おだやかな陽ざしのもと、
たくさんのお遍路さんが通り過ぎていく。
チリーン、チリーンと、
心地よい鈴の音がどこまでも・・・
真っ白な出で立ち、
「同行二人」
「南無大師遍照金剛」

あるご婦人とすれ違った時、
一瞬、思わず振り返った。
浮かんでは、
やがて消えた・・・
亡き母の姿。
この世は、諸行無常(しょぎょうむじょう)、
色即是空(しきそくぜくう)、
空即是色(くうそくぜしき)。
この世にある一切のものは生滅を繰り返し、常に移り変わりゆく・・・
あれほど厳しく思えた冬も今はどこに、
また穏やかな春が巡ってきた。
ひとつの道を大切に、
この道を信じて
これからも勇往邁進す。
必ずやまた巡り会うその日まで、
必ずや、笑顔でまた再会するその日まで。
合掌