摩訶不思議・仙台は○○の街(1)~愛称が根付かない!?~ | 暫定・綴れば愉快だ宇都宮 熱視線blog(旧・せんだい熱視線 ジミ都市blog)

暫定・綴れば愉快だ宇都宮 熱視線blog(旧・せんだい熱視線 ジミ都市blog)

こちらでのブログは終了しました。長い間ありがとうございました。引き続き、新しいブログをよろしくお願い致します!

全国どこの街にも言える事だが、ここ仙台も摩訶不思議な街である。それを”面白い”と取るか、”どうでもいい”と取るかは読み手にお任せするとして、少しこの街を探検してみよう。

 

こちらに来て20年、色々な事に気付いて来た。それが新しい発見であったり、違和感であったり・・・枚挙に暇がない。まず、これを挙げずにはいられないが、恐らく「そう言えば」「確かに」と同感頂けるだろう。

 

仙台は”愛称”がナゼか根付かない街である。「え?」「そんな事無いんじゃない?」等、異論があるかもしれない。東北一の歓楽街”国分町””ブンチョウ”だし、ファッションフリークの聖地である”仙台フォーラス””ラス”と呼ばれている。

 

仙台駅の待ち合わせ場所の定番は西口の”ステンドグラス前”だが、かつてここに”伊達政宗像”があった頃は”伊達前”で話が通じた。「待ち合わせは伊達前で!」と連絡を取り合った人は多いのではないか?

 

仙台五大イベントの一つに”定禅寺ストリートジャズフェスティバル”があるが、イベント名がそもそも長いのもあるが、殆どの地元民はフルサイズで言う人は少なく、”ジャズフェス”と呼んで親しんでいる。年末の風物詩である”SENDAI光のページェント”も、主に中高年は”ページェント”、若者達は”ヒカペー”と呼ぶ傾向が強いようだ。

 

国内最大のストリート型音楽フェス”ジャズフェス”、「ジャズ」とは音楽の表現としての「自由」を意味する。

 

年末の風物詩”ヒカペー”、派手さは無いが、毎年見ても飽きない。全国のイルミネーションイベントでは老舗の部類に入る。

 

何だ・・・愛称が根付いているじゃないか!?確かにそうではあるが、これは自然発生的に生まれた愛称であって、根付かないのは少し語弊はあるが、「こう呼んで下さい」当事者から呼び掛けられたケースである。

 

街なかから南側を眺めると、山の上に立派なTV塔が幾つか建っているのが見える。一番西側にポツンと建つのが、東北放送(TBC)ので高さ120メートル。太白区八木山にある局舎と隣接し、2012年3月31日までは地上アナログTV放送をここから送信していたが、現在はワイドFMラジオ専用の送信施設として運用されている。

 

「東北放送30年史」(東北放送)によれば、このTV塔の愛称を一般公募し、”トリシャイン”と命名されたが、少なくても私の耳に一度も、そのネーミングを聞いた事は無い。生粋の仙台人数人にも聞いてみたが、誰一人知らなかった。恐らく、地元民の間に定着しないまま忘れられてしまったのだろう。

 

東京方面から東北新幹線に乗り、多くの地元民が「仙台に帰って来たな~」と実感するのは、大年寺山にある3つのTV塔が見えて来た頃だと言う。私も同感、TV塔が見えて来ると、オルゴールが車内に流れるから「仙台だ!」と感じるのである。

 

仙台放送とFM仙台(Date fm)が共同で使用する、高さ125メートルのTV塔は、2012年6月に一般公募を行い”仙台スカイキャンドル”と命名された。当時旬な話題だった”東京スカイツリー”を意識して付けられたのは、とても分かりやすいものの、地元民が呼んで親しんでいるとは言い難い。

 

これが”仙台スカイキャンドル”、本家の「東京スカイツリー」は東武鉄道が所有し、各放送局に電波送信施設として貸している。

ジミ都市仙台発 ヨタブログ!! リターンズ-OX鉄塔2

 

ミヤギテレビが単独で使用しているTV塔は高さ138メートル。唯一、翌日の天気予報を晴れならオレンジ色、曇りなら白色、雨・雪は緑色でライトアップし、”ミヤテレタワー”と命名されているが、自社制作番組以外で聞く事は無い。(他、NHK・東北放送・東日本放送が共同使用する高さ150mのTV塔があるが、愛称は特に無い)

 

2010年3月、自動車専用有料道路である東北自動車道仙台東部道路仙台南部道路仙台北部道路が、仙台市内を囲む環状高速線として繋がった。国土交通省が「仙台都市圏環状自動車専用道路」「仙台都市圏高速環状ネットワーク」「仙台環状自動車専用道路」「仙台環状道路」、各メディアが「仙台都市圏高速環状道路」「仙台都市圏高速環状道」「仙台圏高速環状道」「仙台高速環状道」「仙台圏環状道路」「仙台環状道」「環状高速」「環状道路」と、てんでんばらばらに称し、統一性が図られなかったため、利用者が混乱する事態に陥った。

 

そのため、愛称をつけて統一する事になり、”ぐるっ都・仙台”と命名されたが、根付いているようには感じない。私もこれ等の道路を利用するが、「ぐるっ都・仙台を使って○○行こう」の言い方は普段した事が無い。

 

仙台外環道路である”ぐるっ都・仙台”、一周するだけで普通車は2,250円!愛称定着は料金値下げがマスト!?

(※これだけyahoo!画像より)

 

2016年3月、仙台駅の東西自由通路が、以前の歩道橋に屋根が覆われたようなものから垢抜けたものへ大幅にリニューアルされたが、その時に命名された愛称が”杜の陽だまりガレリア”だった。6年近く経ち、単に人が行き交う場所に留まらず、イベント・交流の場所へと変貌しているものの、日常的に「ガレリアで何かやっている」等と聞く事は皆無だ。

 

沢山の人が行き交い、賑やかな「仙台駅東西自由通路」、”杜の陽だまりガレリア”の愛称を知らない人は多い!?

 

なぜ、地元民の間で定着しないのか?一つ目に挙げたTV塔は、展望台が設けられている訳でも無く、誰もが気軽に行ける施設では無いのが考えられる。遠くから眺めるだけの存在と、展望台に行ける身近な存在とでは、どちらに愛着が湧くかと言う話だ。

 

コスト等の事情はあるだろうが、地上デジタル放送が始まる前に、在仙全ての放送局が手を取り合い、展望台やショップを備えた電波塔を共同で1つ造れば新名所になったのではないか?標高120メートルに150~200メートルのタワーは結構な高さだし、街なかにあるSS30やアエル等の展望スペースよりも遥かに高いから、そこからの眺めは申し分無い筈だ。

 

共同事業だがら、1社あたりの負担額は減るし、集客施設があれば日銭も期待出来る。(維持費を稼げるし、集客数によっては利益にもなる)ただ問題もあり、大年寺山の3つのTV塔は一般人が足を踏み入れるには足元が悪く、相当手を入れた整備が必要になる。実現する可能性は低いが、そういう施設に変わったら、愛称は定着するかもしれない。

 

二つ目の環状高速道路は、道路を走っても”ぐるっ都・仙台”と掲げたものを見掛ける機会が無く、視覚的に印象が残らないのと、周回してドライブしようとしても、割高な料金がネックになって、気軽に利用出来ないのは愛称が馴染まない理由としてあるのではないか。

 

特に問題なのは後者である。現状、普通乗用車なら周回すると2,250円の料金が掛かるが、私の感覚では高過ぎるし、料金を払ってまで周回したいとは思わない。”ぐるっ都・仙台”を定着させたいなら、利用者がメリットを感じさせるものでなければならないのである。

 

例えば、乗り降りするインターチェンジが同じで、時間・周回数制限を設けた上で、ワンコイン(500円)にしたらどうだろうか?利用者が増える分、様々な問題が出て来るだろうが、その都度解決していけばいい。それよりも、いかに利用してもらうかなのだ。「俺、これから”ぐるっ都・仙台”を走ってくるから」と、そんな会話が普通になる日は来るだろうか。

 

最後に、仙台駅東西自由通路。イベントが開催される時、会場を”杜の陽だまりガレリア”と記載されているチラシが見受けられるが、いまいち親しみにくいのは、愛称が長いからだろう。短くして”ガレ””エキガレ””エキロー”とかはどうか?(何とも微妙だが・・・)

 

ある知人がこんな事を言っていた。

 

「(愛称が根付かない事は)考えて無かったよ。愛称っていつの間にか、そう呼んでいたと言う方が好きかもしれない・・・」

 

愛称が根付かない事自体、仙台人は気にしていないと言う事なのか?正確な理由、調査継続としよう。

 

※つづく