金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

金沢競馬は県営第11回(通算14回)開催が終わりました。

この開催の3〜5日目は、蒸し暑い日あり、少し肌寒い日あり、晴れたかと思うと雨にも見舞われ、なかなか忙しい空模様でした。

 

 

3日目(10月11日)には、金沢ケーブル杯 第1回金沢鼓門賞(金沢スプリントカップトライアル)、

 

そして4日目(10月12日)には、北國新聞社杯 第10回金沢シンデレラカップ(地方全国交流 グランダムジャパン2025)、

 

連日、重賞レースがおこなわれました。

 

 

またこの2日間は、ウマ娘プリティーダービーとのコラボイベントデーとして、場内ではイベント盛りだくさん、たいへん豪華な開催となりました。

 

 

 

今年新設の重賞・第1回金沢鼓門賞は、一番人気のハクサンパイオニアが逃げ切って優勝。前走の百万石スプリントに続いて、重賞2勝目をあげました。

 

(第1回金沢鼓門賞 優勝 ハクサンパイオニア 今回重賞レース関連写真は石川県競馬事業局のご提供)

 

 

レースはスタート直後にコパノフランシスが落馬競走中止のアクシデント。

スピードのあるハクサンパイオニアが逃げ、二番手にはここまで地方の馬場では15戦パーフェクト連対のハクサンツキミテイがつけ、ヤマメクィーンが三番手からとなりました。

 

1400メートル戦で逃げれば安定した強さを発揮するハクサンパイオニアは、向こう正面で早くも二番手以下を突き放し、3コーナー過ぎで一旦引きつけたところから、直線でまたリードを広げ圧勝。

 

(直線はカラ馬と並ぶ形となりましたが、ひるむことなく、逆に闘志をかき立てられたような走りを見せたハクサンパイオニア)

 

 

2着3着も道中の番手順どおり、ハクサンツキミテイヤマメクィーンでした。

 

 

ハクサンパイオニアに騎乗した吉原寛人騎手は、この勝利が地方重賞196勝目。

 

「なんとか年内に200に到達したい」

 

と、目標達成へ気を引き締めていました。

また、この馬の今後についても、

 

「オヌシナニモノには何度かやられてますからね、もう一度対戦して勝負したいですよね」

 

と話してくれました。

 

 

 

2歳牝馬の重賞・第10回金沢シンデレラカップは地方全国交流の一戦で、兵庫と川崎から2頭ずつ、高知と大井から1頭ずつの計6頭の遠征馬をむかえてのレースとなりました。

 

勝ったのは、園田プリンセスカップに次いで重賞2連勝となった、兵庫のココキュンキュン。直線、外から目の覚めるような差し切りでした。

 

(金沢シンデレラカップ 優勝ココキュンキュン 大勢の関係者のみなさんが駆けつけた眼の前で、鮮やかな勝ちっぷりでした)

 

 

1番枠から道中は5・6番手の内追走となったココキュンキュンは、向こう正面で徐々に外に持ち出し、3〜4コーナーは外から進出、4コーナーで先行馬の外に取りつくと、直線で一気に差し切って突き放しました。

 

(非常に強い勝ち方だったココキュンキュン)

 

 

道中は内で足をため、勝負どころで外に出すとスムーズに前を追い、見事な末脚で突き抜ける。時計(1分34秒8)も優秀で、非の打ち所のない、強い勝ち方でした。今後が非常に楽しみです。

 

 

 

 

さて、毎年非常に盛り上がる大人気企画「ウマ娘プリティーダービー✕金沢競馬」のコラボデー、今年もたくさんのお客さまでにぎわいました(お客さまの写らない写真を以下にあげておきます=撮影:大川)。

 

 

(関連グッズ販売で人気のPOP UP STORE 入場は混雑防止のため事前予約制でした)

 

 

(能登物産展とのコラボも。能登のグルメや名産品を購入すると、ウマ娘ポストカードがもらえる)

 

 

(のぼりもウマ娘。今回はトークイベントご出演の声優さんにちなんで、シュヴァルグランとヴィルシーナが中心でした)

 

 

(こちらがその撮影用パネル。撮影待ちのファンのみなさんが長蛇の列を作っていました)

 

 

 

(以前イベントメインになったウマ娘たちのパネルも)

 

 

(ウマ娘✕アニメイトカフェ出張版 もちろん大人気)

 

 

 

連日の重賞やイベントで盛り上がった金沢競馬、このあとも重賞レースが目白押しです。

 

 

10月19日にはMRO金賞、25日には金沢スプリントカップ、28日にはネクストスター金沢と、注目のレースが連日おこなわれます。

 

どうぞお見逃しなく、たくさんご参加ください!

 

このあとの開催日程は、

 

 

10月19日(日曜日)

10月21日(火曜日)

 

10月25日(土曜日)

10月27日(月曜日 ナイター)

10月28日(火曜日 ナイター)

 

 

少し変則です。日程ご確認ください!


金沢競馬、開催前半戦が終了しました。

年間の開催スケジュールを考えると
大一番・白山大賞典が終わって、いよいよ年内の本場開催も終盤戦に入っていきます。


前回担当したのが1ヶ月前でしたが、
だいぶ過ごしやすくなって嬉しい限りです。


あるジョッキーに
涼しくなってどうですか?
と聞いてみたら
「レースの後が良いです!」
と答えてくれました。なるほど〜。




ご来場のファンの方々の装いも秋めいてきました。


初日6日は中秋の名月
実況席からも良く見えました


食堂街の花壇にも秋らしいお花が


素敵なイラストが描かれた階段を見ることが出来ました


開催後半戦は
11(土曜)・12(日曜)・14(火曜)の3日間です。

土曜日と日曜日にそれぞれ重賞が行われます。

まずは11日土曜日の8R(17:15発走)
金沢ケーブル杯 第1回 金沢鼓門賞
(金沢スプリントカップTR・3歳上 1400m)

枠順は→こちら


続いて12日日曜日の8R(17:05発走)
北國新聞社杯 第10回 金沢シンデレラカップ
(2歳牝馬地方全国交流 1500m)

枠順は→こちら



金沢鼓門賞は
前走百万石スプリントを勝ったハクサンパイオニアが重賞連勝を狙う一戦。プレシオーソやオヌシナニモノ不在のメンバーでどんな走りを見せるのでしょうか?逆転を狙うのは百万石スプリント3着のコパノフランシスや、4連勝中のハクサンツキミテイ。ハクサンツキミテイは久々の1400mですが1分28秒台の持ちタイムや昨年MRO金賞2着の距離実績があります。

金沢シンデレラカップは
牝馬重賞シリーズ、グランダムジャパンの2歳シーズン対象競走。
他地区から遠征馬6頭が参戦(大井1頭川崎2頭兵庫2頭高知1頭)。
地元勢は5頭。
同じグランダムジャパン2歳シーズンの重賞・園田プリンセスカップから1着ココキュンキュン(兵庫)2着サラサチャレンジ(川崎)4着ハーティパーティ(兵庫)がここに参戦。川崎移籍後1500mで2着1着のスプリンガフォートも距離経験は強みになりそうです。
地元勢は石川テレビ杯3着くろゆり賞2着カミノメノルカと、ホッカイドウでフレッシュch勝ちで今回移籍初戦のグリーゼに注目したいところ。

そして11(土)&12(日)は
<ウマ娘 プリティーダービー×金沢けいばコラボイベント>
開催です。詳細は金沢競馬HPでご確認ください!

 

開催後半戦もたくさんのご来場をお待ちしています!!

 

 

 

 

こんにちは。

金沢競馬担当日記、今回は鈴木が担当します。

 

金沢競馬県営第10回後半の開催が9月29日、30日の2日連続の開催で行われました。

 

この記事では、開催4日目の30日に行われました白山大賞典、および大雨浸水被害によって延期となったイヌワシ賞を中心に振り返ります。

 

~白山大賞典はジャスパーロブストの逃げ切りV~

 

まずは白山大賞典について振り返りましょう。

 

金沢競馬が誇る唯一のダートグレード重賞、2100mが舞台の白山大賞典。

 

直前1番人気の支持を集めたのは、前走盛岡のマーキュリーCで鮮烈な末脚を発揮し、初重賞タイトルを手にしたカズタンジャーで2.4倍。

 

2番人気には高知から遠征、初のダートグレードタイトル獲得に燃えるシンメデージーで3.0倍。

 

中9日での参戦となったジャスパーロブストが4.6倍の3番人気。

 

そして春にはリステッドのブリリアントSを制したディープリボーンが5.7倍の4番人気で続き、この4頭が単勝式10倍以下のオッズでレースを迎えました。

 

このレース注目点は、なんといっても先行争い。

 

特に中央から参戦のジャスパーロブスト、メイショウフンジン、ピュアキアンの3頭、どの馬が主導権を握るのかがレースを考える上では欠かせないポイントであったと思います。

 

実際のレースで逃げ争いを制したのは最内枠のジャスパーロブスト。

 

これを必死に追っていく形でメイショウフンジンとそして3番手に控えたピュアキアンという順に。

 

このピュアキアンの直後にディープリボーンとシンメデージーが追走、ここから5、6馬身離れた位置でカズタンジャーがレースを進めていく道中の流れでした。

 

ジャスパーロブストは、逃げに持ち込んだ後もピッチを緩めることなくペースメイク。

 

スイスイ逃げるとはまさにこのことで、2周目の4コーナーでも単独トップ。

 

直線に向いて最後こそ内を捌いたディープリボーンに迫られましたが、1馬身のリードを守り抜いてジャスパーロブストが見事第45回白山大賞典を制しました。

 

(ゴール前写真 提供:石川県競馬事業局)

 

丸山元気騎手はこれが金沢での初勝利、お話を伺うと初騎乗でもあったとのこと。

 

ご飯も美味しいのでまた騎乗しに来たいとコメントしてくださいました。

 

表彰式の様子はコチラの6:46:15あたりからご覧ください

金沢競馬LIVE中継 2025年9月30日

 

そして丸山元気騎手の父は、高崎競馬の名手・丸山侯彦元騎手。

 

祖父の丸山務さんも高崎競馬の調教師という縁もあってのことと思いますが、丸山元気騎手が引き上げて、後検量に向かう際には、元高崎所属の加藤和宏調教師と高橋俊之調教師が出迎えるシーンが大変印象的でした。

 

余談ですが、大井のトップジョッキー矢野貴之騎手は、高崎所属時代は丸山務厩舎の所属でした。

 

 

(口取り写真 提供:石川県競馬事業局)

 

関係者の皆様おめでとうございます!

 

ジャスパーロブストを管理する森秀行調教師は、金沢での重賞勝利は1996年、当時は中央との条件交流として行われていたMRO金賞をジンライで制して以来。

 

この時の鞍上は、デビュー1年目の福永祐一元騎手でした。

 

私は96年生まれなので、

 

「森先生が前に金沢重賞勝った時って…わし赤ちゃんやん」

 

と思ったのはここだけの話です。

 

 

 

2着にはロスなく運び、早めに前を追っていったディープリボーンが。

 

そして3着でようやくカズタンジャーが追い込む形。

 

高知競馬・地方競馬の夢を乗せたシンメデージーは直線で伸びきれず4着という結果に。

 

レース後、吉原騎手に少しばかりお話を伺うと

 

「う~ん、一生懸命走ってくれてはいるんだけど、ちょっと成長を重ねてズブいところが出てきた感じがあります。

 

モタれるようなところもあって、枠と馬場もうまく合わなかったなと」

 

重賞通算200勝が近づく吉原騎手ですが、白山の頂きにはまだ未踏。

 

今回を含め、デビューから18回白山大賞典に騎乗し、2着は過去6回。

 

来年こそは…に期待しましょう!!

 

 

~末脚炸裂!マンガン&中島騎手がイヌワシ賞制覇~

 

白山大賞典が行われた次のレースには第21回イヌワシ賞(2000m)が行われました。

 

本来であれば白山大賞典のトライアルとして行われる当レース。

今年は大雨浸水の影響により延期となりました。

 

出走条件としても全国交流ではなく、今年は地元馬限定と改められ、10頭が顔を揃えました。

 

中でも人気は、現在世代重賞連勝中の3歳馬リトルサムシング。

 

このイヌワシ賞では過去8回優勝経験のある吉原騎手を配し、最終的な単勝オッズは1.5倍。

 

これに続いたのが古豪のマンガンで3.9倍。

 

さらに今年金沢へ移籍し、44年ぶりに1700mのレコードを大幅に更新。

前走の百万石スプリントではハクサンパイオニアに逃げ切りを許したものの、巻き返しに燃えるプレシオーソが4.0倍で続きました。

 

レースについて振り返ります。

 

これまでの戦歴から、ハナにはロマンスグレーかリトルサムシングかなという見立てではありましたが、内から突っ張っていったのはプレシオーソと加藤翔馬騎手。

 

2000mに距離延長という条件でしたが、強気の先行策で縦長の隊列を引っ張ります。

 

これを見る位置でリトルサムシング、ロマンスグレーと続き、ここから離れた中団でマンガンが追走していきます。

 

向正面中間、これまでの形でレースを作ることができなかった影響か、リトルサムシングは早くも手応え劣勢に。

 

ロマンスグレーもプレシオーソのペースメイクに少し苦戦を強いられる格好になり、中団よりも後ろで脚をタメていた馬たちが3コーナー4コーナーで進出を見せます。

 

その中でも唸る白いステッキ、中島騎手とマンガンが猛然とプレシオーソに迫り、直線入口では先頭に変わります。

 

食い下がるプレシオーソめがけて伸びてきたのは、マンガンの背後でレースを進めていた人気薄のペガサスターボ。

 

最後は差し追込み台頭の競馬となり、マンガンが優勝。

 

(レース写真 提供:石川県競馬事業局)

 

ペガサスターボは2着まで上がり、逃げたプレシオーソは3着。

 

ただプレシオーソは、先行勢が厳しくなる中で最後まで粘り込み、地力の高さは再度示した一戦に思います。

 

人気を集めたリトルサムシングは7着に敗れました。

 

 

 

マンガンを勝利に導いた中島龍也騎手はインタビューにて

 

「久々にガッツポーズをしたかもしれませんね。結構乗り難しい馬という印象があるので、勝てて本当にうれしいです。

 

自分が思った通りの展開だったので、あとはもう後ろを待つか、自分から行くかを考えていました。

 

追い出してからの反応はピカイチでしたね!

今日は会心のレースだったのではないかと思います。

 

えらい馬です。レース展開に左右されるところがある馬ではありますが、そこは自分が頑張って捌いていきたいです

 

思い入れのある一頭で、今後も長いところで活躍していってくれる思うので、応援よろしくお願いします」

 

(口取り写真 提供:石川県競馬事業局)

 

マンガンはこれで重賞4勝目。

金沢では2つ目のタイトル。

 

ここまで54戦してそのうちの32戦が重賞に出走という驚異的なキャリアの持ち主。

 

「思い入れのある一頭」と中島騎手はお話してくれましたが、私もマンガンが川崎でデビューした年に入社し、ずっと活躍を見てきてるので、なんだが感慨深いものがあります。

 

これからもどうか無事に、そして長い活躍を願っています。

 

また余談ですが、マンガンと同じアイルハヴアナザー産駒のホウオウトゥルースが先日船橋競馬場で行われた日本テレビ盃で3着に健闘。

 

全兄のアナザートゥルース、ほか現在は浦和所属のオメガレインボー、ホッカイドウ競馬出身で現中央3勝クラスで活躍をしているイヤサカなど、アイルハヴアナザー産駒は長く活躍する産駒が多い印象ですね。

 

もっとも、ホウオウトゥルースとアナザートゥルースの兄弟は、異なる父を配されているサウンドトゥルーが11歳、ルールソヴァールも10歳まで競走馬を続けていたので、母キョウエイトルースの偉大さを語るべきだとは思いますが。

 

 

 

最後に今年の白山大賞典、イヌワシ賞はともに実況と表彰式司会進行を担当させていただきました。

 

とても名誉なことであると同時に、とてつもないプレッシャーも感じながらなんとか一日を終えたという感じです。

 

貴重な経験をさせていただいたことに大変感謝しております。

 

 

金沢競馬担当日記、今回はここまでとなります。

 

来週の開催も今週同様、月、火開催。

6日、7日の開催になりますので、ご注意ください!

 

引き続き金沢競馬をお楽しみ下さい!!

こんにちは、泉です。

金沢競馬は県営第十回の前半戦が終了。

 

本場にご来場になった皆さん、気付かれましたか?

 

 

なんと正門を入って正面にある階段に

ゴールへ向かい疾走する人馬が!

幅5.6m、25段を使った実に壮大な作品です。

 

その右下を見ると・・・

 

 

金沢では「金美」(ちなみに私は「きんび」と聞きましたが

「かなび」とも言われることがあるようですね)として

おなじみの公立芸術大学・金沢美術工芸大学の名が。

なお今回初めて知りましたが日本には「国公立五芸大」という

括りがあるらしく

 

・東京藝術大学

・京都市立芸術大学

・愛知県立芸術大学

・沖縄県立芸術大学

 

この4大学と金沢美術工芸大学の5つの大学のことだそうです。

 

このように日本有数の芸術大学である金沢美術工芸大学と

石川県が文化芸術の振興に関する包括連携協定を締結し

その一環として金沢競馬場でも今年度からアート作品を

整備するそうで、これがその第一弾ということです。

 

油画専攻の浅野菜月さんという方がデザインされたそうで

折しも浸水被害に遭ってしまった金沢競馬を励ますような

背中を押してくれるような温かさを感じました。

 

この後も第二弾、第三弾が予定されているようなので

競馬はもちろんアートもお楽しみいただければと思います。

 

 

 

開催2日目9/23には準重賞・サンケイスポーツ杯石川門カップが

行われました。

10/19に行われるMRO金賞のトライアルレースとなっており

1着馬には優先出走権が与えられます。

 

レースは2番人気のショウガマッタナシが先手を取る展開。

3番人気のキタノダイヤは外目の4番手につけて

1番人気のゴールドパースは中団やや前からのレース運びに。

 

軽快に逃げるショウガマッタナシに3コーナーあたりで

先行勢がついていけなくなり、キタノダイヤとゴールドパースが

追撃する形で直線を迎えました。

 

ただ、ショウガマッタナシの脚は全く衰えませんでした。

そのままスイスイと逃げ切ってゴール。

直線で脚を伸ばしたゴールドパースが2着。

キタノダイヤは3着でした。

 

 

 

関係者の皆様おめでとうございます!

 

表彰式に向かう栗原騎手に声を掛けると

「2,3着って誰でした?」と質問が。

どうやら検量が終わってすぐに身なりを整えて口取りに

駆け付けたようでした。

2着が中島さん(ゴールドパース)3着が青柳さん

(キタノダイヤ)ですよ、と伝えると

 

「ああ、力通りに決まったって感じですね。」

 

と納得の表情を見せる栗原騎手。

まさに思い描いた通りのレースになったということでしょう。

 

逃げたほうがいいですか?と聞くと

 

「いや、リズムよく走れれば力出ますよ。」

 

と特に逃げに拘るわけではないようでした。

 

そこですかさず高橋調教師が

 

「やっぱり千四はいいペースで行けるよね。

どうしても千七とか二千はオーバーペースになったり

かみ合わないところがあったから。」

 

と教えてくれました。

 

個人的にここ2戦ほどショウガマッタナシらしくない競馬

だったかな?と思っていたのでなるほどリズムか・・・と納得。

 

優先出走権を獲得したMRO金賞も1400mですので

期待が高まります。

 

かつて中島騎手がショウガマッタナシのことをライバルとして

 

「いい意味で変態」

 

と称したことがありましたが、再びその真価が発揮される日は

近いのかもしれません。

 

 

さて、金沢競馬次週は9/29,30の2日間。9/30には

大一番・白山大賞典が行われます。

ぜひご期待ください!

 

 

 

金沢競馬、市営第3回開催が終了しました。


大雨による浸水で8月から9月頭にかけて4週間、開催日にして8日間、開催できなくなってしまった金沢競馬。復活して開催4日間が無事におこなわれました。皆様、応援とご支援、本当にありがとうございます。



わたし自身、各所で報じられている被害の様子などを見てはいましたが、直に現場の方々にお会いすればどうしてもそれをうかがってしまうもので、石川県競馬事業局の方や場内食堂の方、そしてもちろん厩舎関係者の皆さん、会う方ごとに浸水当時の様子やその後の後始末の大変さについて、話していただきました。

 

大きな被害が出て、時間がたっても全てが元通りというわけにはいかないとうかがいましたが、一方で全国から支援や援助も届きつつあるというお話も耳にしました。支援をしてくださる皆様、応援してくださる皆様、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

そしてお会いした方には直接申し上げましたが、被害に遭われた皆様、後片付けなどでお忙しいことと思いますが、休めるときにはお休みになっていただきたいと思います。



 

さて、大雨浸水からの復活なった金沢競馬、今回後半戦は、9月13日・14日(土日)の日程でおこなわれました。

 

14日は、豪華重賞2本立て!2歳馬の重賞・ネクストスター金沢TRの石川テレビ杯と、大雨浸水からの復活記念・百万石スプリントがおこなわれました。


まずは第10レースにおこなわれた、JRA認定競走 第20回石川テレビ杯(ネクストスター金沢トライアル)について。


2歳牝馬の重賞「プリンセスカップ」「金沢プリンセスカップ」として実施されてきたこの競走、「ネクストスター金沢」の創設にともない、そのステップレースとして牡馬牝馬混合の2歳馬戦となったのが2023年。今回は条件をあらためての3回目でした。


牝馬重賞としての時期はもちろん、牡馬牝馬混合となってからも、23年ダヴァンティ、24年ビバロジータと牝馬の優勝が続きました。したがって、今回のエムティジークは、この競走初の牡馬優勝馬となったのでした。

(第20回石川テレビ杯 優勝 エムティジーク 写真提供:クシマシロウ様)



デビュー間もない2歳馬の、しかも約1カ月の開催ブランクを経てのレース。そこへ南関東や北海道からの移籍初戦という馬も加わって、出走メンバーの力量比較が非常に難しくなりました。


その中で人気を集めたのは、


前走デビュー3戦目でタイムを大幅に短縮し、2着以下を大きくちぎったエムティジーク

大井デビューで2戦を2着・3着として転入初戦のソウルシェイキン

6月のデビュー戦では900メートル戦でエムティジークを2秒突き放したリュウノタイタン

2戦目の前走でエムティジークを破っているカミノメノルカ

コリアカップを制したばかりの矢野貴之騎手を配したムムターズショコラ

といったところでした(単勝人気順)。


レースは、好スタートを切ったエムティジークがそのままダッシュをきかせてハナに立ち、これをカミノメノルカ・ソウルシェイキン・ケーズコマクサがマークする形となり、ここまでが先行集団。1コーナーで外にふくれた馬など、後方勢は離れて全体では縦長となりました。

一団となった先行グループでしたが、3コーナーでは逃げたエムティジークが手応えよく2番手以下を突き放し、余裕たっぷりで直線に向くと、2番手以下を大きく突き放して圧勝しました。

エムティジークは前走で1400メートルを1分29秒6と、この時期の2歳馬としては優秀な時計で勝っていましたが、今回はそれをさらに大きく短縮する、驚異の(と言っていいと思います)1分27秒7!!逃げ馬有利の高速馬場とは言え、先々が本当に楽しみになる勝ちっぷりとその時計でした。

 

(驚異の好タイムで優勝したエムティジーク 写真:クシマシロウ様)


2着以下は離されましたが、それでも例年のこのレースのタイムと比較すればかなり優秀な時計でした。2着は道中4番手で前を見ていたケーズコマクサ、3着はカミノメノルカ、4着にはソウルシェイキンと、先行した4頭が上位を独占。1コーナーではしんがり追走だったリュウノタイタンが追い込んで5着、ただし前からはかなり離されました。

 

 

(同じくエムティジークのゴールシーン 写真提供:石川県競馬事業局様)


圧勝のエムティジーク、騎乗した中島龍也騎手も、この勝ちっぷりには「ビックリですね!」と話しましたが、しかし内容と走りの力強さには納得の表情でした。

また、このレースはネクストスター金沢のトライアルでしたが、「さらにその先、来年の3歳三冠戦線でもいい走りができると思いますのでね」と、早くも来年を見据えて力強いコメントを聞かせてくれました。

 

 

(エムティジークで石川テレビ杯初制覇の中島龍也騎手 写真:クシマシロウ様)



この日もうひとつおこなわれた重賞・頑張ろう!金沢競馬 大雨浸水からの復活記念 百万石スプリントは、ハクサンパイオニアが逃げ切りました。こちらも好時計、タイムは1分26秒6でした!

 

(百万石スプリント 優勝 ハクサンパイオニア 写真:クシマシロウ様)


百万石スプリントは、転入2戦連続圧勝、しかも時計も非常に優秀で、逃げても差しても勝っているというプレシオーソが圧倒的な人気の中心。

続いて1400メートル得意な快速馬・ハクサンパイオニア、読売レディス杯では地元馬再先着を果たしたコパノフランシスが人気上位におされました。


1番枠から好スタートを切ったハクサンパイオニアがすんなり逃げる形となり、一方、プレシオーソはゲートの飛び出しもあまりよくなく、直後の行き脚も今一つに見え、2コーナーあたりまでかけて押しながらポジションを上げる格好に。

スタート直後こそ外からタントゥームに競りかけられるシーンもあったハクサンパイオニアでしたが、2コーナーまでにはペースも落ち着いたように見えました。

そこへ内からプレッシャーをかけていったのがプレシオーソで、一旦は先頭に迫りましたが、ここでハクサンパイオニアは鞍上の青柳正義騎手「逆にプレッシャーを相手にかけるような感じで」加速していきます。

そのまま手応えよく逃げるハクサンパイオニアと、終始気合をつけながら追いかけるプレシオーソが3番手以下に大きな差をつけて4コーナー、直線に入ったところでハクサンパイオニアが一気にプレシオーソを突き放し、最後は4馬身差をつけての完勝。

 

(百万石スプリント 優勝 ハクサンパイオニア 写真提供:石川県競馬事業局様)

 

 

 

プレシオーソは結局前に並びかけられないまま2着、さらに4馬身差で3着はコパノフランシスでした。


(こちらも好タイムで百万石スプリント制覇 ハクサンパイオニア 写真:クシマシロウ様)



青柳騎手も「1400メートルで逃げてこその馬」「短距離路線では強い競馬を見せてくれると思う」と話すハクサンパイオニア、秋以降、オヌシナニモノとの再戦も楽しみになってきました。

敗れこそしましたが、プレシオーソの巻き返しにも目が離せません。




重賞2レースの表彰式では、優勝した二人の騎手が異口同音に、浸水被害から復活できたことについて、


「競馬を開催できて、レースに乗れることが本当にうれしい。支援してくださる皆さんのおかげ」(中島騎手)

「水害から立ち直って一カ月で無事、一開催終えられたのは皆さんのおかげ」(青柳騎手)


と、開催ができたことへの喜びと皆さんへの感謝を語っていました。

 

 

(無事に一開催終えられたのは皆さんのおかげと感謝しています、と語る青柳正義騎手)




金沢競馬、秋シーズンは少し変則的な開催日程が続きます。


次週金沢競馬は、


20日(土曜日)

23日(火曜日 祝日)



です。
どうぞ日程をご確認の上、たくさんご参加ください。