。

 

私は、私はまた社会に戻れる…

まだ猶予を頂いている。

 

癌や心臓病、脳疾患などの重病ではない、でもそれらもいつかはやってくるだろう。

心の準備を、体制の準備をしておかなくてはならない。

今回私が入院したことで完全にお店を閉めなくてはならなかった。

組織としてはあまりに脆弱と言わざるを得ない。

それはわかっていたのだが、先延ばしにしていた感がある。

スタッフの成長をもっと促して、こういった危機を乗り越えられるようにしておかねば今後また何が起こるかわからない。

 

だから頑張ってね!

N木さん!

T田くん!

(笑)

 

コンビニに食料を調達しようとしてエレベーターに乗り込んだら新生児を抱いたご夫婦と一緒になった。

あぁ、ここは坂出市で唯一産科のある総合病院なのだ。

我が長女「美音」も9年前ここで生まれた。

 

あ、そうそう!

あの時は…

妻は2回目の帝王切開での出産が決まっていて、予定日は土曜日だったのだが、土曜日はお店が忙しく付き添いが難しいので「定休日の水曜日にしてくれないか?」と医師に頼んだのだが、それでは遅すぎると中間を取って「10月15日の月曜日」に誕生日が決まったのだった(笑)

2012年10月15日(月曜日)

長男の時は難産で予定日を過ぎても生まれず、緊急の帝王切開になり、極度の不安の中での誕生に私が感動して泣いた、という話を長女は知っているので、どうも自分の誕生エピソードには不満があるらしい。(笑)

「安心してください、美音ちゃんが生まれた時もパパは泣いたよ(笑)」

 

 

「死」と「生」

ここにはその両方がある。

それが人間が何千年も繰り返してきた営み、歴史なのだ。

私もその膨大な歴史の中の一人。

 

何かをやり遂げないでパパは死ねない。

 

                                つづく