「年を取ると頑固になる」
新しいことを受け入れない。
人の話を聞かない。
昔のやり方にこだわる。
しかし——
これは単なる「性格」の問題だけではないのです。
実は、精神的な頑固さと「身体の硬さ」は、切っても切れない関係にあります。
最新の脳科学や医学の視点からも、その裏付けが明らかになりつつあります。
■思い込みは「頭」ではなく「身体」にある
「考え方を変えましょう」
「思い込みを外しましょう」
でも、なかなか変われないのが人間です。
なぜなら、思い込みは頭の中だけで完結しているものではないからです。
長年続けてきた
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立ち方
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歩き方
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呼吸
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姿勢
こうした「身体の使い方の癖」が、神経のパターンとして細胞レベルで刻み込まれています。
関節や筋肉からの信号が脳の感情を司る部分にダイレクトに影響を与える以上、固定された「身体の癖」こそが、私たちの判断や感情、行動を無意識に縛っている正体なのです。
■「使わない関節」が思考の柔軟性を奪う
年齢を重ねると、動かなくなる関節が出てきます。
「硬くなる」というより、「使われなくなる関節」が増えると言った方が正確かもしれません。
医学的には「学習性不使用」と呼ばれますが、使わない関節が増えるほど、脳の中にある「身体の地図」は、ぼやけてしまいます。
すると、動きのバリエーションが消え、脳の神経回路も一本道になってしまうのです。
この「身体のフリーズ」状態で、「考え方を柔軟に!」と言われても無理な話です。
土台である身体が固まったままでは、新しい情報を受け入れるための「脳の余白」が生まれないからです。
(次回予告) 身体が固まれば、心も固まる。 だとすれば、私たちは「心」よりも先に「身体」を整える必要があるのかもしれません。 次回は、最新の脳科学と日本古来の知恵から、その具体的な答えを紐解きます。
ラファエル・ナダル(A2)

