さて、入院も5日目を迎え、前号で書いたように入院3日目で始まったステロイド経口薬「プレドニン」の投与により快方に向かい、ようやく光が見えて来た。
もうここまで回復してくれば、退院も近いのではないだろうか?
もちろん医師とすれば、ちょっと良くなったからと言ってすぐ退院を許可はしないだろうし、私もぶり返しは最も怖い。
しかし、今日15日で点滴が終了し、後は飲み薬のみになるので自宅での療養も可能になる。
もちろん退院したら即仕事をするつもりではあるが(笑)
退院したら何をしたい?
良く「〇〇が終わったら何がしたいですか?」などという質問を耳にする。
最近では…
「コロナが終わったら(収束したら)何がしたいですか?」
「そうですね~、ずっと行けてませんでしたから海外旅行にいきたいですね~!」
「友人みんなと集まってワイワイ飲みたいです~!」
「田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行きたいです!」
「ライブとかコンサートに全然行けてなかったんで~」
「早くマスク外したいですね(笑)」
しかし、もう「コロナが(完全に)終わる(収束する)」という明確な希望は持ちにくくなったせいなのか、こういう明るい声は段々聞かれなくなってきた。
幸い、私のこの「眼窩蜂窩織炎」の治癒は目前にあると思われる。
退院したら何をしたいか?
もちろん仕事はしたいし、しなければならない。
いつもご利用いただいているお客様にも迷惑をかけ申し訳ない。
売り上げを上げねば家族や従業員の生活が成り立たない。
これまで16年維持してきた我が「Jinkhair」を守っていかなければならないのだ。
また、40年続けて来た仕事は、それ自体が私の人生そのものでもあるし、完全に身体に染み込んでいるものであるからそれができないのは大変苦しい。
それ以外は?
もちろんバイクに乗りたい!
入院中もyoutubeでバイク動画を見ては、「あのバイクもいいな、これもいいな!」とか、「今度はあんなところにツーリングに行きたいな!」とか思いを馳せて来た。
マグナで行った愛媛「夕焼け小焼けライン」
いつか行きたい山口県「角島大橋」
中断している大型自動二輪の教習も再開させないといけない。
今週の火曜日、水曜日に教習が入っていたのだが、それは難しいだろう。
あと、絶っていたモノは?
あ、酒だ!
帰ったら思いっきりビールを!
……
皆さんは「幸せの黄色いハンカチ」という映画をご存じだろうか?
1977年公開の古い映画だが有名で何度もテレビで放映されていたからご覧になった方は多いと思う。
主人公高倉健演ずる「島勇作」は妻「島光枝(倍賞千恵子)」の流産でムシャクシャしていたところにチンピラとけんかになり、相手を死なしてしまう。
網走刑務所で刑期を終え、出所してきた勇作は早速駅前の食堂に入りまず「ビール」を頼む。
やや戸惑うようなしぐさを見せながら「醤油ラーメンとかつ丼」を追加。
そして運ばれてきた瓶ビールとコップになみなみと注がれたビール。
勇作はおずおずとコップに手を伸ばしたかと思うと、愛おしそうに両手で抱えこみ一気にビールを飲み干すのだった!
そしてそのあとの表情!
「うめ~っ!」バラエティ番組のグルメリポートみたいな大げささはもちろんない。
その気持ちを「グッ!」と抑え、抑えながらもその感情、感動が見事に表現されている。
彼の刑期は6年とされている、その間もちろんビールは飲めない。食事とて当時の刑務所の食事は推して知るべしで、今の私の病院食などはごちそうであろう。
そして出所して来てすぐのあのビール!そしてラーメン!
さぞうまかったに違いない。
(高倉健はこのシーンを撮る二日前から何も食べずにこの撮影に臨んだのだという)
では、私の「刑期」はわずか1週間くらいだが、そんな感じでやってみようか?(笑)
高倉健との演技勝負だ!(笑)
文太兄さんのもいいが、やっぱり健さんだな…でも二人とも亡くなってしまった…泣
う~ん…
でもなぁ~…
なんでだろう?
正直そこまで飲みたいって思わないんだよな~
恥ずかしながら、私は365日殆ど毎日飲んでいる。
最初はビールか、最近はハイボール。
次はワインか芋焼酎か洋酒のなんでもござれ!
酔っぱらうほどではないが、そこそこ飲んで寝るのが毎日の習慣であった。
それほど毎日飲んでいて、入院と言っても悪いのは「眼」だけなのだから入院中は飲みたくて仕方ないだろうなと思っていた。
もちろん飲みたいのは飲みたいよ。
でも飲みたくて仕方がないとか、抜け出して飲んでやろうとか、こっそり持ち込んで飲んでやろうかなどとは全く思わなかった。
じゃあ、これからも目の前になければ飲まずに済むのではないか?
亡くなった父はア〇中の気があったから私もそれに近いものがあるんじゃないかとよく言われたが、これで証明できる。
過度な飲酒が身体に悪いのは小学生でも知っている。
娘に「今日はお酒を飲まないでね!」と言われても構わず飲み続けていた。
遠くからわざわざ通ってくれていた年配のお客様がいた。
お酒が大好きで、とてもお元気で60歳過ぎて新築したお家の事をいつも嬉しそうにお話されていたのだが、ある時から肝臓を悪くされて恰幅の良かったお身体が別人のようにやせ細って来店回数も減り、パッタリと来られなくなった。
心配になった私は以前同じ職場だったという別のお客様に尋ねるとやはりその後亡くなられてしまったのだという。
そのお客様が最後に来店された時にしみじみ語ったこと…
「やっぱり『休肝日』は作らないかんかったなぁ~」
私はそれを聞いてもこれまで飲み続けて来た。
血液検査をするたび、肝臓の「γ-gtp」の数値の値が悪いと言われ続けてきたが、お構いなしで飲み続けて来た。
よし!決めた!
今後酒は一滴も……
イヤイヤイヤ!
さすがにそこまでは…(笑)
よし!
決めた!
酒は休みの前と、休みの日、そして正月とお盆と、それから誕生日と、結婚式と忘年会と新年会と同窓会と旅行とツーリングと、その他もろもろの日以外は飲まない!
何それって?
つ、つまり何でもない普通の日には飲まない!ってことだよ!
って、それが普通ですか?(笑)
いや!私にとってはこれは大変な決断なんですけど(笑)
まぁ、最初からあんまりハードル上げてもね(笑)
しかし図らずも送ることになった入院生活。
これを何かプラスに変えるモノを見い出すとすればこれだ。
家族はバイクもやめて欲しいと思うかもしれないが、そうはいかない(笑)
逆に乗れるうちに乗ってやろうという気持ちの方が強まってきたというのが正直な気持ちだ。
待ってろ、大型!(笑)
つづく