JIS溶接試験 基本級SA-2F溶接 (*'▽') 実技 | 溶接マン WELDING

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 今日はJIS溶接技能者評価試験の実技を実際にやってみました。

基本級SA-2F溶接、炭素鋼・中板・下向きの裏板ありです。

これを見れば誰でも合格するんじゃないかなキラキラ・…たぶん…口笛

 

さ、とにかく準備しよっと♪

集塵機(ヒュームを吸いこむ換気の役割)セットしてスイッチON!!

今回はダイヘンの溶接機を使用します。・・てかダイヘンしか使わん^^;(やりやすいからチュー)

電源ONして各項目を設定します。

一元は電流・電圧の調整ダイヤルで電流値を変えると電圧が自動的に

標準的な数値に変更される仕組みです。

個別にすると電流も電圧も自分で調整できますので、細かい設定ができます。

ワイヤ径は1.2mmでクレータ無しにします。

溶接終点部のクレータ処理を考慮したワイヤの送りがあるか無いかの違いです。

これが有りだとトーチのスイッチを放してもワイヤが出続けるので僕は嫌いです(笑)

軟鋼ソリッドに設定♪混合ガスではなく炭酸ガスなので^^;

ダイヤルで電流を調整します。

仮付け(タック溶接)は電流150A・電圧19Vで溶接します。

準備完了というわけで、試験概要を説明します。

母材は材質が炭素鋼、板厚9mm 幅125mm 長さ200mmの平板2枚で

裏板が板厚6mm 幅25mm 長さ210mmの平板1枚です。

仮付け箇所は図のとおりです。

溶接ワイヤはYGW-11ソリッドワイヤ径1.2mm

シールドガスは炭酸ガス流量15~20L/minです。

字が汚いな(笑) なんとなくわかるでしょ口笛

開先を溶接で埋めるんですが、3層、3パスが基本です。

開先の断面で表すと・・・・

てなわけで、材料を用意します。

溶接する開先の周辺や裏板の汚れやカス、酸化被膜などキレイにとったほうが

仕上がりがいいですよ。

このようにセットして被覆アークの溶加棒の芯の部分で4mmのルート間隔(ギャップ)を

開けます。

ルート面は裏当てアリなので0.5mmほどで十分かと思います。

4か所仮付けします。(開先にかぶらないようにしましょう)

ステンレスブラシでサラッとみがいておくと尚いいです♪

裏も4か所15mmほど溶接します。これである程度、逆ひずみがかかる。

この状態で本溶接すれば3層溶接した余熱でひずみ、丁度フラットな感じに仕上がります。

このようなモノを台座代わりにして溶接するほうがやりやすいです。

それでは、1層目の電流・電圧調整をします。

電流200A・電圧21Vに設定しました。

一層目はストレートでまっすぐ走ります。(ストリンガービード)

溶接が終わるたびにスラグやスパッタなどをキレイに取り除きます。

 

ピカピカにすればスラグ巻き込みなどの内部欠陥を防げます。

二層目の電流・電圧を調整します。

電流180A・電圧20Vに設定しました。

二層目からはウィービングで溶接します。(一般的にジグザグ走るやつ)

終点のクレータ処理を忘れずに^^;

クレータ処理をしないと終点が余盛不足になる恐れがありますので。

二層目が終わったら再度スラグなどを取り除き、キレイにしましょう。

開先を1.5mmほど残しておかないと三層目を溶接するとき、

どこを基準にして溶接を走ればいいかわからなくなってしまいますのでご注意を滝汗

それでは、いよいよ最後の三層目の電流・電圧調整をします。

電流160A・電圧19Vに設定しました。

ちなみに電流・電圧の調整は人それぞれなので、これが正解とかは無いです。

でも基本的には、これぐらいの設定でやってるんじゃないかな。ニコニコ

 

この三層目が仕上げになるので慎重に焦らずゆっくりと走りましょう。

ちなみにすべて後退法でするほうが良いと思います。(初心者向き)

そのほうがトーチ角度を倒しても溶け込みが深く得られるので。

プール(溶融池)を溜めて開先を覆うようにウィービングしていくと

均一で安定したビード形状になると思います。

最後はこれでもかとピカピカにして試験官の所へ持っていきましょう。

(キレイにしても誰も褒めてくれませんが(笑))

うーん・・・・まあまあかな。

外観がキレイだから合格だっ!! って考えはダメよちゅー

内部欠陥が多いのが半自動溶接の欠点ですからね。

試験当日は朝早くに行かないと順番待ちで終わるのが昼過ぎになっちゃうよ。

まあ、はじめての人は学科もあるから、どっちみち待たされると思うけど・・・

次回は学科試験について語ります。

ではでは・・・