ただ静けさに会いに行く~改修が終わった瑠璃光寺五重塔を訪ねる | 写真家 jin-andoの徒然日記~写真に魅せられて

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ただ静けさに会いに行く
~瑠璃光寺と五重塔、音の道を歩く旅

 山口県山口市にある瑠璃光寺は、国宝・五重塔を中心に、室町時代から幕末までの歴史が凝縮された特別な場所です。
 四季の花々が彩る香山公園の中に佇み、訪れるたびに違う表情を見せてくれる、そんな魅力が多くの旅人を惹きつけています。 

 

 瑠璃光寺 ― 大内文化の残響が息づく静寂の寺

 

 瑠璃光寺の境内に足を踏み入れると、まず感じるのは「静けさの深さ」です。山口市の中心部からほど近い場所にありながら、香山公園の木々に包まれたこの寺は、まるで時間がゆっくりと沈んでいくような、不思議な落ち着きを湛えています。瑠璃光寺の歴史は、室町時代に山口を本拠とした名門・大内氏と深く結びついています。大内義弘が建立した香積寺が前身で、後に毛利氏の時代に現在の瑠璃光寺が移され、今の姿となりました。
 大内氏は「西の京」と呼ばれるほど文化を重んじた一族で、京都文化を積極的に取り入れ、山口に独自の雅やかな文化を築きました。その面影は、瑠璃光寺の静謐な佇まいや、境内に漂う柔らかな空気の中に今も息づいています。朝の光が差し込む時間帯に訪れると、木々の影が石畳に揺れ、鳥の声が遠くで響き、まるで室町の都に迷い込んだかのような錯覚すら覚えます。
 境内は広すぎず、歩くたびに小さな発見がある心地よい空間です。歴史の重みを感じながらも、どこか人を包み込むような優しさが漂っていて、旅の途中でふと立ち寄りたくなる場所。瑠璃光寺は、ただの観光地ではなく、時代の記憶が静かに息づく「物語の残る寺」なのです。


 香山公園の入口に立つと、朝の光が木々の間からこぼれ落ち、まるで旅人を迎えるように足元へ降り注ぎます。鳥の声が遠くで揺れ、湿った土の匂いがふわりと漂う。山口の朝は、どこか懐かしく、胸の奥に眠っていた静けさをそっと呼び覚ましてくれるようです。ゆっくりと歩みを進めると、室町時代から続く瑠璃光寺の伽藍が姿を現し、長い歴史を静かに語りかけてきます。境内は広すぎず、歩くたびに小さな発見があり、旅の始まりにふさわしい穏やかな時間が流れていました。

 

 国宝・瑠璃光寺五重塔 ― 大内氏の祈りが形になった優美な塔

 瑠璃光寺の象徴ともいえる五重塔は、室町時代の1442年頃、大内盛見が兄・義弘の菩提を弔うために建立したものです。総檜造りの塔は高さ31.2メートル。均整の取れたシルエットは、見る角度によって表情を変え、朝の光、夕暮れの影、雨に濡れた静けさなど、どの瞬間も絵になる美しさを持っています。
 大内氏は京都文化を深く愛し、その影響は五重塔の造形にも色濃く表れています。屋根の反りは優雅で、細部の意匠には雅な美意識が宿り、まるで山口の地に「もうひとつの京都」を築こうとした大内文化の象徴のようです。塔の周囲には四季折々の自然が広がり、春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
「令和の大修理」が完了し、その前に立つと、改めて、歴史の重みと人々の祈りが静かに胸に響き、旅人の時間もまたゆっくりと歩みを緩めていきます。

 うぐいす張りの石畳 ― 足音が、時代の記憶を呼び覚ます

 瑠璃光寺の境内を歩いていると、ふいに足元から“キュッ”と小さな声が響きます。うぐいす張りの石畳——木の廊下ではなく、石畳でこの音が生まれるのは珍しく、訪れた人が思わず足を止めてしまうほどの不思議な魅力があります。朝露を含んだ石はひんやりとしていて、踏みしめるたびに音が変わり、まるで石が旅人に語りかけてくるようです。
   この石畳がいつから存在していたのか、明確な記録は残っていません。しかし、瑠璃光寺が大内氏の時代から続く歴史を持つことを思えば、この音は何百年もの間、無数の足音を受け止めてきたのかもしれません。僧侶が祈りへ向かった足音、志士たちが密談へ向かった足音、旅人が静けさを求めて歩いた足音——そのすべてが、石の奥にそっと染み込んでいるように思えるのです。
 風が木々を揺らし、光が石畳に落ち、そこを歩くたびに小さな音が響く。その瞬間、現在と過去がふっと重なり合い、時代の記憶が呼び覚まされるような感覚に包まれます。うぐいす張りの石畳は、ただの道ではなく、歴史の余韻が静かに息づく「音の記憶装置」のような存在なのです。

 

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■花鳥風月

  2月の満月は「スノームーン」 2月2日 18:55撮影

 

 

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