Love is a Feeling!!3~貴方なんか不幸になればいい!そう飛行機の中でも呪った | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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このお話キム・ミルが主役の恋物語です(笑)

この曲を聴きながら読んで頂けると幸いです
スマホからは聞けますが 携帯からも聞けるのかな?
[MV] Tei & Hye Ryung - Love Is A Feeling  
AegyoAigooさん@Youtube Thanks!!


どれだけお誘いしても 殿下は私と会って下さらなかった
その理由はいったいなんなんだろう…
他に想う人が居る?
だって シン・チェギョンは皇太子とらぶらぶだし ソ・ジュヨンとは従姉弟よ?
さっさと踏ん切りを付けて現実傍における子を見付けるべきだわ!
もうすぐ高校を卒業して花の大学生活よ!恋人の一人や二人…そんなにぞっこんじゃない相手でも居て良い年じゃないのさ!
もう私で手を打ちなさいよ!
っていうかおかしいでしょう?この私からの猛烈なアプローチをこんなにも無碍に…

ハッ!?…まさか…ゲイ…とか…? え?従弟の皇太子こと…もしかして…
あんでぇ~~~~!!!だめ!絶対駄目よ!勿体ないわ!
あんな綺麗なお顔の王子さまを男に?!それも あんなのっぺり顔の冷たい皇太子に持っていかれるなんて!!
ってかそれでも報われない恋じゃない 皇太子は婚約者にメロメロなんだから!!
も~我慢ならない!
ユル殿下の報われない恋を断ち切って なんとか私を受け入れさせる作戦を考えに考えて
私はあの贈り物を思いついた

ユル殿下のお誕生日の為に 私は学校を休んでフランス人形を制作する老舗に赴いた
何ですって?フランスよ!当然でしょう!?
フランス語なんて小学生のころからペラペラの私は 私のサイズを完璧に測らせ ヌードをデッサンさせ 寸分たがわぬ人形を作らせた
え?!馬鹿言わないで!採寸とデッサンのスタッフは女性よ!
一か月後 完成の連絡を受けて再度フランスへ飛び その仕上がりを確認し 大満足で箱詰めにも立ち会い 私が実際に着ていた服を着せ 着替えも入れて 韓国のユル殿下へ送ったわ!
すぐに飛んで帰って 箱を開ける殿下の顔を見たかったけど 丁度お父さまが仕事でフランスへ立ち寄ったと連絡を受け 渋々一緒に食事したせいで 夜の便を一本逃して一日無駄にしたわ

殿下に電話して 反応を窺おうと思ったのに 外出していてまだ受け取ってないですって
ああん!残念! だけど殿下…またなんだか元気が無かったわ…どうしたのかしら…?
殿下からのメール着信音は他と違うから 私は喜び勇んで携帯電話に飛びついたのに

「ありがとう 大事にするよ…」って うそ… それだけなの?

私が 貴方の楽しげな笑顔を想像しながら どれだけの時間とお金を掛けて あの人形を作ったか 知らないのは仕方がない…だけど…
この仕打ちは何?
あんまりだわ…

貴方の心の中には… いったい誰が居るの?

私はもう これ以上彼を追うのは無駄だと思った
彼の心には 私の入り込む隙間なんてたったの1㎜だって無いんだってことを 突きつけられたんだ

だって…笑うところよ?
「ミル!これはいったい何なの!?抱き枕なの?あはは 参ったな」
そう言って電話してきて欲しかったのに…
貴方の とんでもなく美しい笑顔を いっぱい 想像したのに…

私のショックは あまりにも大きすぎて ベッドから出られず… 帰りのチケットは期限切れ
何も食べずにひたすら眠って こんなに悲しいのにお腹がすくのには腹が立って 今度は吐くまで食べ続けて…吐いたらスッキリして また泣いて また眠り続けて…
何日たったかも解らない頃 お母さまが迎えに来て
「もうユル殿下のことは諦めなさい」って言った

言われなくたって そうするわ…
あんな人 大っ嫌いよ
私が今まで どれだけの人達にチヤホヤされて生きて来たと思っているの?
私のプライドを 平気でズタズタにして…
貴方なんか不幸になればいい!!!
そう 飛行機の中でも呪った

なのに…韓国に付いて最初に向かったのは あの 景福宮にほど近い高層マンション…
遠くから 彼を確認して… やっぱりどこかお元気の無い姿に 胸が痛んだ
きっと… 何か お辛い事があったんだわ…

「ミル…私達は貴女のすること なんだって好きなようにさせたけど 今回だけは反対よ?」
「でもお母さま?
私は今までこんなにも他人に心を奪われたことが無かったのよ?
あの方は…他の誰とも違う 私のご機嫌を取らないし ちっとも私に関心を示さない」
「だからやめなさいって…」
「だから…だから好きなの…お淋しそうなあの方を お傍で癒して差し上げたいの…
なのに どうしていいか解らない 私…人を癒した事なんかないから…」
「しょうがないわね…もう充分当たって砕けたのかと思ったのに…」
「ダメよ!こんなんじゃ納得いかないわ!だってまだ彼は私を知ろうともしてないもの!
私を知って嫌いだって言うんなら諦めるけど!違うもの!
きっと彼は 彼の事情で心が荒んでるだけだわ?
私 まだ諦めない! 会ってくれるまで 私を知ってくれるまで!!」


天下のキム・ミルはへこたれなかった!
ユル殿下への愛の大きさを再確認して さあ 猛アピールよ!と息巻いてみたものの…
誕生日に贈ったフランス製の身代り人形の行く末はいったいどうなったんだろう…
ユル殿下のあの反応によって付いた大きな心の傷は…なかなか癒えなかった
暫くメールも電話も出来ずに それでも 遠くからコソコソ見守る日々…
殿下の部屋に出入りする女官とソ・ジテにまでヤキモチ妬いて…
はあ…私…何やってるのかしら…
こんなの全然 天下のキム・ミルらしくないじゃない
だけど 卒業式まで学校は自由登校らしく ほとんど登校されず…引きこもりがちで…
元気のないご様子に居ても経ってもいられず

ついに勇気を振り絞り 巨大な花束を抱えて 会いに行ったわ
事前に殿下のお車の運転手さんを摑まえて 頼み込んで お時間を作って貰った
「ご卒業 おめでとうございます!」
「やあ ミル 凄い花束だね ありがとう 嬉しいよ」
ああ…この笑顔!会いたかった…きゅうん…❤
胸をきゅんきゅん締め付けるこの感覚…これよ コレが恋と言うものよね!!
デレデレしている私を見て くすっと笑ったユル殿下… ほわん////
「ああ そうだ 君 誕生日三月だって言ってたよね 来月だ お返しをしなきゃね
ごめんね 忙しくって… 忘れてたわけじゃないんだけど…」
う!嘘おっしゃい!私がなんにも知らないと思って!!家に引きこもってたくせに!!!
「プレゼント 考えていたんだけど… 君の気に入る物を選ぶ自身が無くて…」
「じゃ じゃあ!デートしてください!!」
「そうくるよね(笑)」
困ったようなユル殿下の顔もすごく素敵で 私はもうすっかりプライドを傷付けられたことなんか帳消しにされた気分だった

少なくとも決して叶わぬ不義ではないから自分は殿下とは違うつもりで
どんなに頑張っても想いを叶えられない人を想い続けるなんて馬鹿げているわ!
私にしちゃえばいいのよ!って息巻いてた
だけど…
私はまだ子供過ぎて 全然解っていなかったのね
振り向いてくれない人を追い求めるって事に関しては 結局殿下と同じだったの
そしてそれがどんなに辛い事なのか…

桜の舞い散るオープンカフェなんて 座ったことも無かったわ?
だって毛虫が落ちて来そうじゃなくって?
なのに 此処に居るお客はみ~んな笑顔なのね… そんなに素敵な場所かしら?
ユル殿下は本物の王子さまなのに 意外と庶民的で 百貨店でブランドの店をグルグル回って品定めする私の斜め後ろを黙って付いて来て下さって
時々「どうかしら?」って振り返って 服やバックを宛ててみせると 
「いいね」とか「似合うよ」とか笑顔を見せてくれたけど 本気じゃないのが解った
デートっぽいけど 全然デートなんかじゃ無かった
すっかり疲れちゃった様子の殿下のお顔までもが…私にはとても素敵に見えるんだけど…
やっぱりこんなのダメよね…
「ごめんなさい ユル殿下 疲れちゃいましたよね…」

素の顔をハッと引き締めて皇子の顔を作ったユル殿下が
「気にすること無いよ 気に入ったものが買えて良かった」
「ホントに!?」
うそつき…すぐに解る でも私は敢えて大袈裟なまでに可愛く振舞った
少しでも 彼の目に良い印象を与えて 次に繋げたいんだもの 必死よ?
「それで…あの…ユル殿下… 私が送ったプレゼント 大事にしてくださっています?」
私が思い切って誕生日に贈った私の身代り人形の事を尋ねたのに…
「うん ちゃんとお世話してるよ?」
もう…やだこの人…なんでこんななの???
「あ…あのそっちじゃなくて…」
あ~あ と納得した表情でニンマリ笑う
「あっち?」
「えへへ…」
なによう!殿下だって男でしょう?女の子があそこまで思い切った贈り物をしたのに
スルーしないでよね!?
「ね?アレを僕はどうしたらいいの?」
殿下の綺麗なお顔が 急に意地悪く変わった
「えっ?!」
「アレをどうして欲しくて僕にくれたのかなぁ…って」
や…やだ…やっぱり…ヘンな子だと思われたんだわ…服は着せてたけど 脱がせば精巧な私の裸体…
見た?見たわよね?
皇子と言えど 男の子なんだもの!女の子の躰に興味くらいあるよね?
「そ そんなの!ただのジョーク決まってるじゃないですか!ヘンな事言わないで下さい!」
違うの ジョークなんかじゃない!見られることくらい覚悟の上だった
ううん!むしろ見て欲しかった
ソ・ジュヨンでもシン・チェギョンでもなく 私を見て欲しかった
だから この躰を見て 少しでも興味を持って欲しかったの…////
「はは 僕もジョークだよ」
すごく綺麗に笑いながら 金色の髪を掻き上げた
「その… せっかくのジョークだったのに そっけないお礼のメールしかできなくてごめんね?
実はあの日ちょっとあって… その後も暫く落ち込んでいたんだ それに 卒業式も近かったから 忙しくてね…」

 

すまなそうな表情に 悪気は無かったのだと詫びる言葉…
私はそれだけで胸が苦しくて泣きそうになる こんなの 生まれて初めて感じる感覚…
「よかったぁ…あんなもの送りつけたから嫌われたのかと思って…」

泣いちゃダメ!だって私は天下のキム・ミルなんですのよ!!

「ホ~ント 殿下ったらひどいですわ!笑ってすぐに電話くださると思ったのに… ただありがとうってメールを頂いたときは どれほど後悔したことか…
フランスから帰ったらすぐにお土産を持って会いに行きたかったのに…怖くて行けなかったんですからね!!
卒業式に花束をお持ちするのだって すごく勇気が要ったのですよ?」
「抱いて寝てるよ」「えっ!?////」
すごく真面目な顔でおっしゃるから 驚いたのに…
「う・そ」
ペロッと舌を出すんですもの!もう!酷いわ!ヒドイ!
「や~ん ヒドイ!殿下の意地悪ぅ~!!」
殿下の頭をポカポカ叩いてやったわ!この!この!

「ユル」
そう言いながら 殿下が…私の髪に触れた…
「え?////」

あ…桜の花びら…指先に摘まんだ花びらは 私の髪に付いていた物…?
今日の為にエステティシャンを呼びつけたり 美容師を呼びつけたり…
ま…巻き髪だっていつもより気合入ってるのよ!
ユル殿下に似合うように うっすら可愛らしいメイクをレクチャーして貰って…
なのに なによ!こんな春風にさらされて ぐちゃぐちゃじゃない!もう!
私を誰だと思っているの?!
貴方じゃ無かったら こんなとこ絶対許さないのに!
やだ…もう…私…心臓が壊れちゃったの?どうしましょう…苦しい
だれかココにお医者様を呼んで…
「殿下って呼ばれるのは好きじゃないんだ ユル そう呼んで?」
「あ… はい… ユル…オッパ…////」
許せない!
私があなたに惚れてるのをいいことに 自分のペースに持ち込むなんて
私の人生にありえ無い席に座らせておいて 泣きそうなくらい幸せな気分を味わせるなんて
なんて人なの!大っ嫌い!
「うん?」
嘘…大好き…//// 春の陽射しなんて 紫外線が増え始めてお肌の大敵なのに
彼の笑顔が素敵すぎて 目が眩みそうになってしまう程
私は彼に夢中だった

 

 

(本編ユル目線はコチラ→144.溝 ~そんなに信じられないのか?

 


六月の二週目 良く晴れた土曜日に… 彼のお気に入りの従弟イ・シン皇太子が結婚した
彼はやっぱり元気が無くて…
私の不安は益々大きくなっていく…
大好きな彼がゲイだなんて 思いたくはないけど… 疑いはどんどん大きくなるの…

大学生になった彼は 皇太子と車で通学していた高校時代と違って 電車やバスに乗って 普通の大学生に紛れて過ごしていた
私は時々 門の前で ユルオッパを待ち伏せした
でも いつも 従兄と一緒だった
従兄弟は従兄弟でも イ・シン皇太子では無くて ソ・ジテ それから 時々ソ・ジュヨンも一緒だった…
「ミル!こんなところで一人で待ってないで連絡すればいいのに!」
「女子高生がこんなとこで何してんだよ?ユルにしつこく付き纏うなよな!」
優しいユルオッパの言葉とは正反対の言葉をいう従兄が一緒で 超ムカつくのよ!
「失礼しちゃう!学校はちゃんと終わりました 今日は教員たちの学会で早かったんです!」
「ホントかよ?オマエンとこちゃんと勉強教えてるのか?
うちの大学に来る気なら そうとう勉強しないとオマエンとこのお嬢様学校からは一人も来てないぞ?!」
「もう!あなたと言い争うために待ってたんじゃなくってよ!
オッパ…この方と親しくなさらないで?オッパまで品が無くなっちゃいそうで 怖いわ…?」
「あはは そんなことないさ… あ!ジュヨン!こっちこっち!」
ユルオッパの笑顔が一層輝く瞬間…
ゲイかと思うほど従兄弟達を大事にする殿下は…
従姉も大事にする…

「待った? あら…ミルさんも一緒だったの?」
「…悪いかしら…?」
ソ・ジュヨンは王族で品の良い服装 美人でスタイルは良いし 何より 王立大学の医学部 頭も良い… 私より二つも年上で 大人の女
私は背筋を伸ばして 精いっぱいの虚勢を張る… けど… 女子高の制服のまま来た事を後悔する…
この女(ヒト)に顔で負けてる気はしなくても… ユル殿下が 私とこの女のどっちを大切に思ってるかくらいは 解ってるもの…

ゲイなのか 単に従姉兄弟達に対する家族愛なのか…
私の頭の中は いつも 嫉妬でぐちゃぐちゃだった


でも ある日 突然
ユル殿下から電話を貰って 急いでお洒落して出かけたら
他に誰も居なくて
「あら?今日はお一人なんですの?」
って聞いたら「うん 行こうか」って言ったっきり 何もおっしゃらなくて…
始めは 二人っきりだって事が凄く嬉しかったの いつも邪魔者が一緒だったから(笑)
でも…
美術館に連れて行かれて… 本当に何もおっしゃらなくて…
ただじっと絵をご覧になってて…
その横顔があまりにお淋しそうで…
私…
殿下と手を繋いで歩いたことなんて無いのに… その指先を握った
驚いたように振返った殿下が…
「あ… えっと… ごめん…」

そう…
殿下は… 私を呼び出しておいて 私の存在をすっかり忘れて孤独に陥っていた

一歩後ろを付いて来る私の事なんて すっかりすっかり忘れ去って…
淋しく一人ぼっちで絵を見ていらっしゃった…

苦しくて苦しくて 泣いちゃいそうだったけど グッと堪えて飲み込んだ
だって…
少なくとも 呼んで下さった時は 私の事 思い浮かべて下さったんですもの…
何か 凄く落ち込む出来事が有って… 淋しさを紛らわすために誰を呼んだのか…
だいたい解ってる…

落ち込んだのは 宮廷で… 原因は 母親の皇太后か 従弟の皇太子…
多分 呼んだのは一番目がソ・ジテで… その次がソ・ジュヨンだわ…
私は 彼らが来られなかったから 三番目に呼んで貰えたんだ…
解ってる 解ってるのそれくらい 貴方の事なら なんだって知ってるもの…
「私…殿下が好きです 大好きです」
言わなくったって解ってる事を いつも言ってしまう
それで彼はまた 困ったように笑う…
大丈夫よ…勘違いさせてしまったかと 心配しなくったって 私そこまで頭悪くなくってよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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