満たされる | Echo de chouette

Echo de chouette

横山仁子の徒然日記です。
音楽の話・日々の気持ちを気ままに綴っていきます。



8日、サントリーホールでプレトニョフ指揮、シチェドリンの「カルメン組曲」とプレトニョフによる特別編集版の「白鳥の湖」を満喫した。


レアな曲を味わうのは勿論の事、今回は、プレトニョフの指揮をじっくり見るのが大きな目的だった。

指揮によって、マエストロの音楽の捉え方や向き合い方等、脳内を覗かせてもらえるのだから、こんなに興味深いことはない。

指揮がよく見えるバルコニー席をゲットし、終始、観察のレセプターをフル稼働にして味わった。シチェドリンと親交があるマエストロだからなのだろうか?透徹した理論で詳細に描いた躍動感溢れるドラマティックな13の組曲だったが、見事に一筆書きで閉じていた。


後半の白鳥は、譜面台の楽譜を完全に閉じて、咀嚼した楽曲を微細な動きをつけながら、感情豊かに描いてくれた。愛に包含される喜怒哀楽の色彩を濃厚に表し、人間の感情の奥深さを改めて思い出させてくれた。


終演後、心底"満たされた"と感じた。

目に見えない音楽とは、実に不思議な力を持っている。至極な芸術が与えてくれたエネルギーは、全身のレセプターの目盛りを限界へ上げて、身も心も満たしてくれるのです。滋養❣️


木曜日はオペラシティでの公演。

再度、マエストロと対面の座席をゲット。ホールのサイズが小さくなった分、より指揮ぶりが詳細に視覚に入り、マエストロの音楽の方向性を緻密に味わえた。景色の豊かさが更に増したステージの源を堪能して、更に満たされた。


残念ながら最終公演の日曜日は行けないのですが、1人でも多くの方がマエストロの創り上げる稀有な世界に満たされて欲しいなぁ。


2022.6.10