上には上が、怪物、化け物、悪魔級に上手い奴ら | 少年サッカーよもやま話し

少年サッカーよもやま話し

とある少年サッカーチームに属するコーチの体験談。
いい意味でも悪い意味でも少年サッカーにおけるよもや話しをしていきます。

息子が参加している大学練習。

特待生7名とセレクション組の息子の計8名の新1回生が参加している。

内、息子を含めた3名がトップチームに合流して、試合や練習に帯同している。

そんな状況の中、私は妻と週末、息子の1人暮らしの部屋に訪れ、近況を聞いたのだが、大学サッカー部の選手の話しを面白そうに話すものだから、食い入るように聞いた。


現在トップチームに帯同している3名の内、1名はGKで世代別日本代表に選出された経験のある選手。

ジュニアユース時代は、J1下部組織に属しており、ユース昇格を辞退し、選手権の為に高体連を選んだとの事。

もう1名はFPで攻撃的ポジションを主としており、高校2年まではJユースに所属していたが、選手権への憧れを捨てきれず、途中で高校サッカー部へ転向。

今年の選手権に出場している。

この選手も世代別代表に選出された経歴を持つ。

同期入部生は皆めちゃくちゃ上手いのだが、

息子曰く、この選手は飛び抜けており怪物級に上手いという。


この怪物級に上手い選手、仮に怪物君とする。

この怪物君、息子とポジションは被らないものの、しようと思えばどこのポジションでも出来る器用な選手であるが、背丈が低く怪物君はそれがコンプレックスであり、184センチある息子の身長と、それを生かしたプレーを羨ましがっているのだそうだ。

息子からすれば、背が低くてもべらぼうに上手い怪物君が羨ましいのだが、怪物君からすれば自分のサッカーの力を全く過信していないのだそうだ。

というより、大学の練習に参加して鼻っ柱を折られ自信喪失したらしい。


その理由は、大学の練習に参加して目の当たりにした上級生の先輩の存在がある。

この先輩、化け物級に上手いらしく、怪物君が化け物級に上手い先輩とマッチアップして力の差を痛感し、これまで持っていた自信を喪失したらしい。

化け物先輩は、高校時代はJユースの選手で、プロからのオファーもあったらしいのだが、それを断り大学に入学した。

なぜ断ったか。

この先輩、ユースでは一時注目される位の選手だったが、同年に選手権に出場していた同年代の選手で、悪魔級に上手い選手がおり、その選手にプレミアリーグでけちょんけちょんにされたらしい。

その選手は当然の如くプロになり、今もJリーグで活躍中なのだが、その悪魔級の選手と連絡を取り合う中で、悪魔級の選手が敵わない選手として海外の選手を多数挙げていたのだという。

同じ年代の悪魔級に上手い選手が、これから入団するJリーグの選手に目もくれず、視線は海外に向けられており、Jリーグは通過点で日本代表も必須であるという悪魔的現実。

ユースの化け物先輩からすれば、Jリーグの選手だって格上のべらぼうに上手い選手なのに、それを通過点とさらっと言ってのける悪魔。


「こんな奴とJリーグで、同じ土俵で戦っていく自信は今の自分にはない。」


と、Jクラブを辞退し大学進学を選択したという。

化け物先輩は、まあ結果的にあの時の自分は逃げただけなんだよな…と過去を振り返っていたとの事である。


この時息子は、

「でな、怪物の上に化け物、その上に悪魔、その上は何持って来るねん、て話になってん。

おもろいやろ。」

と、面白い話しとしてオチをつけた。


いやそこかい。

こんな話し聞いたら、上手い奴は上になんぼでもおるとか、そこに食いつかんか?


息子は

「ていうても、化け物先輩も悪魔選手も実際は人間やからなぁ。化け物先輩、性格が慎重で石橋を100回位叩いて渡る性格やから。ホンマにやったら、悪魔とそんなに力の差ってないと思うんやけどな。知らんけど。」

なんとものんきな性格の息子である。

しかし、最後に息子は付け加えた。

「まあ、プロになるんやったら、怪物も化け物も悪魔にもびびってたらなれんわ。

今は全然負けてるかもやけど、やってみなわからんで。」


まさしくその通りである。

日本がドイツやスペインに勝つ時代が来てるのだ。

息子が化け物や悪魔に勝ったって不思議じゃない。


と思いながら、私は就寝します……笑。