NHKスペシャルで、「学校が怖い!少女の叫び」と言うのをやっていたので、ダビングした。


私は、教育の現場にいる訳でもないので、これは単なる野次馬としての意見だ。


その番組を見て行くうちに、違和感が大きくなっていく。

自分の感覚がおかしいのかもしれないので、いじめを受けた経験もあり、年も近い娘にも見せて反応を見た。


見せる時には、先入観を持たせないように「お前と同じアニメが好きな女の子が出ている」と言って見せた。


すると、至る所で「この子駄目じゃん!」と言っている。

先生の方針にも「この先生判ってない!」と言っていた。


実は私も同意見だった。


まずその子は、顔を見られたくないと言う理由で、前髪を伸ばしていた。

最終的に、前向きになったと言っても、前髪はそのままである。

実は、この前髪に重要な意味がある。

これは、同じくいじめに合っていた姉や、娘から聞いていて初めて知った事なのだが、前髪は心の壁である。

引き篭もっている時に、カーテンの隙間から外を覗く事と同じで、前髪を伸ばして顔が隠れる事により、自分の視界も少なくなり、そこに安心感を得ているのだ。

つまり、この子が本当に前向きになったと判断できるのは、前髪を切った時だろう。


娘の意見は鋭い所を付いていた。

番組では、小学校の時の友達に同行させて教室へ行く練習をさせていたが、それを見て娘の一言「あ!これ友達じゃない、友達と思われていない」

鋭い所を見ていた、その子がいる部屋に入った瞬間は、その友達は笑顔だったのに、その子を見た瞬間笑顔が消えた。

そして、教室まで行く間、常に距離を保っていた。

教室の手前でうつむきだした時、友達なら肩を抱き「大丈夫?」と聞いたりして気遣うけど、それしてないと言っていた。

そして、相談室に帰ってきた時も、すたこらさっさと、離れて行く。


そして、娘の一言「友達になって、間違えた!」と後悔する友達もいる。

進学や、進級はそんな友達と離れるチャンスなのに、昔友達だったからと言って呼ばれたら、ゼッタイ嫌だ。

そして何より、いじめを受けているような人は、そう言った微妙な距離には敏感で、人に言う事はしないが自分の中の孤立感を深める。

それと、教室に入っていく時、横で座っていた子の目、あれはウザイ物を見る目つき。

そんな目つきって、ゼッタイ判るんだよ・・・

そして、娘が「え~~~!」って驚いたのが「いじめた生徒を他のクラスに移し、小学校の友達を同じクラスにして、学校に来易い環境を整えようとした」と言うナレーションが流れた時だった。


娘曰く、そんな事をしたら逆効果じゃん、ゼッタイクラス中から嫌われるよ~。

だって、こいつのせいで、せっかく仲良くなれた友達と、別のクラスにさせられるんだよ!

なんで、こいつ一人の為に周りが振り回されるの!

それに、そんな事されたら、気まずくなって余計に学校へ行き難くなるじゃん。


ごもっとも、仰る通り。


そして番組は続いて行くのだが、そんな中で、その子が朗読劇に参加したいと言い出した。

その子の夢は、将来アニメ関係の仕事で、声優になりたい。

だから、将来の夢の為になるから、やりたいと言っていた。

まあ、それがベクトル なのだが、朗読劇まではベクトルが保たれるだろうが、朗読劇が終わればベクトルも弱くなる。

そして朗読劇までの練習では、ちゃんと顔を上げて練習し、朗読劇も顔を上げてやっていた。

が、それまでだった。


その後、一日だけ試しに授業に出る事になって、出向してくる時の姿を見て、娘は一言「駄目じゃん!」

またまた、娘の駄目だしが出た。


その子のハイソックスが、片方は膝まで、片方は足首まで下がっている。

更に、制服はしわくちゃ。



以下娘談

長期間教室に出ず、久しぶりに教室に行くのに「これは無いだろう」、いじめてくださいと言っている様な物じゃん。

前髪で顔が見えずに、首は直角に下を向いている子が、この服装じゃ最悪じゃん、自分が見えてないよ、この子・・・

学校に出て来ない奴の為に、クラスまで変えさせられて、出てきたらこんな奴かよ!

殴った奴の気持ちわかるな~!

私も、小学校や中学校の時馬鹿だったからね、いじめられて当然と言うか~、今の私でもその頃の自分を思い出すと、自分で自分に腹が立つ。

引き篭もりはしてないけど、私もそうだったから・・・



成長したな~お前!


授業に出ている風景を見て一言「何?この爪、キショ!」

良く見ると、かなり爪を伸ばしているのだが、その爪の先が鋭く尖らせてある。

その爪は、妖怪人間のようである。


娘曰く、爪を伸ばすのも自己表現、私もそうだった。

でも、絵を描く時やPC操作するのには邪魔、ちゃんと絵が書ける様になると、絵が自己表現になるから爪なんかで自己表現する必要はないとの事。


なるほどね。


私が気になったのは、もう一人の引き篭もり生徒の親。

母子家庭で、母親は体調を崩しているのだが、書類に書いてある症状を見ると「自律神経失調症」だし、睡眠薬での自殺未遂をした所から見ると、鬱病だ。

仕事を探す以前に、鬱病の治療をしろよ。

鬱病や自律神経症状を持ったままじゃ、仕事どころじゃないだろう。


その引き篭もりの生徒も、クラブ活動での仲間と衝突したのが切っ掛けで、体調を崩し入院、その後欠席・・・

それって、神経症じゃないのか?

精神疾患を持つと思われる母親と一緒にいれば、子供にも精神疾患や神経症は出る。

この子の将来の方が心配だ、恐らく社会人になる頃に本格的な鬱になるだろう。

どうして、この時期に、この初期の時期に、治療の方向へ行けないのだろうか?

その支援体制が必要なのに・・・


自分の将来の為に絶対に進学する、進学の希望を持った事で、不登校から抜け出すのだが・・・

それはそれで良いのだが、その先は?進学の先のベクトルまで決まっているの?

進学を果たして、高校に入学したらそのベクトルはどうなるの?


あの女の子の、朗読劇の短期的なベクトルと同じじゃないの?


その女の子も、その後また不登校。

本人が言う不登校の理由は、相談室に生徒が増えて居辛くなったから・・・

そう言った部分もあるかもしれないが、恐らく原因は他の所になるのだろう。


ベクトルが定まっていた時は、大勢の前でする朗読劇にも積極的に関わりあう事が出来ている。

相談室に人が増えた事は、言い訳でしかない。

無くなった物は「ベクトル」だ。

原因は、母親が腰を痛めて職を失った事。

それにより、将来に不安を感じてベクトルが見えなくなっているのだろう。


結局は、厳しいようだが依存体質。

そして、その依存体質に育てた母親の責任。


苦しいのは、自分けじゃない。

私だって、大工時代の末期、工賃の未払いが続いた為、この人以上に金が無かった。

当時娘はこの子と同じ中2で、いじめの真っ最中。

何度、電気を止められ、水やガスも止められた事か・・・

電気が通じているだけましだろう。


私はそんな時でも、娘に苦労の顔を見せた事はない。

電気の止められた真っ暗な部屋でも、今日はサバイバル~!と言って、蝋燭で過ごしてキャンプ見たいだろ!と結構楽しく過ごした。

まあ、私もそうだったが、子供の頃は台風とか停電はワクワクドキドキして結構楽しかった。

食べ物にしても、普段からあまり物を凍らせておけば結構有る物だし、電気が止まって冷蔵庫も止まれば丁度食べ頃でもある。


私にも、そんな時代もあった、しかも2度目。

最初の貧乏の時には、破産宣告までした。



娘はその時の事を「将来ゼッタイにネタにしてやる!」と言っている。


そんな貧乏をしながらでも、高校の学費の事は心配するな、いざとなったら自分で働いて学校へ行け。

そんな事も言った覚えがあるし、今でも実践している事だが、自分の進みたい道に行けば良い、しかし自分で稼いで行け、自分で稼いで行かないと絶対甘えがでる。

実は、娘は決まっていたデザインスクールを辞退して、声優科に入る決心をしている。


娘はその子と同じ声優になりたいと言う夢の為に、声優科に入る為に一年バイトで金を貯める決心をしている。

同時に、デザインスクールに支払済みの入学金は躊躇無く捨てた。

何だかんだで20万。

また、声優になれなかった時の事も考えているようだ。

しっかりとベクトルを持っている。・・・腐女子一直線かよ。まあいいけど。


あの子に足りないのは、そんなベクトルだろうし、ベクトルを維持させるのは親だろう。

声優になりたいだけでは、単なる希望だ。

希望はベクトルとは違う。

親が働けずに金が無いなら「自分で働いてでも夢を叶える」と言った、ベクトルだろう。

それを植えつけるのは、親の役目だろうと思う。



私の娘が意を決して「声優になりたい」と言った時、私は「やれよ、その代わり学校への入学辞退の連絡や手続きは自分でやれ、それがお前の責任で、責任は果たせ、それが大人」と言った時、娘は泣き出した。

絶対反対されると思っていたらしい、そして大人として扱われた事が嬉しかったらしい。

私は私で、卒業式が迫り、入学決定の返事も迫られている時に出た言葉は、精神の回折の分光 による本音だと思っているので、妥協で決めた進路に進むより、本当に進みたい進路に進んだ方が良いと思っている。

だから別に反対する理由も無かった。


自分で決めた道だ、好きなようにやれ、駄目な時も自己責任、そんな意味も込めた言葉だったんだが、そこまで伝わっただろうか・・・




集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都