こうやって、人様のブログのリンクを自分のブログ記事に貼るのは初めて。
以前から、この主様のブログは拝見致していた。
内容は、結構過激な発言とハッキリ断言する言い回しが特徴で、読者もアンチと非アンチに分かれる事が想像出来るブログだ。
かく言う私も、このブログ主様の考え方にはアンチ派である。
記事によっては怒りや、ひどい時は胸くそ悪くて読んだ事を後悔する事だってある。
しかし、中には厳しい発言ながらも指導者として考えさせられる事もあるし、気付きを与えられる事もある。
受け入れる事が出来ない記事がほとんどであるが、一理ある、的を射てる記事もあり、認めざるを得ない記事があるのも事実である。
そういう視点から、私は以前からこの方のブログには注目していたし、私の指導にも教訓として生かしていた。
ある意味、生きた反面教師の教科書でもある。
しかし、この記事については一言もの申したい。
私は現在、サッカー指導者を職業としている。
詳しい事は割愛するが、私のメインはサッカースクールと協会にまだ属していないジュニアチーム、ジュニアユースチームを持っている。
それと同時に、ボランティアコーチとして少年団に属しているが、ボランティアとしてのメインである、地区トレセンの統括コーチと都道府県トレセンの指導スタッフを兼任しており、協会に属している少年団のコーチの身分がなければトレセンコーチとして活動が出来ないという理由から、少年団に所属している。(協会所属職員であればいいが、私はスクールを経営してる為)
少年団とトレセンは完全ボランティア。
さて、ここからが本題である。
上記のリンク記事の内容には、ボランティアコーチを素人という理由から、指導者気取り、自論の押し付け、サッカー観をねじ曲げるような指導、等々、ボランティアの指導者を散々こき下ろしている。
私はこの記事を見て、同じ立場の指導者としてなんとも言えない沸々とした感情が溢れてきた。
それと同時に危険だなと。
このブログ主様のブログは多数の方が拝読されている。
その主な読者は、今現役でジュニアの選手をお持ちの保護者の方々が多数を占めるのではないかと思う。
何もわからず、ただひたすら子供の為に、あらゆる記事を参考にして、少しでも子供の力になろうとあらゆる記事を読み漁っている保護者の方々だ。
そんな保護者の方々にこのような記事が目にとまり、真に受けてしまったら…
特に意見したい部分は以下の通りである。
〜以下本文より引用〜
いいですか、よく聞いてほしい。
今の日本のサッカー界、特に幼少期からジュニアにかけて少年サッカーを根底から支えてるのは、少年団のボランティアコーチだ。
ボランティアコーチの存在なくしては、日本のサッカー、ましてや少年サッカーは活動出来ない。
プロの指導者だけでは到底成り立たない世界だ。
私がプロの指導者、トレセンコーチを経験して、改めてボランティアコーチの存在の大きさを認識した。
私のサッカー指導者の始まりは、少年団のボランティアコーチからだ。
息子が属していた少年団のお父さんコーチとして活動したのが始まりである。
その時は、ボランティアコーチの存在の大きさを自覚していなかった。
しかし、今、プロの指導者として生きて行く中で、少年団やトレセンコーチを歴任して感じたのは、ボランティアコーチの存在の有り難さと貴重さである。
これだけ、地域のジュニア選手に密着して、サッカーの指導に携わるボランティアコーチの方々は、青少年の健全育成の観点から見ても、その存在と役割は大きい。
ボランティアコーチの方々と共に活動してて感じるのは、その真摯な取り組み姿勢だ。
ジュニアの選手の為に、少年団の為に、自らの時間と時には身銭を切って奉仕している。
確かに、この方のおっしゃる様な、指導者らしからぬ行動をするボランティアコーチがいるのも事実である。
しかし、世の中のボランティアと呼ばれるコーチのほとんどは、真摯に取り組んでおられる。
サッカー経験のない方は、勉強しながら指導者ライセンスを取得して、熱心に指導に尽力されている。
私は、そのような方々を多数見て来た。
必死になって少年サッカーに向き合うボランティアコーチの方々と、私は一緒に活動してきた。
その多くの方々は、この方の言うような傲慢な態度など微塵も見せない。
プレイヤーズファーストに重んじ、陰で選手たちを支えている。
そのような、日本の少年サッカーを根底から支えているボランティアコーチに対する上の記事は愚弄でしかない。
この方の考えは自由ですが、この影響力のあるブログでのボランティアコーチに対する愚弄は見て余るものがある。
この方はよく、プロのコーチにこだわる発言が多く見られる。
プロ経験者に指導を受けないとならないとか、素人から教わると時間を無駄にする等、何かとプロにこだわる。
当初、私自身がプロの指導者なので、私は対象外だと思っていた。が、しかし。
ここからは、私の推測である。
この方のおっしゃるプロというのは、
「プロサッカー選手経験者」という意味のプロではなかろうかという事だ。
この方はサッカー未経験であるが、音楽のプロらしく、音楽の道でプロにのし上がったのだから、他分野のプロの感性がわかると。
プロサッカー選手の感性と、音楽のプロとしての感性が通づるものがあるので、サッカー知らなくてもプロとしての厳しさやプロセスを知っていると。
プロ独特の特殊な世界を、音楽の世界で身を持って知ってると。
だから、サッカー知らなくてもプロを語れるのだと。
この方の頭の中の理論はこうではないかと推測している。
だとすると、この理論に当てはめると、私はプロサッカー選手経験はないので、プロの指導者とは認められない事になる。
それどころか、ボランティアコーチはもちろん、世の中のほとんどのサッカー指導者や保護者はプロサッカー選手の経験はないので、この方の言う「素人」という事になる。
この方の言う、「本当のプロに学ばなければダメになる」理論、プロの選手経験者の指導者が、世の中にどれほどいると思っているのか。
それを言うなら、私のスクールには、日本代表経験のある元プロサッカー選手のコーチがいる。
今、ジュニアユース担当で指導に携わっている。
他にも、元Jリーガーのコーチもいて、ジュニアを担当している。
フットサル日本代表経験のあるコーチもいる。
特別クラス担当である。
しかし、こんな事を言うとこの方は、「日本のサッカーでプロになっても所詮レベルの低い日本、外国でプロ経験がなくてはならない」とでも言うのだろう。
この方はもしかすると、過去に少年団でとても苦い経験をしたのかも知れない。
私と同じように、少年団のボランティアコーチにトラウマ級の卑劣な事をされた経験が。
だからこそのボランティアコーチに対する批判記事なのかも知れない。
しかし、これだけは言っておく。
プロ経験のあるコーチがいるチームなんて稀である。
今の日本で、ジュニア選手がどれだけいると思うか。
プロコーチだけでは到底追いつかない位いる。
だからこそ、プロ経験のないボランティアコーチ、指導者、保護者が、日本の少年サッカー界を根底から支えているのはいうまでもない。
彼らがいないと日本のサッカーは淘汰されていくのである。
ボランティアコーチを愚弄する発言をする位なら、同じ日本でサッカーをするご子息をお持ちなら、共に日本の少年サッカーを応援して行こうではないか。
主様の貴重なプロ経験を、その持ってる感性を、ボランティアや少年団を否定するのではなく、少年サッカーにいい方向に反映させて欲しいとつくづく願う。