2023年も金沢競馬ありがとうございました! | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

 

 

金沢競馬担当日記、今回は鈴木が担当します。

 

2023年の金沢競馬が終了!

 

この開催、初日の23日は降雪の影響により中止となってしまいましたが、その後は無事に最終日まで開催を終えることができました。

 

 

 

〜目次〜

 

1、佐藤茂調教師通算2000勝達成表彰式が行われました

2、あての木賞はダブルアタックが制覇!

3、ハクサンアマゾネスが平地重賞勝利記録を21勝に更新!

4、熾烈な騎手リーディング争いの行方は

5、金沢ジョッキーズの2023年

 

 

 

 

1、佐藤茂調教師通算2000勝達成表彰式が行われました

 

(セレモニーの模様:泉アナ撮影)

 

25日7R終了後には、先日地方競馬通算2000勝を達成された佐藤茂調教師の表彰式が場内にて行われました。

 

賞状、記念品の授与の後には、佐藤調教師からのご挨拶もいただきました。

 

「上山で開業しましたが、競馬場が廃止となり、ここ金沢競馬場に拾っていただいたご恩を感じております。

 

金沢競馬場はまだメジャーとはいえませんが、関係者一同力を合わせこれからも競馬場を盛り上げていけるよう取り組んで参りますので、よろしくお願いいたします」

 

と佐藤師。

 

今年は111勝を挙げ、金沢リーディング3位。

連対率は37.3%で金沢1位をマーク。

 

重賞競走も今年6勝を挙げました。

 

古馬ではオヌシナニモノの活躍目立ち、3歳ではダイヤモンドラインが一年を通して重賞戦線で活躍を見せ、秋にはサラブレッド大賞典を制覇。

 

2歳戦線でも牡馬はリメンバーアポロ、牝馬はダヴァンティと今後が楽しみな2頭を管理されています。

 

佐藤厩舎の管理馬の活躍、来年もご期待ください。

 

 

 

 

2、あての木賞はダブルアタックが制覇!

 

(口取り写真:泉アナ撮影)

 

過去を振り返りますと、アルドラ、ヴィーナスアロー、カガノホマレ、スーパーバンタムなど後の重賞勝ち馬が誕生しているあての木賞。

 

この過去の優勝馬から見て、個人的には2歳の出世レースと捉えている一戦、今年の優勝馬は断然の支持を集めたダブルアタックでした。

 

レースは、スタートダッシュを決めて、逃げ切り勝ちというもの。

 

大きく崩れることがほとんどないという一面がこの馬の魅力。

ですが勝利は、7月の新馬戦を好タイムで制して以来のものとなりました。

 

姉にはアジアノジュンシンがいる血統。

秋のJRA新潟、芝1000m戦の飛翼特別(2勝クラス)では、2着に4馬身差をつける圧勝で、衝撃を受けた競馬ファンの方もいらっしゃると思います。

 

また兄のブリックスロードは、ホッカイドウ競馬の1000m、1200mにおいて、ここまで10勝を挙げているこちらも快速馬。

 

兄弟馬たちにも劣らない活躍ぶりと、来年の金沢3歳戦線を盛り上げてくれることを願っています。

 

(表彰式の模様:泉アナ撮影)

 

 

 

3、ハクサンアマゾネスが平地重賞勝利記録を21勝に更新!

 
(口取り写真:泉アナ撮影)
 

最終日の最終レースには、金沢ファンセレクトカップが行われました。

 

ファン投票と記者選抜によって選ばれた9頭でしたが、残念ながら2番テトラルキアが出走取消になり8頭によって争われました。

 

平地重賞勝利記録更新のかかるハクサンアマゾネスにやはり断然の支持が集まりました。

 

レースは、懸念された1500m戦のスタートを決めて、自ら主導権を握っていく競馬。

 

ただ一頭、オヌシナニモノが追ってきましたが、最後はしっかりと振り切って、21個目の重賞タイトルを手にし、平地重賞勝利記録を更新しました。

 

(インタビューの様子:泉アナ撮影)

 

 

優勝騎手インタビュー 吉原寛人騎手

 

-ケガから復帰されて、最高のパートナーと新たな記録を打ち立てました。今のお気持ちは

 

「ホントにね、すごい記録をアマゾネスが頑張って作ってくれたので、本当に感謝したいですね」

 

 

 

-1500m戦のスタート今日はどうでしたか

 

「やっぱりちょっとゲートの中で、トモ開いちゃって怪しい感じっだったんですけど、二の脚でしっかりカバーできて自分のペースで逃げることができて、非常に良い形だったと思います」

 

 

 

-直線で追い出してからの馬の反応は

 

「持ったまま、良い手応えのまま4角を迎えることができたので、後ろの足音はちょっと気になりましたけど、なんとか(新記録を)達成できて、嬉しいですね」

 

 

 

-重ねてになりますが、重賞21勝目ですよ!

 

「すごいです!ちょうど僕も今年重賞21勝目だったので、おんなじ数字を同じタイミングで達成できて嬉しいですね」

 

 

 

-吉原騎手はこれが国内の重賞150勝目!

 

「それもちょうどキリがいいですね!良かったです」

 

 

 

-ファンの皆様にメッセージを

 

「雪で開催が一日なくなっちゃったりとか、主催者の方も一生懸命除雪してくれて、レースができることになったので、本当に感謝していますし、応援して下さったファンの皆様、本当にありがとうございました!」

 

 

移転50周年のラストは、記録尽くめのレースとなりました。

改めて関係者の皆様、優勝本当におめでとうございました!

 

 

 

 

4、熾烈なリーディング争いの行方は

 

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最終日までもつれ込んだリーディング争いは、栗原大河騎手が122勝を挙げ、デビュー9年目にして初の金沢リーディングを獲得!

 

12月に入り、2位青柳騎手が猛追。

県営16回終了時点で、一度は勝利度数で並ばれ、そして2着度数の差で青柳騎手にリードを許す場面もありましたが、今年の最終開催、最終日第9Rあての木賞を制し、騎手リーディングを決定づけました。

 

成績面では今年8月に通算500勝達成。

重賞も4勝を挙げ、来年からは金沢競馬を引っ張る存在としてその手綱捌きに注目です。

 

 

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(『僕の写真は一枚使用料10万ですよ!』と冗談を言いながら顔を覆ういつぞやの栗原騎手)

 

 

 

 

5、金沢ジョッキーズの2023年

金沢所属騎手たちに“今年はどんな一年だったか”を伺いました。

(※都合上全員にお話を伺うことはできませんでした。ご了承ください)

 

ルーキー・加藤翔馬騎手

 

「本当に恵まれた一年だったと思います。最終日までに60勝したいと思っていますが、それでもこれだけ勝てたのは、関係者の方々のおかげです。

 

冬場は高知に乗りに行きます。田中守厩舎で勉強させていただきます。トップの厩舎で学べる期間を大切に、この1年間と変わらないくらい濃い時間にしたいと思います(2024/01/09更新)」

 

 

有言実行の加藤騎手。

最終開催でも勝利を重ね、デビューイヤーは62勝まで勝ち星を伸ばしました。

 

 

 

 

甲賀弘隆騎手(写真右)

「今年は後半にかけて、力のある馬に乗せていただく機会も増えて楽しかったですね!」

 

平瀬城久騎手(写真左)

「無事にケガのない一年になってよかったですね…」

 

甲賀騎手

「平瀬さんが一年間大きなケガしないって珍しいですもんね!」

 

平瀬騎手

「30代に入ってからケガをすることが少なくなかったので、一年大きなケガがなくてよかったです。冬場は笠松でまた期間限定騎乗します」

 

 

甲賀騎手は平瀬騎手に思い切ったことを仰る…。

ですがこの会話は、黒木厩舎所属のお二人の関係性の良さを象徴していると思います。

 

 

 

田知弘久騎手

「ちょっとしたケガの多い一年だったかな~。

 

短いスパンで立て続けにケガをしたりみたいなことがあったからそういう風に感じるのかも。

 

この冬は、牧場のほうにお手伝いをしに行く予定ではある。馬に乗らないとなまるからね」

 

 

昨日、笠松競馬場で行われたライデンリーダー記念では、中川厩舎のハイウッドスマイルに騎乗し、3着と健闘しました。

 

 

 

兼子千央騎手

「厩舎も変わりましたし、色々ありましたね。

 

(今年は通算100勝も達成し)減量が取れてから理由は分かっていないですが、調子がいいですね。

 

冬場は実家に戻ってゆっくりしつつも、高知の同期、マサチカ(妹尾騎手)、多田羅、濱に会いに行こうと思っています」

 

 

 

青柳正義騎手

「開幕直後の感触からすれば、思ったよりも勝たせてもらいましたね。重賞も2勝挙げさせていただいてありがたかったです。

 

(南関東での期間限定も始まりますが)はじめてづくしですが、多少なりとも何かを残して、何かを得られるように考えて取り組む期間にしたいですね。

 

その前に年末は笠松への遠征もあるので、そこでもしっかりと頑張りたいと思います」

 

 

 

米倉騎手

「去年と比べたら良かったんじゃないかな。大きなケガもなかったし。

 

今回の冬場はこれといって。

でも、旅行に行く予定ですよ。

台湾に!日本との比較では微妙に暖かいと聞いてはいます。

 

料理も美味しいって聞くけど、八角がよく入ってるって調べたら出てきて

僕八角苦手だから、結構ドキドキしてる。笑」

 

素敵な台湾旅行になることを願っております!

 

 

 

栗原大河騎手

「馬や周りの人に助けてもらった一年でした。苦しい時や悩む時もありましたが、先生や厩務員さん、普段から仲良くしていただいている方々に話を聞いてもらったり。

そして馬たちが“ここぞ”という時に頑張ってくれました。

 

(南関東への期間限定騎乗については)競馬の感じも違うし、何か少しでも吸収できる期間に。技術向上を目指します。

 

向こうには、同期のゲンキ(藤本現暉騎手)やケンタロウ(臼井健太郎騎手)もいるので、一緒にご飯に行きたいですし、アドバイスをもらいたいですね!」

 

 

 

柴田勇真騎手

「首の骨にヒビが入るケガをしてしまって。もう簡単には起き上がれずに3週間くらい入院していました。そのあとも首に負担がかからないように下半身からしっかり筋力をつけるようにリハビリして。

 

ひとまず来年はケガのないように過ごすことを大切にしたいですね。僕これまでもケガが多いんで、気をつけていきたいです。ホント。」

 

 

 

魚住謙心騎手

「課題の多い一年でした。成績も伸び悩んでしまいましたし、レースの位置どり、仕掛けのタイミング、そういった多くの動きの面で反省することが多いです。

 

冬場は、短い間ですが佐賀に勉強(期間限定騎乗)しにいきます。

騎乗以外の時間は、以前もそうだったんですが、佐賀牛やラーメンをたくさん食べたいと思います!

 

課題と向き合って、また2月にはこっちに戻ってくるので、しっかり頑張りたいと思います」

 

 

 

 

 

堀場裕充騎手

「節目の1000勝を達成することができましたし、13年ぶりの重賞勝利を達成することもできました。いい年だったんじゃないでしょうか(2024/01/09更新)」

 

 

 

 

吉原寛人騎手

「今年はキャリアハイの更新もかかっているし、このまま年末までまだ数字を伸ばしていけるように頑張ります。

 

ケガはしたものの、復帰することができましたし、コロナ禍を乗り越えて、多くのファンの方々の前でレースに騎乗することができて、充実したシーズンになったと思います。

 

来年も続けて頑張りますので、応援よろしくお願いします!」

 

吉原騎手のキャリアハイは2011年の170勝。

12月31日朝の時点で、今年はこれまで169勝を挙げています。

 

 

 

 

 

改めまして、本年も金沢競馬担当日記をご覧いただきまして、ありがとうございました。

 

2024年の金沢競馬の開幕は3月10日です。

 

来年もこうして弊社実況陣を中心に、金沢競馬担当日記更新予定ですので、ぜひご覧ください!