ヤングの戦い | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

こんにちは。
金沢競馬は県営9回(通算11回)の開催が終わりました。
 
後半の開催は重賞こそありませんでしたが、20日の日曜日には2歳馬の準重賞が、そして22日(火)はヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンド金沢が行われ、人馬共にヤングなメンバーの熱戦が繰り広げられました。

まずは日曜のメイン、準重賞くろゆり賞から振り返ります。
戦前の注目は連勝中のカイジンファルコン。
デビュー戦こそ若さを見せ、スタート直後に落馬競走中止となりましたが、その後2戦は圧巻の内容。2着に4秒以上の差を付けての初勝利、前走も8馬身差の圧勝でした。
この日も単勝1.0倍の断然人気でしたが、結果は10着。
 
(パドック・カイジンファルコン)

時計からも力を発揮出来なかった印象で、
今後の成長、巻き返しに期待したいと思います。
 
勝ったシオジスターは終始カイジンファルコンにマークされる厳しい展開に見えましたが、4角で後続を振り切ってからの脚が素晴らしく、最後は2着に7馬身差を付けての圧勝でした。
 
(パドック・シオジスター)
 
鞍上の池田敦騎手はレース後
「前回は逃げられず一息だったので、今日は一発を狙って逃げた。
もっと幅を出せるように砂を被るレースをさせたいが、現状ではこの形がベスト。まずは砂を被らず2、3番手辺りからレースして、馬の後ろでの競馬を覚えていけばこの先も楽しみ」とコメント。
これで通算3戦2勝、これからの活躍に期待です!
 

そして火曜日はYJS TR金沢
(ヤングジョッキーズシリーズ トライアルラウンド金沢)が行われました。今回の出場騎手は、

<地方所属>
渡邊竜也(笠松・1位)
加藤聡一(愛知・2位)
栗原大河(金沢・3位)
山口以和(佐賀・6位)
塚本雄大(高知・7位)
永井孝典(兵庫・9位)*9Rのみ騎乗
長谷部駿弥(兵庫・10位)*7Rのみ騎乗
*永井、長谷部騎手は柴田勇真騎手から変更で騎乗
*順位は地方所属・西日本地区
 
<JRA所属>
岩崎 翼(2位)
荻野 極(3位)
小崎綾也(4位)
富田 暁(5位)
坂井瑠星(6位)
加藤祥太(10位)
*順位はJRA西日本地区
 
 
(紹介式の様子)
 

第1戦は人気のコウユーカゲムシャが、好位追走から3コーナーで上手く馬群を捌き、直線で逃げ馬を差し切り1着。
鞍上は暫定1位の笠松・渡邊竜也騎手。
渡邊騎手は地元笠松ラウンドに続く2勝目を挙げ、シリーズの騎乗を終えました。
 
「レース前はあまり考えず展開次第でのレースをと思っていましたが、落ち着いて乗れました。(この馬に)以前乗った騎手から『内ラチ沿いを通った方がいい』とアドバイスを頂き、逃げるのが一番良かったのですが、ハナの後ろで競馬ができ、いい感じで上がっていけたので良かったです。
 
笠松の一戦目で勝ったのは、自分の人生の中で2勝目でとても嬉しかったのですが、今日はいい馬に乗せて頂き、また違った気持ちで嬉しいです。
 
以前の重賞での騎乗(金沢スプリントカップ)は、
ヤングジョッキーの前に(金沢の)馬場を経験した方がいいという事で、調教師から機会を頂き、そしてその経験を活かすことができたので嬉しいです。」
 
表彰式ではやや緊張気味に話す渡邊騎手、初々しさ満載でした!
 

そして第2戦(11番が取消、12番が除外)は先行争いも激しく、道中も動きの多いレース展開でしたが、その中でもマイペースの逃げに持ち込んだ2番人気のソリッドボートが勝ち、ゴール後には鞍上の塚本雄大騎手(高知・現在金沢で期間限定騎乗中)の大きなガッツポーズも飛び出しました。
 
「(ゴール後は)体が先に動いてしまいブサイクなガッツポーズになってしまいましたが、嬉しくてでました。
(騎乗馬は)僕の兄弟子がレースに乗っていてハナに立った方がいいレースをしていたので、絶対ハナに立とうと思ってレースをしました。スタート後は(山口)以和さんがハナに行こうとしましたが、譲らず行きました。最後までしっかり伸びてくれました。今日は馬が強かったです。
シリーズを振り返ると、ここまでいいレースが出来ていなかったので、最後のレースは絶対勝ってやろうという思いで臨み、勝てて良かったです」
 
高知代表としてシリーズに参戦していますが、現在は金沢で期間限定騎乗中の塚本騎手、地の利を活かした勝利となりました。
 
残り少ない限定騎乗について聞かれると
 
「金沢競馬はすごい魅力のある競馬は提供しているので、是非本場に来て楽しんで下さい」
 
と競馬場の魅力をアピール。金沢競馬に関わる人にはとても嬉しい一言でした。
塚本騎手の期間限定騎乗は8月29日まで。
あと開催2日となりましたが、最後の騎乗もお見逃しなく。
 
(レース終了後。取材陣に囲まれパチリ)
 
YJSトライアルは金沢ラウンドが終わり、西日本地区のトライアルラウンドは11月15日の園田ラウンドを残すのみとなりました。
 
地方競馬・西日本地区のランキングに変動はありませんでしたが、
4戦2勝の成績で騎乗を終えた笠松・渡邊竜也騎手が本戦出場濃厚となりました。
また金沢2戦は共に2着の愛知・加藤聡一騎手も園田ラウンドの結果次第ですが、いい位置に付けている印象です。
 
そして地元・栗原大河騎手、金沢での2戦は今一つの結果に終わってしまいました。最後の騎乗が終わり暫定3位をキープ。園田の結果如何で順位が決まる為、とても流動的な状況ですが、何とか上位3名に入り本戦に進んでほしいです。
 

今週は人も馬もヤングな面々での戦いでしたが、
次回開催は8月29日に牝馬の重賞・加賀友禅賞が行われます。
夏の女の戦いにご注目下さい!