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歯周病 痛みなく重症化 歯を失う原因第1位 糖尿病、心血管疾患にも影響



 日本人のおよそ半数が歯周病だといわれる。痛みがないまま進行するのが特徴で、歯を失う原因の第1位でもある。近年、歯周病が心血管疾患や糖尿病など、さまざまな病気と関係していることも判明しており、早期の予防や治療が重要だ。

6月4~10日は「歯と口の健康週間」



◆日本人の半数 該当

 歯周病は、歯肉(歯茎)や骨(歯槽骨)など、歯を支える組織が壊されていく病気。歯と歯肉のすき間(ポケット)の溝の深さが1~3ミリなら健康、4ミリ以上で歯周病とされる。厚生労働省による2022年歯科疾患実態調査では、47・9%が4ミリ以上だった。

 「原因となるのは、プラーク(歯垢(しこう))という細菌のかたまり」と愛知学院大歯周病学講座教授で、同大歯学部付属病院長の三谷章雄さん(52)=写真=が言う。症状の進行段階で、「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられる。

◆歯垢は細菌だらけ

 歯と歯茎の間に磨き残しがあると、プラークがたまっていく。プラークの中は細菌だらけで、増えた細菌は歯肉に侵入しようとする。体は、細菌と戦う免疫細胞(白血球など)を集めて運ぼうと毛細血管を作るため、歯肉が赤くなる。この状態が「歯肉炎」で、ほとんど痛みはない。

 さらに進行すると、免疫細胞は活動を活性化させるために炎症物質や分解酵素を作る。しかし、この炎症反応は細菌だけでなく、歯肉の中のコラーゲンも壊してしまい、歯肉のはりや弾力が失われる。また、炎症物質が歯槽骨の表面にいる破骨細胞に反応すると、骨を溶かす。歯槽骨は歯を支えている骨なので、歯がぐらついたりする。これが「歯周炎」だ。

 歯が揺れる、歯並びがおかしい、口臭、うみが出るなどの症状が出て、初めて本人が気付くこともある。「ここまでいくと重度の歯周病で、抜歯せざるを得ない治療が多い」と三谷さん。「どの症状にも『痛み』というキーワードがない。最終段階まで痛くないことも多く、自覚がないまま進行する」と言う。

 歯周病はさまざまな病気との関連も指摘されている。「特に強く関係しているのが糖尿病」と三谷さん。歯周病による炎症反応によって分泌された物質が、血糖値を下げるインスリンの働きを抑制。インスリンが十分に効かなくなると血糖値が上昇し、糖尿病が悪化する。歯周病を治療すると、糖尿病も改善するとされる。

 また、この炎症物質が早産や低体重児出産に関与しているほか、歯周病の原因となる細菌が、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることも分かってきた。

 初期なら、歯みがき指導や歯石の除去で治療できる。骨が溶けるなど重度になると、骨の再生を促す薬剤を使って失われた歯槽骨などの組織を回復させる「歯周組織再生療法」もある。

◆歯間ブラシ使って

 ただ、基本的な対策は、プラークがたまらないように正しい歯みがきをして、口内を清潔な状態に保つこと。三谷さんは、「歯間ブラシやフロスなど、歯間清掃用具を使ってほしい」と呼びかける。歯ブラシの前に使うとより効果的だ。

 今年4月からは、健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢が拡大し、20歳と30歳が追加された。厚労省によると、若年層にも歯周病の増加がみられるからだという。三谷さんは「食べ物を摂取するという意味で、口は命の入り口。命の入り口を健全に保つことが長く生きるためにも大事」と力を込める。


高齢者の方は、しっかり噛む事により免疫が上がり、生活習慣病、認知症の予防に繋がります。


是非この機会に、お近くの歯医者で検診を受けてください。








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