先週今週の金沢あれこれ | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

こんにちは、泉です。

金沢競馬は県営第六回の前半戦が終了しました。

 

今回は先週行われた上半期の大一番・百万石賞や

先週、今週の金沢からの遠征について振り返りたいと思います。

 

 

まずは百万石賞から。

金沢の女王・ハクサンアマゾネスの優勝でしたが

先週の大川アナのトピックでお伝えしたように

決して万全と言えない中それでも勝ち切った事に吉原騎手は改めて

 

「よく乗り越えてくれた。流れも一番いい流れになってくれた。」

 

と振り返ってくれました。今後については

 

「北國王冠が次の目標。時間もあるし立て直しがきけば。

ただ、あくまで状態を見ながらで回復が遅ければ

休みに出るという事もあると思います。」

 

と状態を見つつ判断していくこととなるそうです。

改めて強さを見せつけたハクサンアマゾネスの今後に期待ですね。

 

ところで2着以下のジョッキー達はどう振り返るでしょう?

そこで2、3着の青柳騎手、甲賀騎手そして2番人気ながら

6着だった栗原騎手に聞きました。

 

 

2着ファストフラッシュ 青柳騎手

「頑張りましたね!相手が悪かったですけど・・・

ただこの距離で一定の結果が出せたのは良かった。

JBCイヤー記念より差は詰まりましたし後ろは離してましたからね。

 

今後A1が1900とか2000で組まれても(大丈夫)となりましたし

今後は状態を見ながらレースを選ぶ感じですね。」

 

とこの距離で好走した事に手応えを得たようでした。

流石に(距離が)長いかなと思ったんですけど・・と水を向けると

「そうなんですよ、良かったです!」

と笑顔で答えてくれたのが印象的でした。

 

3着トップロイヤル 甲賀騎手

「(トップロイヤルは)いい馬ですね!楽しかったです。

2100は初めて騎乗するのでペース管理だけは

しっかりしようという意識でした。

 

結果としてぺースが落ち着きすぎて強い2頭のマッチレースに

なってしまったので少し無難に行き過ぎたかなと反省もあります。」

 

初めて百万石賞に騎乗した喜びと悔しさ、その両方を感じた

甲賀騎手のコメント。甲賀騎手自身今年は上り調子の中での

経験ですので今後に生きてくるのではないでしょうか。

 

2番人気6着エイシンレーザー 栗原騎手

「ポジションを取りに行った分かなと思います。

ああいう競馬をしてみたいと思って、先生とも相談して決めた上での

結果なので仕方ないですね。

 

今回で分かったので今後は末脚に徹する形で

やっていきたいですね。」

 

もう切り替えは出来ている、それが一番の印象でした。

これまでのパフォーマンスを考えれば単純な実力差でないことは

明白ですから今後の巻き返しに期待です。

 

下半期の金沢競馬古馬戦線は果たしてどうなるのか。

引き続きご注目を!

 

 

 

 

続いて先週6/16に川崎競馬場で行われた関東オークス。

金沢からはネイバーアイランドが参戦。

 

浦和のケラススヴィアが南関東牝馬3冠なるかという注目を集めた

レースとなりましたが、金沢競馬ファンの皆様はゴール前の5着争い

に目がクギ付けとなったのではないでしょうか。

 

勝馬から離れはしましたが大外から道中は最後方にいた

ネイバーアイランドが猛然と追い込み5着争いの圏内へ!

前の馬とも、内側の馬とも離れていたのでゴールの瞬間は

良く見えてなかったのですが・・・レース後ゴールのスロー映像に

なり5着は・・・外のネイバーアイランドが上がっていました!

 

ちなみに実況席ではその瞬間に拍手が。

余談ですが実況していたのは私でケラススヴィアが3冠ならなかった

悔しさ。勝ったウェルドーン、武豊騎手の巧みさへの感服。

さらにネイバーアイランドが驚きをもたらしゴール後は感情の交通渋滞

を起こしていました(笑)

 

手綱を取ったのは既に50勝到達の若武者・魚住騎手

「マイナス体重(-16キロ)は大丈夫かな・・と思いましたが

乗った感じはそこまで影響を感じなかったですね。

 

2周目の向正面でこれは前を行く馬達より手応えがあるんじゃないかと思ってました。直線はかなり外で内側の馬と離れていたので

ゴールの時は5着かどうかは分かりませんでした。

 

掲示板というのは期待以上の結果です。

今後金沢でも活躍できればいいですね。」

 

終始笑顔で応じてくれた魚住騎手。ネイバーアイランドにも

魚住騎手にもいい経験となったのではないでしょうか。

 

 

 

 

一方厳しい結果に終わってしまったのは6/20に

高知競馬場で行われた高知優駿。

金沢からはビルボードクィーンとフューリアスの2頭が参戦しましたが

フューリアスが8着、ビルボードクィーンは1番人気に推されるも

ブービーの11着に終わりました。

 

当事者である吉原騎手、藤田騎手だけでなくレースを観戦していた

という栗原騎手も口を揃えたその敗因は「馬場」

 

栗原騎手は日曜日に落馬をしてしまい、その後も騎乗を続けましたが

少し心配だったので火曜日に声を掛けに行ったところケガは無し。

安心し、その後の雑談の中で高知優駿見ました?という話に。

 

「あそこまで負けてしまうのは馬場の違いだと思います。

どの馬も上がり41秒以上掛かってたでしょ?

今の金沢とはあまりに違いますからね。」

 

というのが栗原騎手の見立てでした。

当事者たちに話を聞くと

 

「相手も強いし、馬場も深かったかな。」

(藤田騎手)

 

「(敗因は)馬場ですね。」

(吉原騎手)

 

と見解は一致。

 

私は高知という場所の遠さから輸送が難しかったのかな?と

推測していたのですが

「輸送は上手くいったんですけどね・・」

という吉原騎手の言葉から馬場の話へ繋がっていきました。

 

「(体感では深さが)金沢の倍ですよ。馬が進んでいかない状態で。

何回か使って慣れが必要なのかなと思います。

 

いきなり今の軽い金沢から深い高知で対応が難しかった。」

 

詳細に敗因である馬場のことを教えてくれた吉原騎手。

もちろん一概に深い馬場にすればいいというものではないでしょう。

馬の個性を考え調整法を考え・・関係者の苦労は尽きない中さらに

馬場やコースの形状が違う他場への遠征というのはいかに難しいかを改めて感じさせられました。

 

しかしネイバーアイランドの快走があったように金沢勢にも希望は

あるはずです。いつでもいい結果という訳にはいかないでしょうが

それでも金沢の人馬の活躍を期待せずにはいられません。

・・と書いているそばから高知遠征中の畑中騎手が園田で重賞制覇!

(6/24園田FCスプリント ダノングッド)

やはりいいことはあります!希望もあります!

畑中騎手おめでとうございます!

 

 

 

 

金沢競馬次週は6/27、29と日曜、火曜の開催。

29日には電撃の900m戦、重賞・日本海スプリントが行われます。

次週の金沢競馬も是非お楽しみに。