さてさて、先日の続きです。
ベートーベンからBettina Brentanoに宛ての手紙をドイツ語で
少しずつ読んでいっています。
ベートーベンの残した言葉に直接
触れられるのがうれしいので、このところ
ドイツ語原文で読んでいます。どっちにしろ
Wordに翻訳を残すならブログに書いて
おこうくらいの気持ちです。(>_<)
多分資料も本も日本語であるだろうけど、
自分で読んでいるのは、ドイツ語単語量を
増やしたいのと、単にネットで探しても本が出てこない、
またあっても、高くて買いにくい、日本からも取り寄せにくいから。 orz
ちなみに今読んでいるのは、音大の図書館に
おいてあった、ものすごく古い黄ばんだ、文字も
なんじゃこれ!?みたいな本です。
タイトルはBeethovens Brief
In Auswahl herausgeben
von Dr. Karl Stordi
zweiter vervesserte Auflage
なので読んでいる手紙も一貫していないし、訳も
自分流です。(一応ドイツ人に大きな間違いが
ないかだけは聞いているけど。)
今日は少しベッティーナブレンターノ自身も調べてみました。
1785年フランクフルトに生まれ1859年ベルリンに逝去した
作家、歌手、イラストレーター、音楽擁護家、などと出ています。
特にゲーテとベートーベンとは親交が深く、
シューマン、ブラームス、リストなども彼女の才能を
高く評価していた、とあります。さすがベートーベンが
夢中になっただけある、綺麗な女性です。o(^-^)o
http://www.gutenberg.org/files/10957/10957-h/images/img20.jpg
http://en.wikipedia.org/wiki/Bettina_von_Arnim
5マルク紙幣に印刷されていたとは知りませんでした。
5マルク紙幣ってあまり出回ってなくて、手にした時は、
こんなのあったの!?って感じだったような・
手紙を読むと、二人が出あったのは1810年の5月
なので、ベートーベンが40歳、ベッティーナが25歳。
さてさて、手紙の内容の続きです。
ベートーベンがゲーテとベッティーナの
仲のよさに嫉妬して、王様がなんだ、貴族がなんだ、
となってしまっているシーン。
・・
![]()
私はもう一度、頭を洗いなおしました。
私は決してゲーテのことを咎めているのではないのだ--
私の親愛なる君、私達は、その時、ちょうどあなたのことを
話していたのです・・・!!
Gott! 私にもそんな時間を、私の事を
信じてくださる時間をもてたなら・・!!
私は、もっと、もっと偉大で素晴らしい時間を、
あなたに与えることができるだろうに・・!
一音楽家というのもまた詩人であり、彼もまた
その目を通して、突然美しい世界の前に
立っていることを感じるのです。偉大な
精神が喜びをもたらし、音楽家に、真にしっかりとした仕事を
与えるのです・・・・
5月の、美しい雨の降る天文台で
あなたに出会った時のように、何もかも考えることができなく
なってしまっていました。私にとっても、全くひどいことでした。
(←一通目の手紙にも書かれているように、ベッティーナに出会うまでは、
人間関係でも喜びを見出せず、作曲でも行き詰っていた、という
意味だと思います。)
その時、ベートーベンがかつてこの世で
指揮したことのない、彼を恍惚とさせるべき
最も美しいテーマが、あなたの姿から私の心に滑り落ちたのです。
神よ、もう少し、何年かをプレゼントしてください、そうなれば、私はもう
一度あなたに会わなければならないでしょう。
私の最愛の、愛しい彼女、いつも私の心に残っている彼女のその声を、
私はそれほどまでに、欲しているのです。
心はお互いに愛し合うことができ、私はいつも
あなたのものになりたいと願っています。
あなたからの賛美が、私にとって世界で一番愛しいものなのです。
私はゲーテに、私たちがいかにお互い
尊敬し、賞賛しあえる関係になるかを
話しました。それは互いの理解無しには決して成り立ちません。
ロマンティックな感動は、女性達の部屋で(すみません)
起こるでしょうが、男性は音楽に、炎と魂を曲に
ぶつけなければいけません。
ああ、ぼくの愛しい子、いったいいつからなのでしょう、
私達の意見はどこもかしこも同じようではないですか!!!
全てを知られていて、その人には隠す必要が無い、
そんな、素敵な魂を持っているということ、これほど
よいことはありません。
人は、そのようでありたい自分 でなければいけません。
世界はいつも不平等である事を知らなければいけない、
でも、それは私にとって重要なことではありません。
なぜなら、私にはとても高い目標があるから--
--ウィーンで私はあなたからの手紙を待ちます、
もうすぐ、すぐに、たくさんの手紙を書いてください、
私は8日以内に、ウィーンにいます。廷臣は
明日行き、今日彼らはもう一度演奏します。
彼は、女王と領主に一つの役を勉強させ、
私も、私の曲を演奏するべきだと思っています。
でも、私はどちらも断りました。彼らは
二人とも、中国陶器の収集を愛していて、
そこに寛大でなければいけません。
身分上の優勢さを失うからです。
ですが、私はあべこべのことはしません。
そんな馬鹿げたことを領主の一門とはしません、
私の価値をかけたくありません。そこまで私が
お金に困っている訳でもありませんし。
Adieu, Adieu、私の最愛の、
あなたからの最後の手紙を夜じゅう私の
胸の上に置いています、それが私の元気を回復させてくれます。
音楽家は何をしても許されますね。
Gott! 私は、どれほどに、あなたを愛しているのだろう!
あなたの最も信頼できる、そして盲目の兄、ベートーベン。
Töplitz,15、Augst 1812
テープリッツとはドイツの地方の名前です。
太文字のところは、大きく書かれている部分です。
ステータスを誇示するのに陶器集めをしてる
王侯貴族に、俺様の音楽のよさがわかってたまるか。
しょせん音楽も理解できない馬鹿どもに演奏しなければ
いけないほど、俺様も金に困ってないよ。
あんな馬鹿どもより、あなたの的確な私への
理解のうほうがどれだけ愛しく感じられることか・・・!
とまで言わずとも、そんな雰囲気のしてくる手紙です。
使われている言葉も、
領主からの演奏の依頼を、
abschlagen, ぶち壊す (して断る)とか、
absurdes Zeug (馬鹿馬鹿しいもの)
など、そうとう軽蔑しているというか・・?
それにしても、王様の前で
演奏できるチャンス、普通、お金無しでも
頼んででもさせてもらえないよ。彼のナポレオン嫌いは有名だけれど・。
想いが叶わず荒れ模様のベートーベン。
もしベッティーナとうまくいっていて、彼女が
一言でも「.Du sollst spielen , Schatz...
(弾くべきよ・・
」
なんて言ったら、ルンルン気分で
演奏に行っていたのではないか?みたいな気がしなくもない。
彼女からの手紙を一晩中抱きしめて眠るなんて。
・°・(ノД`)・°・
ベッティーナはベートーベンの良さを的確に
見抜いて言葉で表現した、と言われているだけあって、
ベートーベンも、音楽家としての自分のよさを分かって支援しようと
してくれる女性にあえて、幸せだったんだろうなあ。
まだまだ読みたい部分があるのだけれど、
翻訳はものすごく時間がかかり、難しいです(>_<)
愛弟子リースやツェルニー、ブライトウントコップフ宛ての手紙、
ゲーテとの手紙、死を向かえた遺書、などなど・・。
一気に読んでしまいたいけど、なかなか。
卒試に取り組んだフンメルにも手紙があって面白かったです。
一日一時間、ドイツ語勉強のつもりで読んでいこうと思います。
