北海道はお盆をすぎると一気に過ごしやすい気候になるというが、今年はなかなか涼しくはならなかった。
しかし、この一週間ほどですっかり「らしい」気温になり、真夏のピークが去った。
やがて実りの秋がやってきて、すぐに雪虫が飛ぶだろう。
雪虫というのは「トドノネオオワタムシ」というアブラムシの一種であり、夏から秋にかけてはトドマツに寄生する。
そして晩秋、一斉にヤチダモに移動する姿が、雪が舞っているように見えることからその愛称がついた。
冬が迫っていることを実感し、郷愁に駆られる人も多いのではないだろうか。
──先日、8月最後の出勤日、お世話になった方が仕事を辞めた。
これで見送ったのは27人目。
4月からの5ヶ月間、短い間ではあったが大変お世話になった。
ほとんどの場合、一度そのような縁が切れてしまうと、再開することはそうそうない。
生活圏が違う場合は特にそうだ。
さんざんやかましくしてごめんなさい。これからも元気で。
かつて民俗学者の柳田國男は、日本人の生活を「ハレ」(非日常)・「ケ」(日常)と区別した。
1日から今日まで、母と祖父母が北海道へやってきた。
その中で、新得町へ行く機会があった。
幌加内町で開催されていたそば祭りがあまりの大盛況ぶりに大混雑しているという情報を手に入れたため、急遽行き先を変更したのだった。
その道のりは私にとっては日常の光景だったが、3人にとっては間違いなく非日常の世界だったろう。
立ち寄ったところ全てに喜んでくれ、とても満足してくれていた。
「ケ」の光景を「ハレ」として喜んでくれたことは、私がこれまでやってきたことが少しは無駄でなかったということだろうか。
とにかく、4日間大変お世話になりました。