初代 iPhone SE (白、128GB、再整備品をexpansysで購入)を折りたたんだ自撮り棒に設置して、それをロードバイクのサドルバッグ(大きいやつ)のゴム紐にからめた状態で、目的地へ移動していたときのことでした。後方でポトという音が聞こえた気がしたので、念の為停止して、後方を確認したところ、自撮り棒とiPhone SEが道路の真ん中にありました。後方から来る自動車がそれを踏まぬように避けていました。

 

ひゃー!念の為確認してよかったです。十分な安全確認のうえで拾ってきました。交通量も少なめの二車線道路での出来事でした。iPhone SEの側面には落下のときの打撲痕傷がついてまいした。そして打撲痕を起点にした亀裂が液晶パネルにはいってました。亀裂は枝葉のように広がっていて、ちょっとこのまま使うと指を怪我してしまいそうな程でした。

 

初代 iPhone SE は128GB品だし、OS 15 にバージョンアップできる機種なのでまだまだ現役で使えそうだから、街のiPhone修理屋さんに持ち込もうと思いまして、ネットで調べました。数千円で修理してもらえそうだとわかりました。

 

次に、アマゾンで検索して、自分で修理するためのキットを調べてみたところ、こちらはもっと安くて済みそうだとわかりました。当然、自分でやったら失敗する可能性が十分ありますが、とりあえず修理手順を詳しく紹介してくれているサイトも見つかりました。

 

 

調べをすすめていくうちに、どうやら iPhone 5S のフロントパネルを初代 iPhone SE に付けることができるらしいということもわかりました。ちょうど手元に iPhone 5S (黒、32GB、Y!mobile専用の未使用品としてじゃんぱらで購入)があります。いわゆるSIM下駄と呼ばれるSmartKingを利用して、mineo (docomo回線)のSIMを入れて使っていたのですが、手違いでSmartKingが利かなくなってしまい、それ以来、メインスマホにWiFiテザリング接続して自転車用のナビゲーション装置として時々利用する程度になっていました。

 

iPhone 5Sの液晶画面は天気の良い屋外では見えないので、自転車で利用するには使いづらいものでしたし、自転車用にはGarmin eTrex30xを復活させたので、iPhone 5Sの有効活用を模索してました。そこで、iPhone 5S君にはドナーとなってもらうことにして、その液晶パネルを初代iPhone SEへ移植することにしました。上記のiPhone SEのLCDとデジタイザーの交換に紹介されている手順を参考にして作業を円滑に進めることができました。

 

以下は、iPhone SEのLCDとデジタイザーの交換の手順に従って作業を行っている途中で気づいたことです。

 

手順1に登場する「Lightning コネクターの両側にある3.9 mmのペンタローブネジ」用のネジ回しは手元にありました。昔々にiPhoneの蓋をあけて中を覗いてやろうと思って購入してあったものですが今回初めて役に立つことになりました。

 

手順3及び手順4に登場する工具(iSclack)は持っていませんでしたから、腕時計の蓋をこじ開けるときに利用するナイフ(100円ショップのダイソーで腕時計の電池交換用の道具のひとつとして売られていたもの)で液晶パネルを金属フレームから浮かせました。その際ナイフが滑って指先で受け止めてしまったため裂傷をこしらえてしまいました。注意しないといけません。

 

手順9で説明されているTouch IDケーブルブラケットの取り出しの際に気づいたのですがホームボタンケーブルを覆うメタル製ブラケットはありませんでした。アップル社の工場から出荷されたあと、何らかの不都合品として修理業者へ渡り、そこでの修理作業の際に省略されてしまったのだと思います。

 

 

同じく手順9に登場するお話なのですが、「新規購入時のオリジナルのホームボタンアセンブリではTouch IDが使用できます。ケーブルの破損後、新しいホームボタンを取り付けた場合、ホームボタンとしての機能は回復できますが、Touch IDは使用できなくなります。」というくだりがあるのですが、意味が理解できませんでした。「新規購入時のオリジナルのホームボタンアセンブリではTouch IDが使用できます。」なんて、新品の部品なんだから使えて当然じゃないかとしか思いませんでした。「ケーブルの破損後、新しいホームボタンを取り付けた場合、ホームボタンとしての機能は回復できますが、Touch IDは使用できなくなります。」なんて、ケーブルの破損前と破損後で何が違うかなんて常識だけでは意味不明じゃないかとしか思いませんでした。


iPhone 5Sの液晶パネルにTouch IDとホームボタンとイヤピーススピーカーが付いた状態で、

iPhone 5Sをパカっと二つに分離できます。二つに分離してから、Touch ID、ホームボタン、イヤピーススピーカーを液晶パネルから外せます。

 

Touch ID、ホームボタン、イヤピーススピーカーを液晶パネルから外すのが面倒くさかったので、そのまま iPhone SE へ移植してやりました。組み立てて電源を入れて操作してみたところ Touch ID に指紋登録ができないという不都合に遭遇しました。iPhone SE をファームウェアバージョンアップしても駄目だし、MacBook で復旧してやっても駄目でした。

 

この状況について上記の「iPhone SEのLCDとデジタイザーの交換」では、「新規購入時のオリジナルのホームボタンアセンブリではTouch IDが使用できます。ケーブルの破損後、新しいホームボタンを取り付けた場合、ホームボタンとしての機能は回復できますが、Touch IDは使用できなくなります。」と言ってますが、これでは説明としてダメダメだと思いました。

 

そもそもアップル社の Touch ID という部品は、組み込まれたiPhoneのハードウェアを覚える仕様になっているため、他の個体へ移植すると機能しないんです。新品のTouch ID部品ならば、組み込まれたiPhoneのハードウェアを覚える前なので大丈夫ですが、iPhoneのハードウェアを一旦覚えてしまうと、それ以外のハードウェアでは機能しないということです。

 

そういう事情がわかったので、iPhone SEの液晶パネルからTouch IDを取り外して iPhone 5Sの液晶パネルに取り付けて、それを iPhone SE に移植するという格好に修正したところ、Touch IDも含めて iPhone SE は復活しました。

 

手順17に登場するお話なのですが、上記の「iPhone SEのLCDとデジタイザーの交換」に示されている写真の「基板上に留められたフロントパネルアセンブリケーブルブラケットからネジを4本取り出します。」という作業で、赤丸で示されているネジが所定の位置からはずれてしまっていてイヤピーススピーカーの磁石にくっついてました。これも同じく、アップル社の工場から出荷されたあと、何らかの不都合品として修理業者へ渡り、そこでの修理作業の際に原因を生じたのだと思います。

 

もうひとつ手順17で、上記の「iPhone SEのLCDとデジタイザーの交換」に示されている写真の「板上に留められたフロントパネルアセンブリケーブルブラケット」の穴の位置が、iPhone 5S用のブラケットとiPhone SE用のブラケットとで、違っており互換性がありませんでした。

 

 

手順33に登場するのですが、ホームボタンアセンブリの金具がありませんでした。これも同じく、アップル社の工場から出荷されたあと、何らかの不都合品として修理業者へ渡り、そこでの修理作業の際に原因を生じたのだと思います。

 

 

その他

 

iPhone 5Sの液晶パネルはiPhone SEのよりも0.5mmくらい短いような気がします。なぜならば、イヤピーススピーカーの上のところ、すなわち最上部に少し隙間がみられるようになったからです。

 

 

ホームボタンの下のところ、すなわち最下部には隙間は認められません。

 

 

 

出来上がり

 

初代 iPhone SE の裏面です。

 

初代 iPhone SE の表面です、というか側は初代 iPhone SE ですが液晶パネルが iPhone 5S(黒)です。iPhone 5S からイヤピーススピーカーがついたままの液晶パネルを iPhone SE へ移植しました。Touch IDモジュールは、利用が始まるかなり初期段階において iPhone その個体専用になってしまうため、他の個体へ移植しても使えません。小生は、そのことを知らなかったのでiPhone 5S の液晶パネルに Touch ID もつけたまま iPhone SE へ移植してしまいました。どうして Touch ID だけ機能しなくなっちゃったんだろう?と戸惑いまして、ネット情報を頼りに、iOSのシステムバージョンを最新版の15.6.1(2022-09-12現在調べ)にしてみたり、母艦のMacBook Air (M1)からiPhone SEを復旧してみましたが、依然として Touch ID は機能せずでした。

 

さらにネット情報を調べていったところ、Touch ID モジュールはハードウェアを覚えるので、他のハードウェアへ移すと機能しないのだとわかりました。なーんだ、そーいうことだったのかぁ〜というわけで、その情報を得たあと、もう一度 iPhone SE の液晶パネルを開いて、iPhone SE にもともと付いていた Touch ID モジュール(ホームキー含む)を使うように変えました。だからホームキーが白になりました。

 

 

白と黒のちぐはぐ感もありますが、これはこれでなかなかおもしろいんじゃないかという気もします。いちおう新たな出費なしで初代 iPhone SE の修理を完了することができたことになります。何も機能的には問題の無い iPhone 5S をばらして部品取り用にしてしまったのが勿体ないようななくないようなちょっと複雑な気持ちではありますが、Y!mobileロックされた32GBのiPhone 5S では可用性がほぼありませんから、これでよかったのだと、自分を納得させることにしておこうと思います。

 

ちなみに、iPhone 5S 及び初代 iPhone SE での今回の経験があれば、他のどの iPhone の機種であっても通用するとは限りませんが、狙った部品がまだ生きていそうなジャンクiPhoneをそれぞれ千円台程度で買ってきて、電池だけパチもんの新品良品を入手して、結構ちゃんと使えるiPhoneに仕立てる遊びができるかもしれないと思い始めました。