暑い暑い夏。金沢競馬でも熱いレースが繰り広げられていますが、金沢から他地区へ積極的に遠征する馬が多くいることは、みなさまご存知のとおり。
そんな中、ロッソトウショウが、8月2日に姫路競馬場でおこなわれた兵庫サマークイーン賞を制し、グランダムジャパン古馬シーズンでポイントトップタイにならびました。
ロッソトウショウを管理する、佐藤茂調教師にお話をうかがいました。
~~以下 佐藤茂師談話~~
(ロッソトウショウについて。グランダムジャパンを意識?)してます。(優勝すればボーナス賞金1000万円)オーナーにね(笑)。
(次は)選定されれば名古屋、9月6日の秋桜賞。
同じ週に、岩手(9月3日ビューチフル・ドリーマーカップ 水沢)と名古屋とあるんですけど、名古屋のほうかなあと。そのあとは10月4日の大井(レディスプレリュード)。
ロッソトウショウは、休養が長かった馬です。
蹄骨骨折で1年半ほど休養とってるもんですから、力が戻るまで時間がかかったなあとは思ったんですが、5月29日の交流戦(東海北陸交流 金沢カップ)のあたりからようやくメドがたってきた感じです。
あのレースは、内からゴール前、ちょっとだけ変わった(クビ差)。5連勝目ですかね。
あのあたりから、ちょっと距離は長いほうがいいなと思ってたんで、ここへきてようやくそのあたりが見えてきたかなという感じです。
読売レディス杯(3着)のときは、オープンペースにちょっと戸惑ったかなというのはあります。
条件レースとオープンレース、それも重賞になってくると、テンの入りが違う、そこらへんがまだ戻りきってないっていうか。
脚質的にも後ろから行って差す競馬で、1700~1800メートルあたりが得意な馬ですから、読売レディス杯の1500メートルもちょっと短かったかなと思います。
あのあとから(グランダムジャパンは)1800あたりのレースが続くんで、そこは思い描いたようにはなってきましたね。
(エーシンクールディは)やはり昨年の覇者ですから。あの馬の強さっていうのも去年は見てますし。
ただ、兵庫サマークイーン賞に関しては、エーシンクールディもアクシデントがあったし(まさかの出遅れ)、ポジションが後ろになったんで、アレ、とは思いましたけど。
ロッソトウショウは、自分の競馬はしてくれたなと思います。
距離の融通が、あのくらいの距離のほうが適性があったかなと思います。
(相手が出遅れて、やった!とか)そんなことはないです。やっぱり力のある馬ですからね。競馬ですからね、いつ誰にアクシデントがあるか、これはわからない。
ただ、ウチの馬は久しぶりの輸送だったので、そこらへんはちょっと心配してましたけど。
実際には、輸送はわりに上手にクリアしたんですけども、行って待たされてる間にテンションが上がってきて、発汗がひどかったんで、やっぱりやるまでは心配でしたね。
(ロッソトウショウは、普段からテンションは)高いですね。
自分の馬房はわかっているので大丈夫ですが、どちらかというと普段からテンションの高い馬ですね。
あんまり上げすぎてもダメですし、ただ、やっぱり力のある馬で、オープンクラスの実力のある馬ですから、甘やかした調教もできないですし。
やっぱり、全国の牝馬レースってなれば、それなりの調教はしておかないと用事がなくなっちゃう。そこらへんの兼ね合いですね。
(秋桜賞では、エーシンクールディと直接やることになるかも?)相手は前年の覇者ですから、それはやっぱりチャレンジャーの気持ちで向かっていくだけですけども。
ロッソトウショウは、オープンクラスに入ってしまえば、スタートの早い馬じゃないんで(位置取りは相手より後ろ)。
ただ、しまいは追って伸びる馬ですから、それに賭けるしかないなと。
相手にあわせるっていうよりは、自分の切れ味で勝負するということです。
今後は、全国レースが、たくさん今の世の中ありますので、国内のそういう牝馬関係、距離の適性を見てレースを選定していって、挑戦はしていきたいなとは思います。
(ゆくゆくはダートグレード)そうですね。そういうところまで行ければ、とは思いますけど。
来年、金沢もJBCありますので、そういうことも意識していかなくちゃいけないなと思います。
金沢から出ていって勝たないとね。知名度が上がらないと思いますので。
やっぱりわれわれが挑戦する気持ちでいないと、全国的に認識していただけない、そこらへんはがんばって行こうかなと思います。
全国レースに顔を出さないってことは、挑戦してないことになります。
あくまでも競馬は、ゴールまで誰が一番早く来るかっていうのが基本ですから。
これは国内だろうが、アメリカだろうが、イギリスだろうが、同じことなんで。
それにむけて、どう馬を仕上げていくか、作っていくかっていうのが調教師のテーマになってくると思いますので。
そこらへんは意識して、ジョッキーにも、全国でどうかっていう、調教師も厩務員も含めて、全国でのポジションはどうかっていうことは、意識してやりなさいってことは言ってあるんです。
~~佐藤茂調教師談話 ここまで~~
佐藤調教師は、静かに、それでいて固い信念のにじみ出るような口調で、ゆっくりと語ってくださいました。
兵庫サマークイーン賞のレースについて話すときにも、浮ついたところの全くない、落ち着いた話しぶりで、たいへん知的な方でした。
一方、少しシャイなところもお持ちのようで、別れ際に、「通算1000勝とか、実況で言ってくれるの?」とお聞きになるにも遠慮しながら。
こちらでもチェックしてますが、直前になったらぜひおっしゃってください、とお願いすると、「広報の方から聞いてください」と恥ずかしそうに笑われました。
佐藤茂調教師の通算1000勝まで、あと30勝ほどです。
まとめて勝ち星をあげることも珍しくない厩舎ですから、近いうちに達成されることでしょう。そのときに実況を担当できるかどうか、今から楽しみです。