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歯の一部が黒い! これってぜったい虫歯なの? 虫歯のようで虫歯でないケースと、その対処法を歯科医師が解説


「痛みはないけど、歯が黒くて気になる」という訴えで患者さんが来院されることがよくあります。でも実は、虫歯でないケースも多々あるのです。今回は、そのような虫歯と間違われやすい歯の状態を論じていきます。

「歯が黒い」これって虫歯?


虫歯は虫歯菌の産生した酸が歯を溶かしてできたもので、放置すると進行し、しみる、痛いといった不快症状が出てきます。茶色や黒色に見えるのも虫歯と呼ばれる所以です。

特に歯は色が白いだけに、黒っぽい何かがあると「もしかして、虫歯?」と不安な気持ちを抱かれると思います。具体的な症例写真とともに様々なケースを見ていきましょう。

ステイン(着色)


上のように、歯の表面に付着する着色をステインと呼びます。カレーやコーヒーなどの色が濃い食品や、緑茶の茶渋などがステインの原因になります。また、ヨード系の茶色いうがい薬や漢方の内服薬など、薬剤による着色もあります。

見た目は茶色や黒色で気になりますが、表面的な着色ですので、歯科用の研磨用機材を使用すれば、容易に除去できます。

CRの変色

前歯や奥歯の溝などにできた大きくない虫歯などには、CR(コンポジットレジン)という歯の色に類似した黄白色の樹脂を詰めるのが一般的な治療法です。特に子どもではよく行う治療法で、乳歯などの初期~中期の虫歯には頻用されます。

しかし、歯との境界部に微妙な段差があったりすると、時間とともに着色の付着や樹脂自体の劣化・変色があって、茶色くなってくることがあります。



その他の原因として、

⚫︎エナメル質形成不全

⚫︎咬耗

⚫︎歯の亀裂

⚫︎失活歯

⚫︎歯石

⚫︎楔状欠損

⚫︎冠の破折、歯肉退縮(歯根露出)

以上のように、歯が黒く見えるケースはたくさんありますが、実際に虫歯であっても黒くならずに進行が早いケースなど、実に多彩な病態を示します。

ですから、「虫歯=黒い」という先入観は抱かないとともに、「黒いから虫歯」という思い込みも取り除く必要があります。

こういった症状がある場合は痛みがある無しに関わらず、迷わず歯科医院を受診しましょう