力が抜けないのは“タイプ”のせい?
「もっと力を抜いて」
「肩の力が入りすぎてるよ」
レッスンで、こんな言葉をかけられたことはありませんか?
でも、「力を抜こうと思っても、どうしても抜けない…」
そんな経験があるなら、あなたのせいではありません。
それ、“タイプに合っていない使い方”をしているからかもしれません。
タイプを知らずに力は抜けない
4スタンス理論では、体の使い方には4つのタイプがあるとされています。
そしてこのタイプによって、
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重心の位置
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支点となる関節
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動き出す起点
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リラックスしやすい“構え”
がすべて違うのです。
つまり――
タイプを知らずに「力を抜いて」と言われても、それは身体にとって“動けない脱力”になってしまいます。
タイプ別に違う「安心できる姿勢」
たとえば、
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Aタイプ(前重心)は、鳩尾・膝・足裏を揃えた姿勢だと安心して力が抜ける
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Bタイプ(後重心)は、首・股関節・足裏でバランスを取ると、スッと身体が落ち着く
この“安心できる構え”を知らないと、
脱力どころか常に筋力がどこかを「頑張って支えてしまう」状態になるのです。
力を抜いて立つ=“筋肉で立たず、骨で立つ”こと
本当に力が抜けている状態とは、筋肉で支えるのではなく、
骨で立つ=軸で立つことです。
「脱力」とは“ダラッと崩れること”ではなく、体の構造に乗っかって自然に立てる状態。
それこそが、余計な力みがなく、すぐに動ける準備が整った“自然体”なのです。
緊張が続けば、疲れも溜まる
うまく脱力できないと、筋肉が常に働き続け、交感神経が優位な状態になります。
その結果…
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疲れやすくなる
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呼吸が浅くなる
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パフォーマンスが落ちる
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体を痛めやすくなる
つまり、「力を抜けないまま踊る」ことは、緊張と疲労をため続ける踊り方でもあるのです。
社交ダンスの動きもタイプで変わる
実は、ダンスの中で力を抜けるかどうかも、動き方の相性が関係しています。
たとえば:
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クロスタイプ(A1・B2)は体を斜めに使うことで安定感が増し、力が抜ける
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パラレルタイプ(A2・B1)は体を直線に使う動きが合っており、ひねりがあると緊張が生まれる
合わない動きを繰り返していると、本来は抜けるはずの力が、どんどん抜けなくなるのです。
「力が抜ける身体」は“タイプ理解”から始まる
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力が抜けないのは、性格でも根性でもなく「身体の構造」の問題
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4スタンス理論で自分のタイプを知れば、脱力できる構えがわかる
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脱力とは「筋肉を使わず、骨と軸で立つこと」
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タイプに合った脱力が、呼吸・姿勢・集中力すべての土台になる
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社交ダンスでも、無理なく・美しく・軽やかに踊る第一歩
もし、あなたがこれまで「力を抜くこと」が苦手だったなら。
それは、あなたが間違っていたのではなく、やり方が合っていなかっただけです。
まずは、自分の“タイプ”を知ること。
そして、「骨(コツ)をつかむ」こと。
それが、安心して踊れる身体への第一歩になります。
