著者 永井紗耶子
ちょうど、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の頃の時代小説です
鎌倉幕府と朝廷をめぐる様々な政治的駆け引きと、その中で翻弄された女性たちの物語です
六条殿の一女房周子(衛門)が、大姫の入内をアシストするため、鎌倉へ下ります
彼女が主人公です
※周子は、頼朝の右腕 大江広元の娘でもあります
源頼朝と北条政子の娘大姫の入内をめぐる悲劇の詳細を読みました
昔から、毒母はいるわけです
気鬱を抱え繊細な心を持つ大姫
入内より出家を望んでいます
大姫の妹の・三幡の言葉より
帝を拒んで月へ帰るかぐやひめは、大姫によく似ている
以下は、尼将軍ともいわれた政子のおそろしさを表現しています
尼御台(政子)が過たないのは、過ちを認めないから
誰かの責にするから
妻として、母として、
知略や財を駆使して、権力の中枢にいる政子
大姫に偏愛的で、でも、寄り添っているようには見えません
まさに、毒母です
後宮では、祈祷師や陰陽師が暗躍しています
こちらも、おぞましい権力争いです
丹後局~
◆財力と見聞さえ手に入れば、力を持つのに、男も女もありもせぬ
慈円~
◆男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ
p131エピソード
義高の首検めのシーンでは、胸に迫るものがあり、目頭が熱くなりました
義高は、木曽義仲の息子で、鎌倉へ人質として送られた人
大姫の初恋の人です
大河ドラマ「鎌倉殿13人」では、市川染五郎が演じました