軟骨の人口密度 変形性関節症について・・・ (その一/全三章)
「軟骨」・・・
と聞いてイメージすることは何でしょうか?
お若い方はやはりビールやお酒のアテとしての「から揚げにした軟骨」でしょうか(私も大好物ですが)・・・
でも、少し年を、、、イヤ、人生経験豊かな方になると、膝や腰の関節痛の要因であるところの「関節の軟骨」をイメージされるのではないでしょうか。
特に膝の軟骨をすり減らしている「変形性膝関節症」となると、全国で１０００万人近い患者数がおられるようで、この軟骨疾患は高齢社会の日本にとってもはや国民病と言わざる負えない状況ですね。
つまり「軟骨」の病気をお持ちの方は、ウヨウヨおられるわけです。
しかしその割にはほとんど軟骨についてあまり知られていないのではないでしょうか。。。
確かに悪性腫瘍の様に「生命」そのものに影響を与える病態ではないので、あまりご興味がわかないのかもしれません。しかし軟骨変性によって膝や腰が痛々しく曲がっていく事は、せっかく長生きできるようになった人生の後半を痛々しく不自由な状態で過ごさなければならないので、せっかくの長寿国民の恩恵が台無しになりかねません。
どうせ長生きできるのなら痛くかつ不自由無く、健康的に長生きしたいですからね。
将来的にはiPS細胞によって再生医療として軟骨が簡単に取り替え出来る時代が来るかもしれませんが、だからといって何千万人もの軟骨疾患を増やすことは避けられるなら避けるべきです。。。。。という事で今回のコラムのお題はこの「軟骨」です。
Ｑ1 そもそもこの軟骨・・・実体は何か???
それは「水」=H2Oです、、、ほとんど。
軟骨の種類によって多少の差はありますが、大半が水です。
ただ、水だけでは拡散してしまってバラバラになりますから、軟骨の形態を維持させるためにエラスチンやコラーゲン線維などが「木の根っこ」の様に縦横無尽に走って、水分子を吸着-保持させています。
そしてそのコラーゲンやエラスチンを生成するのが「軟骨芽細胞」や「繊維芽細胞」です。
但し、これらの「軟骨芽細胞」や「繊維芽細胞」は非常に少ない数しか軟骨にはありません。つまり軟骨をメンテナンスする労働者＝「軟骨芽細胞」・「繊維芽細胞」の数が極めて少ないのです。これは軟骨内に住んでいる軟骨芽細胞や線維芽細胞など、細胞の人口密度が非常に少ない！事を意味します。
おまけに栄養やＯ2を供給する「血管」も軟骨に通じていません。逆に言えば、もし軟骨に細胞がたくさんあれば、血管が軟骨に血液を供給しないと軟骨の新陳代謝に間に合いません。
ですから軟骨への栄養・Ｏ2補給はほとんど滑液(関節包の内側面から分泌させる)に含まれている栄養・Ｏ2で補われている次第です。
ここが今回のミソ！
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