「56歳バイカーへの道」㊿最終回~目覚めよ!Vツインマグナ!~ | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

さて、免許の限定解除を済ませて足早に自宅に戻った私。

そう!今年の3月3日に我が家にやってきて以来ずっとガレージに眠っていたあの「ホンダVツインマグナ」を目覚めさせる時がついにやって来たのだ!

家に帰ってガレージを見るといつもの定位置でマグナは静かにたたずんでいる。

今日こそ、その永い眠りから目を覚まし、復活の咆哮を轟かせる時が来たのだ!

 

~これはそれまで全くバイクに縁のない人生を送ってきた157センチ54キロ、56歳のちっこいオジサンが勝手な思い込みと勘違いがきっかけで普通二輪免許の取得、更に250ccバイクを購入し未知のバイクライフに挑むノンフィクションの物語である~
 

定位置からガレージの中央まで取りまわしてくる。

「重い…!」

GNが軽くて扱いやすいバイクだったからそれに比べると随分重く感じられる。

原付JOGやGNではさすがに立ちごけするようなことはなかったが、この250ccとはいえ180kg以上あるマグナを乗りこなせるだろうか?

一抹の不安はあるが…

 

明るい所に出してやると埃だらけだ(笑)

丁寧に拭いてやる。

バッテリーは充電器で充電してあったので大丈夫だろう。

後はキャブやエンジンにガソリンが回れば…

タンクからのガソリンコックをオンにする。

チョークを引き…

キャブにガソリンが入るように軽くゆすってやる。

ここで試しに一回セルを回してみる。

「キュキュキュキュキュ!」

まだだ…

もう少しゆすって…

もう一度セルを回す…

「キュキュキュキュキュ!…」

まだか…

「キュキュキュキュ…ブアン…プス…

ン!もう一度!

「キュキュキュキュキュ…ボワァァァ~~ン!」

かかった!

ついにマグナが5ケ月の時を経て眠りから目覚めたのだ!

 

さあて!

こいつでどこに行こうか?

そうだ!この辺のバイク乗りが必ず行く五色台に行こう!

前に原付JOGで行ったときはたいして面白いと思わなかったが、マグナなら楽しめるし、道も整備されているから安心だ。

 

エンストを何度かやらかして、走り出す!

アレ?ステップは!シフトレバーはどこ?

そうなのだ、マグナはアメリカンバイクなので教習車やGNよりステップがかなり前方にあって、足をやや投げだすようなスタイルになるのだ。

これは慣れていかないと!

 

ついに走り出したVツインマグナ、やはりGNと比べると車体も大きく、重く、エンジン音も猛々しい。

アクセルを回すと図太いトルクと地響きのようなエキゾーストノートに酔いしれる。

「バイクに乗っているんだ!」という実感、満足感、それはGNの時とは段違いだ!

「どうだい?カッコイイだろう!」

道ですれ違う車や人にそう誇りたくなってヘルメットの中でニヤついてしまう(笑)

知っているみんなに見せに行きたいくらいだ。

 

私がバイクの免許を取ろうと思い立ったのは今年の2月の事。

新しいカメラを買ったのに車で出かけたのでは思うように写真を撮れないことから、「バイクに乗ればいいじゃん」と本当に軽い気持ちから、試しに自動車学校のHPを見て、「55歳までしか免許が取れない」と勝手に勘違いをして慌てて自動車学校に駆け込んでしまう。

教習が始まる前に中古で見つけた綺麗な「ホンダVツインマグナ」に一目ぼれして早々に我が家に迎え入れる。

中年ながらそれなりに身体は動いていたので何とかなるだろうとの根拠のない自信も教習車「ホンダCB400SF」の前に木っ端微塵に砕かれ補習の連続。

果てにはスラロームで転倒し肋骨を骨折し2か月の教習中断。

家族の反対もありこのまま続けるかどうか思い悩んだ日々。

しかし、一度しかない人生でのチャレンジと思い直し、もっと確実にと原付JOGを買い、休んでいる間に練習して復帰した教習もまた壁にぶち当たる。

それならば、と今度は別の自動車学校で小型免許を取り「スズキGN125h」を手に入れ更に練習の日々。満を持しての限定解除教習でも苦手「クランク」に悩まされながらも何とか検定の一発合格を果たした。

 

五色台、高度が上がるたびに気温が下がってゆくのが手に取るようにわかる。

そのワインディングロードを思い通りのラインディングで駆け上がって行く!

なんという爽快感!

これがバイクの素晴らしさなんだ!

五感をフルに使い、風や気温を肌に感じ、緑のにおいや木々のざわめき、エンジンの鼓動を聞きながら次々と流れる景色を研ぎ覚ました神経で次を読む。

 

「スリルがあるから面白いのね♪」

そう言われたことがある。

確かに「バイクに乗る」という事は危険との隣り合わせだ。

しかし「危ない」から面白いのではない!

バイクに乗るという事は先の五感に加えて全身の筋肉、反射神経、平衡感覚を研ぎ覚まし、それらすべてを駆使しないと思い通りにマシンを操ることはできない。

つまり「スポーツ」と同じなのだ。

これは4輪とはずいぶん違う感覚である。

 

ただ「うるさくて」「悪っぽい」からカッコイイのではなく、それらすべてを兼ね備えた者でなければ「ライダー」になれないからカッコイイのだ!

 国民休暇村から瀬戸内海を望む、遠くに瀬戸大橋が見えるのが分かるだろうか?

香川のバイク乗りの聖地「王越の大崎ノ鼻」

休日ともなれば多くのバイク、ライダーが集結するという名所も平日とあって閑散としている。

「刀」に乗ったベテランライダーらしき先客がジロジロ見てくるが、こちとら今日免許を貰ったばかりの超初心者なので怖くて目を合わせられない(笑)

王越からの海沿いの道から見える瀬戸大橋。もう少し後なら綺麗な夕焼けが見れただろう。

 そしていつもの青ノ山山頂。遠くには別名「讃岐富士」と呼ばれる「飯野山」

 

ひょんな事から免許取得を目指し、途中から何のためにバイクに乗るのか分からなくなりながら、無我夢中で突っ走って来たこの半年間。

私は遂にライダーの仲間入りを果たしたのだ。

しかし、その「ライダー」であり続けるためにはとにかく安全に事故を起こさぬことが絶対条件となる。

そうでなくとも身体には色々不具合があって、いつまで乗れるかはわからない。

普通ならバイクを降りる年齢で始めたのだから…

しかし56歳での挑戦は私の人生の中でもエポックメーキングな出来事であったのは間違いない。

これからもこのバイクという素晴らしい相棒と人生を走り抜いて行きたいと思う。

 

「バイクはカッコよく、人生を豊かにする!」

 

このブログをご覧の皆様、長らくお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。

私の備忘録として始めたブログですが、こうやって皆様の温かい応援やアドバイスのお陰で無事目標を達成し、シリーズを終えることが出来ます。

お名前やお顔も存じ上げない全国の方との交流は何物にも代えがたいモノだと実感しております。

この「56歳バイカーへの道」シリーズは今回で一旦終了いたしますが、これからは「ツーリング日記」またGNやマグナの「カスタム日記」などで皆様とお会いできるかと思います。

そしていつか「大型二輪」の免許取得を目指す気になった時は「○○歳バイカーへの道~大型編~」として再スタートする日もあるやも知れません(笑)

その時は皆様、また応援の方よろしくお願いいたします(笑)

 

それでは最後に初の動く私を観ていただいてお別れといたします。

 

                             ~完~