「歳をとると足腰が弱くなるから、転びやすくなる」
一見もっともらしく聞こえますが、本当の原因は――
年齢とともに“筋肉主導”になりやすいこと
これが、転倒・ケガを増やす最大の理由なのです。
■ 子供はよく転ぶのに、大きなケガをしにくい理由
子供はよく転びますが、意外と大きなケガはしない。
その理由は「若いから」「骨が柔らかいから」ではありません。
子供は筋肉で身体を固めない
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力まずにコケられる
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身体全体がしなる
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衝撃を全身に散らして逃がせる
つまり子供は
筋肉量が少ないからこそ、しなやかに倒れられる。
これは身体が本来持っている、非常に合理的な“安全装置”です。
■ 大人は「筋肉で処理するクセ」がついてしまう
年齢を重ねた大人の多くは、次のような特徴が生まれます。
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姿勢を筋肉で「キープ」する
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バランスが崩れそうになると「力で踏ん張る」
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不安定さを筋力で補おうとする
この状態が続くと身体はどうなるか。
柔らかさが消えて、衝撃を逃がせない“硬い身体”になる。
硬い棒は折れやすいように、
固めている身体も衝撃を受け止めきれず壊れやすくなります。
■ よく運動している人ほど「身体が固い」という矛盾
これはスポーツの現場で、よく見られます。
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ストレッチしているのに固い
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よく筋肉痛になる
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運動習慣があるのに疲れやすい
これは運動の問題ではありません。
筋肉を「身体の固定」に使ってしまっていること が原因です。
筋肉の本来の役割は「骨を動かすこと」。
固めて耐えるための装置ではありません。
筋肉で固定する
↓
関節が自由に動かない
↓
身体が硬くなる
という悪循環が起こってしまいます。
■ 4スタンス理論でいう「軸」がしなやかさを取り戻す鍵
4スタンス理論では「軸」を重視します。
軸があると…
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無駄な力みが消える
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身体が自然にしなる
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衝撃が逃がせる
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倒れにくい
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倒れてもケガしにくい
つまり軸は
“倒れにくい身体”と“倒れても壊れない身体”を同時につくる のです。
年齢が上がるほど重要なのは、筋肉量よりも 身体の使い方 です。
■ まとめ:年齢に負けない身体とは「筋肉を動作に使える身体」
「歳を取ると骨が弱るから危ない」
と言われますが、真の問題はそこではありません。
年齢とともに筋肉主導になり、身体を固めるクセが強まること。
だから必要なのは、
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固める筋肉ではなく
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骨を動かすために使える筋肉
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そして 軸のある身体
4スタンス理論は、そのための最短ルートです。
年齢を理由にあきらめるのではなく、
年齢に合わせて“身体の使い方”をアップデートしていくこと。
これこそが、これからの健康づくりの中心になっていくのではないかと思います。
