卒園式 | 5歳娘 脳腫瘍でお空へ ずっとずっとあいしてる

5歳娘 脳腫瘍でお空へ ずっとずっとあいしてる

娘、4歳の夏、脳幹部のグリオーマDIPG になりました
頑張りぬいた娘の姿と家族の日常を綴ります
病気の周知と治療法の発展を願って!
ブログに助けられました
このブログがどなたかのお役に立てれば幸いです

先週の金曜日は娘の卒園式でした。


園生活は、娘が家族親族以外で初めて築いた社会生活です。

なのでちゃんと卒園させてあげたくて

旅立ってからも主な園の行事には参加させていただいていました。


https://ameblo.jp/jinemi0908/entry-12662511819.html 


卒園については、夏頃から園長先生に
「必ず卒園させます。」
とお話いただいていて
式の出欠のみこちらに委ねられていました。

夫も私も迷うことなく出席を選択。
とにかくしっかり見届けたいという気持ちでした。

残念ながらコロナの影響で保護者は1人のみとなってしまった為私のみが出席。
1人で自分を保てるのか心配でしたが
出席しようという気持ちに変わりはありませんでした。

まずは当日朝、娘の椅子に置いていただく
・園服&体操服
・園服姿の写真
・人形
・コサージュ(髪飾りをつけてあげられなかったので)
を夫婦で届けに行きました。

担任の先生に
「お願いします。」
と託す時に泣いてしまい
その後も涙が止まらず…。
夫はただただ静かにしていました。

一旦帰宅して準備をしてから、保護者の集合時間に合わせて夫の送迎で再び保育園へ。

ずっと静かだった夫ですが、園に着いたらこんなことを言いました。

「今日はここなの最後の行事だから、自分を保ってしっかりと見てきてあげて。」

朝から泣いていた私を見て心配だったのでしょう。
泣きたい気持ちも分かるけれど、娘の親としてしっかりとね
という夫の気持ちだったのだと思います。

常は口数の少ない夫だからこそ
夫の言葉には、目一杯の娘への愛情を感じます。

本当は出席したかった夫。
そこを私に譲ってくれたのだから、ちゃんとしない訳にはいかない。

なにより
母親としてしっかりしなければと思い直せました。

厳粛な雰囲気な中、1人1人ゆっくりと入場してくるクラスの子供たち。

小さな頃から知っているお友達です。

その成長した姿は微笑ましいもので、自然と笑みがこぼれました。

気持ちは少し違うのかもしれないけれど
涙が止まらないのはどの保護者も同じです。

子供たちの立派な姿と親の涙の中
粛々と式は進んでいきました。

いよいよ娘の卒園証書が読み上げられる番です。

お母さんが受け取るでもいいですよ、とは言われていましたが
それはできる勇気がなくお断りしていましたので、他の方同様保護者席で見届けました。

娘の名前
生年月日
在園年数
証書の全文
渡してくださる時の園長先生からのひと言

さすがにこの時は苦しくて、声をあげて泣きそうになりましたが
なんとか押し殺して涙だけにとどめました。

卒園証書授与の後は園児から保護者へ花束のプレゼントです。
保護者が子供たちの椅子の前に行き花束を受け取ります。
娘の席にも花束を用意してくださっていたので、私はそれを受け取りました。

その後は園児の贈る言葉や決意、歌など。

ここなだったらどんな風に言ったのかな?
ここなだったら小学生になったら何を頑張りたいって言ったのかな?

そんなことを思いながらも
他の子供たちの成長した姿がやっぱり嬉しくて可愛くて
式が終わるまで穏やかな気持ちで過ごすことができました。

園児が退場して一旦式は終わり
続いて記念撮影と、父母会から先生方への感謝のセレモニーです。

娘は退場することはなく、写真などが置かれた椅子はそのままだったのですが
記念撮影の準備の時に担任の先生がその椅子をとても丁寧に移動してくれていた姿が目に入りました。

それは“椅子の移動”という感じではなく
まるでそこに娘がいるかの如く
本当に愛情をこめて動かしてくださっていて…
娘が旅立ってからも変わらず
いつも娘と共に過ごしてくださっていたんだなと伝わってくる、胸いっぱいの光景でした。

そして父母会からも胸いっぱいのサプライズが。


先生方への花束贈呈の前に
なんと娘にも花束を贈ってくれたんです。

突然のことにビックリしてしまい一言一句までは覚えていないんですが
娘のクラスメイトが

「仲良くしてくれてありがとう。」

との言葉と共に贈ってくれました。

白雪姫のお気遣いが一層嬉しくて…
なにからなにまで胸いっぱいの日となりました。


どんな気持ちになるのか不安もありましたが
出席できてよかったなと、心底思えました。

それは娘の行事という面だけではなく
今ある幸せを再確認できたからです。

式の途中、幼かった子たちが立派になっている姿を見て
娘への想いと共に
“息子もこんな風になれるのかな?”
と何度か考えました。
楽しみだと思えました。

未来に想いを馳せられるということ
それは息子のおかげだということ
今私たち夫婦が笑えるのは息子がいてくれるからだということ

たしかに

娘がいないことに押し潰されそうになるのも
泣かない日がないのも
たまに大きな波にのみこまれて泣き崩れるのも
常に悲しみを抱えているのも
写真や動画がどんどん見られなくなるのも

それも間違いなく現実です。

だけど息子だってかけがえのない宝物。
娘がなにより大切にしていた弟。
息子にどれだけ助けられているのか。
そこへの感謝は忘れていはいけない
しっかり生きないと娘に怒られちゃう
と感じました。

娘の晴れ舞台を見守るなんて偉そうなこと言いながら
娘に教えられることばかりの卒園式となりました。



ここなへ
卒園おめでとう。
本当に頑張った4年間だったね。
パパとママに沢山の幸せをくれて
沢山のことを教えてくれて
ありがとう。

2021.3.19 卒園式にて