著者 小川糸
話は、癌(ステージ4)を患う三十代の女性 海野雫がホスピスに入る ところから始まります
雫は、たった一人の身内にも言わず、瀬戸内の島にあるホスピスへ向かいます
ホスピスの名前は、「ライオンの家」
ライオンの家には、変わったルールがあります
ほのぼのとしたルールです
週に一度、おやつの間での、「おやつの時間」があります
おやつは、毎回、入居者のうちの誰かひとりのリクエストのおやつが、手作りで出されます
おやつをいただく前に、そのおやつの思い出が、手紙形式により語られます
それぞれに、いろんな背景があります
甘い香りが漂ってくる中(私の妄想ですが)
なかなか、ぐっと来るものがあります
雫さんの生い立ちは平凡ではありません
ホスピスでは、どこかユーモラスな人々の交流があり、
また、ずっと飼いたかった犬との暮らしもあります
かすかなLOVEの香りもあって、、、
頑なだった雫さんの心がほぐれます
最期は、すでに亡くなった沢山の人に出会えます
不謹慎な言い方ですが、ばら色の臨終です
現在、日々、痛みをこらえ、家族にも会えずに我慢している人が、私の身近にいます
彼の最期を、こんな風にばら色にできないものかしらと思いました