その5

 

■2018年11月25日

 

 

遊びに使える中2日の2日目。

 

以前ハワイでふらっと立ち寄って意外と面白かった記憶を思い出し、

この日は射撃場で実弾射撃を楽しむことに。

 

とはいえ外国人観光客向けの場所があるわけではないので

事前にトラベロコ(現:ロコタビ)というサイトで

現地在住の日本人にコーディネーターをお願いしておいた。

今の「個人旅行+時々現地ツアー」の基本スタイル確立はこのときであった。

 

10時にコーディネイターさんが宿の前まで迎えに来てくれた。

 

ウォッシャー液を途中で買っていってもいいかと言われ寄ったスーパー。

 

キュウリの品種が日本とちょっと違うなーとか。

柿食うんだなーとか。

チンゲンサイあるなー、中国から入って来るのかなーとか。

ブドウ種類多いなーとか。

もはや何か分からん謎の野菜あるなーとか。

結構見るものがある。

 

コーディネイター氏にクヴァスを勧められて買った。

このアルセニエフスキーとかいうブランドが一番だとか。

 

クヴァス:黒パンを発酵させて作るとかいう謎の茶色い飲み物

 

日本のサイトだとゲテモノとして紹介されていることが多いが、

味は困ったことにネタにしづらいような感じ。

 

甘味と若干の酸味があり、別に不味くはない。

そしてパンっぽい匂い?酵母の匂い?もする。

美味くもないのだが、ネタ的に面白いインパクトがない。

 

なんでかなーと考えたが、味も製法もこれ、澱の無い甘酒的な?

日本人にとってはそんなに奇異な味でないことが

インパクトを欠く要因かと。

 

 

 

クヴァスを飲みながらアムール湾横断橋を渡り...。

 

 

市街から数十分で射撃場着。(正確な場所分からず)

 

撃ってばっかで写真あんまりない。

 

標的はクレー。

 

ハワイはアホでも当たる距離に紙のターゲットを吊るしてくれるが、

ここはちゃんとクレー射撃なので素人にはなかなか当てられぬ。

 

素人が乱射しないように架台や壁に銃を繋いでおく鎖もなく、

抜き身(?)で手渡されて「ほらよ」という感じでびっくり。

銃も拳銃のほかにみんな大好きAK47だのサイガ12だの、

軍用アサルトライフルをはじめとして物騒度高めなラインナップ。

 

特別ガンマニアというわけではないがなかなか刺激的な時間であった。

あとは、体幹がしっかりしてないと銃の重さに体が負けて、

綺麗に構えられないなという発見。鍛えましょう。

 

買い物のために若干のエクストラを支払って

郊外のショッピングモールに寄ってもらい、帰還。

 

コーディネイターの車は日本の中古ミニバンだったが、

地図の限界を超えて日本海上に浮かび続ける自車位置の矢印が

印象的だった。

 

このホテル毎晩娼館から内線で電話がかかって来るんですが...

僕の個人情報は大丈夫なんですかね

 

 

まだ時間があるので、昨日に続き街を散策してみる。

 

慣れない海外で帰れないのが怖いので

券売機で切符を買うリハーサルをしに駅に来た(神経質)。

 

 

切符購入は問題なかったものの、

空港のウェブサイトで出ていた時刻表と

駅に掲示されている時刻表が違っていることに気づいた。

 

 

もし寝坊して乗れなかったら、一日数本のやる気のない鉄道じゃなくて

便数のあるマルシュルートカ(ミニバス)に乗れば助かりそう、

というところまで確認して安心。

乗るのは107番ね。文字を覚えてきてよかった。

 

 

鉄道貨物が物流の主力なのか、駅にはロシア郵便の

有蓋貨車が沢山いて荷役をしていた。

 

9000km以上に及ぶシベリア鉄道の起点駅であり、

ホーム上にモニュメントや保存機が鎮座している。

モスクワの先はきっと大西洋岸まで国を跨ぎながら

鉄路が繋がっているのだろうなぁ(多分)。

 

駅に隣接して旅客船ターミナル。

一時期、日本発着の豪華客船がよく寄港していたようだ。

 

自分はドはまりだが、そんなに一般日本旅行者に

ウラジオストクが訴求力があるとも思えない。

 

豪華客船はだいたい外船なのでカボタージュ対策の

オマケ寄港地であろう。

 

 

うーん...

 

 

疲れてきたのでホテルに帰る。

小腹満たしの買い食い。

 

 

どうせだから何なのかわかんない奴にしようと思って

「シャシュリークのロール」とやらにした。

 

 

齧ってみると豚のバーベキューのようなものが詰まっていた。

明らかに西アジア~中央アジア方面の食い物。この国の広大さを実感。

 

肉は少し固めだったが、噛み切りづらいとまではいかず

食べ応えがあってなかなか美味かった。

 

シャシュリークのロールは旧ソ連圏では比較的ポピュラーな

ファストフードだということで、グッドチョイスだったと思う。

バーガーとかにしなくてよかったぜ。

 

ホテルに帰る途中のスーパーにて。

 

割と有名な商品で、日本は全然関係ないとのこと。

 

 

ホテル前に野菜の露店が出ていた。

 

ダーチャ(郊外の個人農園)で育てた野菜を売っている老婆。

 

日中世話になったコーディネーター殿いわく、

スーパーの野菜は隣国中国から入ってきているものも多く、

安全性が懸念されているので根強い人気があるのだとか。

 

 

テレビをつけると「ロシアの忍者」なるまんまSASUKEの

パクり番組がやっていた。言葉が分からなくても面白い。

 

ロールが意外と腹にたまって数時間後もまったく腹が減らず、

翌朝は速いので外食には出ずに就寝。

 

 

 

■2018年11月26日

 

 

6時起きに成功。

人気のないまだ暗い道を駅に向かう。

 

アエロエクスプレス。

 

先頭側の車両に乗ろうとしたら「Bussines!」とブロックされた。

短距離列車の分際でビジネスクラスが付いているよう。

いや、俺ビジネスクラスの切符持ってた可能性あったじゃん。

失礼な車掌だな。

 

 

線路幅が広いからか、座席は3+3というなかなか日本では

お目にかかれないシート配置。乗客はまばらだった。

 

道中夜が明ける。

 

空港着。

 

あまり大きい空港ではないが、土産物はカニとウォッカが多かった。

 

カニは検疫がめんどそうだし、どうせ日本海で採れたやつなら

日本のカニと一緒だろということで適当にチョコを買った。

 →「海外のチョコは不味い」が定説だが地味に美味かった。

 

 

この日は平壌行のフライトがあったらしく、高麗空港ゾーンに

DPRKの労働者がターミナルの中で沢山列を作っていた。

そちらも訪れてみたいのですがね、、なかなかね。

 

帰りも行きと同じ飛行機。

 

海が凍り始めていた。

 

2時間しないうちに新潟市沿岸にさしかかった。

 

こうして、初めての個人海外旅行が無事終わった。

 

イメージ最悪に近い国だったが個人レベルで見ると気さくな人が多く、

治安も安定しており、それでいて日頃目にしないもの、

聞いたこともないものをたくさん見られて

魅力的な旅行で、以降の旅行ライフに色濃く影響を残した。

 

「アメリカは日本人が思っているほどいいところではないし、

ロシアは日本人が思っているほど悪いところではない」が

ちょうどいい評価かなと思う。

 

次はハバロフスクまでアケアーンで鉄道旅行をしたいだとか、

モスクワ周辺で軍事博物館めぐりをしたいだとか思っていたが、

コロナ渦が世界を覆い、国際情勢は悪化しでこの国を再訪出来ていない。

 

今の情勢で訪問して下手をすると

3食制服宿付きで射撃体験無料ツアー(片道)が

強制的にプレゼントされそうなので、あせらず機を待っている。

 

■費用

空港までの旅費 2.5万円

航空旅費    6.5万円

宿泊費     2.0万円

その他     2.0万円

 

計      約13万円