漢方の長期服用による便秘と軟便-残便感の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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漢方の長期服用による便秘と軟便-残便感の整体治療
患者Mさん=53才-女性・主婦/の症例
 
① Mさんの病歴・・・
患者Mさんは20代前後の若い頃からの慢性の便秘症で様々な治療-対応(☚覚えていないそうです)をされていたそうですが、近年は漢方治療を15年以上前から服用しているそうです。漢方薬を服用すると排便出来るそうですが、その時はゆるい軟便(☚やや薄い色)しか出ないそうで、残便感も毎回あるそうです。ガス(放屁)もかなり大量に出るそうです。今回、五十肩の治療で来院されましたが、この数十年来の便秘もある事から、この件も併せて治療する事になりました。
 
 
 
② Mさんの診察
・8か月前から右の肩コリがひどくなり始め、それから1か月後には右肩が挙がらなくなったそうです。整形外科で五十肩の診断を受け、その後接骨院や漢方、鍼灸、整体、マッサージなどを受けたそうですが、しかし逆に悪化していったので放置状態になっていたそうです。その後痛みのピークは軽減してきましたが、しかし仰臥位で寝ていると右肩前面の広い範囲が攣るように痛み出し、就寝時は右肩の下に枕様のものを置いて寝ないと、眠りにつけないそうです。右肩の肩甲骨付近も痛いそうです。また右肩の可動域は外転も屈曲も45度~60度ほどしか挙がらず、肩関節が拘縮状態になっているそうです。
・右肩の前部三角筋が索状性に緊張していました。肩の屈曲や外転時に約50度で機械的にロックされて、それ以上は動かなくなっていました。
・頚部-肩~上肢の神経学検査で異常はありませんでした。
・病院での頚・胸部-肩の画像検査では「異常は全く無い」との事だそうです。血液検査では、ややコレステロール値が高いそうですが、今のところ特に問題は無いそうです。しかし脂肪肝の指摘は10年前に受けているそうです。
・20代前半の時に胆石症の診断を受けていますが、今までに疝痛発作の既往は無いそうです。
・顔色は普通で、眼瞼結膜は薄いピンク色でした。眼球結膜は白色でした。掻痒感は無いそうです。
・血圧は100/60mmHgだそうです。
・胸部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・胸郭触診上、胸骨左縁-右縁に著明な緊張と圧痛がありました。同部を押圧すると、空咳を誘発できました。また、左腋窩全面にも極めて著明な緊張と圧痛がありました。
・腹部聴診上、グル音は極めて弱く聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、回盲部、左下腹部などに緊張と圧痛がありました。腫瘤感、抵抗感はありませんでした。肝脾腫はありませんでしたが、胆嚢底は腫脹して触れ、圧痛がありました。
・咳や痰あるいは呼吸困難などは無いそうです。また、今まで特段の呼吸器系の疾患の既往は無いそうです。鼻汁、鼻閉も無いそうです。
 
 
 
③ 治療目標と整体治療
      
⑴ 消化管の機能減退を回復させ、自力排便出来る様に改善する
・平滑筋テクニック
・腸骨はがしテクニック
・上-下腸間膜動静脈解放テクニック
・胆嚢の内臓整体
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・2診目来院時、「(仰臥位での)肩の痛みが少しましな気がします」と仰っていました。また「ガスも減っている気がします」とも仰っていました。そして「(熱は無く咳もでませんが)痰がかなり出るようです」とも仰っていました。治療後、右肩の可動域は屈曲-外転ともに30度ほど改善し、両方とも100度くらいまで上げる事が出来ました。

・4診目来院時、「残便感が無くなり、便がスッキリ出るようになりました」と仰っていました。

・6診目来院時、少しずつ自力排便が出来る様になってきたそうです。また、胆嚢の治療中に「シューッ」といった胆汁の排出を思わせる微小な排出音も聴取できるようになり、胆嚢触診では、初診時より明らかに縮小している触感がありました。五十肩に関しては、仰臥位で寝ている時の右肩の痛みは半減していたそうです。

・7診目来院時、「(仰臥位での)肩の痛みが2割くらいまで軽減しています。寝ていてもあまり気にする事無く眠れるようになりました。漢方薬も少しずつ減らしていますが、便もまだ少し軟らかいですが、毎日出るようになってきました」と仰っていました。

・8診目来院時、「(仰臥位での)肩の痛みはほとんど感じなくなってきています。漢方薬は今は飲んでいませんが、便は毎日出ています。最初は硬めの便ですが、最後の方で少し軟らかめになるようです。残便感はまだ少しありますが、大分改善しています。」と仰っていました。また触診所、胆嚢の腫脹と圧痛は当初の1-2割程度まで解消していました。

・その後回復基調で進展し、13診目来院時には「お薬を飲まずにずっと毎日排便があります」と喜んでおられました。また五十肩に関しては「肩の痛みはほぼなくなりました。寝る時も痛みがないのでぐっすり眠れます。」と仰っていました。肩の可動域も150~160度程度まで挙上・外転出来るようになっていましたので、リハビリの仕方を説明して、一応の治療終了としました。
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
・Mさんは20代前後からの便秘症(軟便-残便感)ですから、遺伝体質的な原因もあるかと思います。従って、その治療効果には遺伝的な限界も有るかも知れません。遺伝傾向は整体治療では改善出来ないからです。しかし今回のMさんの便秘症(軟便-残便感)に関しては、(あるかも知れない)遺伝体質以上の悪化要因があるのでは、と思います。それは、15年以上に及ぶ漢方治療やその他の(覚えていない)対応-治療法ではないか、思います。

・今回のMさんの病歴聴取では
「漢方薬を服用すると排便出来るそうですが、その時はゆるい軟便(☚やや薄い色)しか出ないそうで、残便感も毎回あるそうです。ガス(放屁)もかなり大量に出るそうです。」
との事でしたが、これから以下の事が推定できます。
❶…漢方薬を服用しないと排便出来ない
  消化管の機能低下(衰弱)が常態化している事が伺える
その衰弱傾向にある消化管に漢方薬で追い打ちをかけて排便を強制-無理強いされている感がある
これはさらに消化管を衰弱させる要因になる
漢方による根本療法の効果が見えない
❷…ゆるい軟便しか出ない
  シッカリとした便が作れてない⇒消化-吸収機能の機能低下(衰弱)が伺える
  漢方による根本療法の効果が見えない
➌…便の色はやや薄い
  胆汁が充分排出されていない可能性がある
❹…残便感が毎回ある
  一気に便を全部排出出来ていない
これも消化管の機能低下(衰弱)が常態化している事が伺える
漢方による根本療法の効果が見えない
❺…ガス(放屁)が大量に出る
  Mさんが腸炎でなければ残留便滞留による腸内異常発酵の可能性がある
  漢方による根本療法の効果が見えない 

 
・以上の事は15年にわたる漢方治療が功を奏していず、逆に漢方が消化管の衰弱を助長し、弱った消化管に鞭打って排便を強制している様に見えます。漢方が根本療法なのであれば、15年もかかって消化機能を根本的に改善出来ていないこの事実は、どの様に説明されるのでしょうか? これだと漢方が悪化要因に見えても仕方がありません。

・思うに、漢方自体は悪くないのだと思います。改善していないのに長期服用する事が悪いのだと思います。私たちは過去に何度か北京と上海の医科大学に留学し、同大学病院の教授の方々にも聞きましたが、その教授先生らは皆「2週間漢方治療をして効果が無かったら治療法を変えます。それが本来の漢方です。日本の長期に渡る漢方治療は間違っています。それは身体に悪いです」とよく仰っていました。今回のMさんの症例は、それをよく表した例だと思います。

・Mさんに限らず、多くの日本人は「漢方は長期服用しないと治らない」といった都市伝説的な先入観に支配されている傾向があるので、この様なケースは多々あるようです。でもそれは、上記でも記しましたが、明らかな間違いなのです。もし、どんな治療法でも、ある程度の期間治療しても改善しない場合、それは大雑把に言って
   ⅰ…治療テクニックが下手or薬効が弱い (☚診察は正しい)
   ⅱ…治療回数が少ないor服用回数が少ない (☚診察は正しい)
   ⅲ…診察ミス  (☚診察は正しくない)

の三つが考えられ、そのほとんどがⅲの「診察ミス」、つまり別の原因があるケースなのです。当初想定していた原因と異なる原因があるのですから、当初の治療法(治療薬)が効果が無いのは当たり前の事です。これは漢方についてだけでなく、我々の整体治療も西洋医薬や鍼灸などを含むあらゆる治療法でも、例外ではありません。

・話を元に戻して、Mさんの便秘症と軟便-残便感がなぜ整体治療で改善したのか、、、これは
    ・平滑筋テクニック
    ・腸骨はがしテクニック
    ・上-下腸間膜動静脈解放テクニック
    
・胆嚢の内臓整体

の各テクニックで、疲弊しきっていた消化管の細胞=平滑筋の筋力を回復したから、に他ならないと思います。(但し、この整体テクニックも半永久的に効果が持続する、というものではありません。この事を私たち整体師は肝に銘じておかねばなりません。)
 
 

・しかしもし、今回のMさんのケースで、ある程度の期間上記テクニックを施術しても改善しなかった場合、先述の如く、
   ⅰ…治療テクニックが下手or薬効が弱い (☚診察は正しい)
   ⅱ…治療回数が少ないor服用回数が少ない (☚診察は正しい)
   ⅲ…診察ミス  (☚診察は正しくない)

のどれに当てはまるかを考えて、それに適切な対応をしなければならなかったでしょう。

・医療というものは常に患者さんの症状の動態を注視し、その動きに合わせて柔軟かつ変幻自在に対応できるシリアスさが必要なのでは、決してダラダラと長くすればいいのではない、といった事を忘れてはならないと思います。この事は、例えて言えば、今回は上記整体テクニックが奏功しましたが、次回の時には同じ整体テクニックが効果が出ないかもしれない、それを忘れてはならない、という事だと思います。
 
 
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