難病「サルコイドーシス」前編 ~いったいこれはなに?~ | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

前に私が「網膜動脈閉塞症」を発症して左目に大きな障害を負ったという事はこのブログで書かせていただいた。

 

「網膜動脈閉塞症」前編 ~ある朝突然に~

「網膜動脈閉塞症」中編~Difficult to Cure (治療不可)~

「網膜動脈閉塞症」後編~これはこれでおもろいで~

 

あれから当時の予想通り障害は全く改善していないが、進行もしていない。再発の恐れは常にあるものの、当初は気になっていた視野の障害もそういう「見え方」に段々慣れてきて普段の生活にそれほど困ることはなくなったのだが、やはり見えない部分は片目の右目で見ているため遠近感をとらえるのがやや弱いことはある。

 

実は私はこの他に厄介な病気を一つ抱えているのである。

その名は

「サルコイドーシス」

聞きなれない名前だ。

これを知っている人はほんの一握りであろう。

当然私も知らなかった。

 

「それ」に気づき始めたのは一昨年の夏ごろであった。

両腕にニキビのようなブツブツが目立ち始めたのだ。

 

これは2018年の10月15日長女美音の誕生日にレオマワールドに遊びに行った時の写真である。

観覧車での楽しいひと時であったが、この時の私の腕に注目してもらいたい。

腕にこのようなぶつぶつがあるのが確認できる。

ただこの頃は腕だけであったし、特に痛いとかかゆいとか、潰れて汁が出るというようなことはなかったので、それほど気に留めることはなかったのである。

そのうち消えてなくなるだろうとたかをくくっていたのだ。

 

次の異変はその年の12月24日、クリスマスイブの朝に起こった。

前日、地域の「南部太鼓台」の忘年会に出席し、しこたま飲んだ私は異常な目の痛みに目が覚めた。

見てみると右目が今まで見たことのないような充血をしているではないか。

「目が真っ赤」とよく言うがそれどころではない、まるで目から血が滴り落ちてくるのではないかと思うほどの充血だ。

そして開けていられないほど痛い。そして光が異常にまぶしくて、それほどの光量でもないのにまるで光に刺されるように痛い。

しかし、今日は振替休日で眼科は休診、店もそれなりに忙しいだろうと思い通常通り出勤したが、目が開けていられない。

妻に眼帯を買ってきてもらって仕事をしようとしたのだが、やはり片目では仕事にならない。

右目を開けたり閉じたりしながらなんとか仕事を続けるが、これはもう駄目だと、眼下の休日当番医を調べると高松の眼科が今日やっている。

店の事はスタッフに任せて行くことにした。

休日当番医のS原眼科医院は観光通から少し入ったところにあった。

先生は年配の女医さんである。

状況を説明した後色々な試薬を点眼して調べてみたところ

「虹彩炎」と診断された。

調べてみると…

虹彩炎とは、眼球のぶどう膜のひとつである虹彩と水晶体が癒着を起してしまうことによって発病する眼科の病気のことです。最も分かりやすい症状は、白目の充血で、それに加え眼球に痛みを感じる場合もあります。
 これらの状態を放置しておくと激しい痛みや、目を開けられないほど光をまぶしく感じることもあります」

とあり、まさに私の症状と一致する。

この日は何種類かの目薬を処方していただいて、夜には何とか落ち着いたので、のちに改めて近所のK保眼科で診察してもらったが、原因はわからないということだった。

前日結構飲酒をしたせいかなと思ったが、それは関係ないということだった。

その後も何度か再発をおこし、その度にステロイドの目薬で何とか抑えていた。

これは「網膜動脈閉塞症」を起こす約半年前の出来事である。

網膜の方は左目なのでこれと直接は関係ないものと思うが、腕のブツブツとこの虹彩炎が関係あるとはその時は夢にも思わなかったのである。

 

そうしているうちに腕だけだったブツブツが赤い斑点のようになって腹、背中、足と全身に広がっていったのである。

当初、腕だけだったため、原因は「紫外線」ではないかと考えた。

それで全身に広がった時期とたまたま全身に紫外線を浴びた時期とが一致したため更にそう考えて色々し調べてみると、確かに「紫外線アレルギー」なるものは存在していてこのような発疹ができることもあるらしい。

私はそれまで何度か診察してもらったことがある、「N皮膚科」でその旨相談してみたのだが、明確な答えは得られなかった。

更に「A皮膚科」では「マラセチア菌」が原因ではないか?と薬を処方され、また「M皮膚科」ではハッキリと「わからない」と言われた。

その頃の私の体は大変な事になっていた。
顔以外、腹、背中、腕、足のほぼ全身に赤い発疹が広がり、目を背けたくなるような醜い姿になっていた。


腕のブツブツをお客様に見られて「それ、どうしたんですか?」と訝しげに尋ねられることもあった。

そりゃあ、お客さんにしたら何か病気かも知れない人に触られるのは不安だろう。

しかし一番不安なのは本人である私である。

「何か大変な病気になっているのではあるまいか?」

「それは家族などにうつしてしまうようなモノなのだろうか?」

皮膚科を三軒回ってもわからなかったこの症状。

どこなら原因を突き止めてくれるのだろう?

最後の頼みの綱と「T皮膚科」に行くことにした。

T皮膚科の先生は「やや気難しくて苦手だ」という人もいるが、「名医」だと評価する人もいて私も迷っていたのだが、こうなるともうそうも言っていられない。

T皮膚科は古い昔からある病院のようだ、一体どんな先生なのだろうか?

受付の女性に保険証を渡し、しばらく待つ。

ここは患者も少なくあまり待つことはないと教えられたが、その通りすぐに呼ばれた。

先生は思っていたより若くダンディだった。

しかし噂通りニヒルでやや気難しそうな雰囲気を漂わせている。

「これなんです」

と腕をまくり、発疹を見せると先生はやや驚いたように

「これは普通じゃないですね」

とつぶやいた。

そうなんです普通じゃないから困っているのだ。

そのあと背中などを診た後、

「全く掻き傷もない、普通こういう発疹はかゆみを伴うことが多いんですが…」

そんなんです、これは全くかゆくも痛くもないのだ。

逆にかゆかったらそれこそ地獄だっただろうが…。

 

「これはちゃんと調べた方がいいですね、麻酔をしてこのブツブツの一部分を切り取って検査に回しましょう」

おぉ!なんか大変な事になって来たぞ!

でも、キチンと調べてもらえるのは心強い。

ちょっと痛かったがブツブツ直径5ミリほどえぐり取り、検査に回してもらう。

結果が出るまで2週間ほどかかるからそれくらいに来るようにと病院を後にした。

「これでやっと原因がわかる!しかし、本当に大変な病気だったらどうしよう?」

不安な2週間を過ごし、再度T皮膚科に、向かった。

 

                               次号に続く…