その2

 

■2018年11月23日_No.2

 

ウラジオストク自体が港町なので、

陸地に差し掛かるとほどなく着陸となる。

 

日本語の機内放送(自動音声)も用意されており、

「着陸します。ご注意ください。」的なアナウンスが

着陸の10秒前くらいに流れていた。随分と直前である。

 

コートを脇に抱えて降りる支度をしていると、

スペツナズじゃないほうの客室乗務員さんが

「外は-8度ですよ」と英語で声をかけてくれた。

 
初めて見る東側の軍用機。Su-25か。
この手のものは撮影禁止のはずだ。

 

コストコで買った北米仕様のブルゾンが存分に性能を発揮。

デザインはやぼったいのだが布団を着て歩いているように

温かいので重宝している。西側の犬です。

 

少し構えていた入国審査も質問皆無の無言ですんなり通過。

入国。

 

さてさて、通信手段、SIMカードを確保せねば。

 

HISでポータブルWi-Fiも斡旋されたが、

割高だし現地でSIMを手に入れるプロセスを楽しみたいので

パスした。入手に失敗した場合どうなるかのことは

あまり考えてない。

 

現在時刻17時半。

店舗が営業しているかどうかはきわどい時間帯。

 

閉まっていれば翌日に街でどうにかこうにか

ゲットする予定だったが、運よく営業中のMTSの店舗を発見。

4日間3GB、1000р(2300円)。

通信回線を確保完了。

 

空港なのにCash onlyだったので

両替していった申し訳程度の現金が役に立った。

 

 

さて、空港から街までは約50km。


一応アクセス鉄道はあるにはあるのだが、
1日5往復かつ終電が18時という極端にやる気のない運用のため
この時間の選択肢はバスかタクシーのみとなる。

 

 

バスといってもマルシュルートカ。

日本の田舎で見かける乗合タクシー(ハイエースのバスみたいなの)に近い。

 

しかし時刻表の出発時刻を過ぎても全然来ない。

どうせ海外のバスなんて時間適当だろうと

思いつつ乗り逃しても悲しいので-8度の夕闇の中待ちぼうけ。

 

 

大音量でダンスミュージックを垂れ流す、

バンパーのもげたプリウスの兄ちゃんが

街までタクシーどうだと声をかけてきたが辞退。

タダでも嫌だ。

 

満員だった飛行機とはうってかわって乗り場には人気がなく、

自分と現地人1人と同じ便で来た日本人観光客3人の計5人だけ。

 

30代半ばくらいのちょっと好きじゃない感じのお兄さんが

「バス来ませんね、タクシー割り勘しません?」と

話しかけてきたがパス。放っておいてくれ。

 

結局外国らしく15分遅れくらいでバス到着。

 

寒さが我慢できなかっただけで

実は同じ便に乗ってきた結構な数の人が空港の

ターミナルの中で待っており、15人程度定員の車に

大多数が乗れずにあぶれていた。

プリウスタクシーに乗ってけさい。

 

異国の景色を楽しもうとするも、

すっかり日がくれていてあまり車窓からの景色は楽しめず残念。

こっちに来てからLINEの調子が悪く、

調べてみると政府による規制だそうなので

VPNのアプリをバスの車中でひっそりインストールしてLINE復旧。

 

無事ウラジオストク駅前に到着。

この次の1便でラストのようだが、あぶれた人たちはどうしたやら。

 

ホテルは駅からすぐ近いところにあり、

夜の街がおっかないのでまずはチェックイン。

予約も無事通っており、今日の寝る場所は確保されたのでほっと一息。

(というか、この国は滞在先の予約が無いと入国が許可されない)

 

部屋はまあまあ綺麗。

 


 

ちょっと気の利いたビジネスホテル並というところか。

不満は特に感じない。

強いて言えば古い躯体にガワだけ綺麗な内装を

張り付けてあるような作りで、床板とその下に隙間があるらしく

足音がかなり響くのだけが気になった。

 

まあ期待以上に快適。とりあえずテレビをつけて異国感を出す。

 

プニキが映っていた。

 

 

低温で空気が極度に乾燥しているのか喉がカラカラ。

蛇口からグラスに水を出してみたところ透明だし味も普通だったので

2杯くらい一気に飲んだ。

 

どうせ現地人なんかは水道水飲んでるんだろう。

ハワイでも5週間ほど生水飲んでたが何ともないというか寧ろ水美味かった。

 

さて、晩飯にちょうどいい時間だ。

もう外は真っ暗だったし何より寒いので食べに出るか否か...。

-5℃を下回ると風がなくてもさすがに寒い。

 

ホテルに24Hのピザ屋も入っていたけど、

やはりご当地感ある方が面白いなと思って駅の脇で見つけた

飯屋の看板を目指して出発。

 

スタロヴァヤ・ノメル・アジン(第一食堂)

 

看板がでかい割に、入り口のドアは勝手口かという感じで

小さくわかりづらかった。

厳しい冬のせいなのかこの国の建物は入り口が概して地味。

スーパーみたいなかなり大きい建物でも

入り口は片開きの普通のドアだったり。

 

学食みたいなレイアウトの店内。

料理はガラスケースの中、さあどうする。

 

どうやって頼めばいいの?と、

レジでスマホいじってだらけてた別嬪に

英語で問いかけるも無答。英語が通じてない!

 

タイミングよくバックヤードから出てきたお兄さんに

どれが食いたいか言え、とジェスチャーで示されて

完全に見た目で注文していく。

 

1個でいいと言ったものを「TWO?TWO?」と2個売りつけられたり、

ヴォールシュ!ヴォールシュ!と連呼されつつ

半ば勝手にスープを追加されたりありつつも飯にありつくことに成功。

 

本日の晩餐

 

 

 

①ピクルスとパプリカの炒め

ちょっぴりスパイシーで美味かった。これは当たり。

 

②海鮮サラダ

俺の嫌いなカニ(カマ)が入ってた。でもまあまあ。

 

③鶏肉の上に何かとチーズを乗せて焼いたもの

Two?Two?とかいう謎のごり押しで増やされたやつ。

美味しかったが1個で十分。

2個割引なのか、割引してもらったが胃もたれ。

 

④ボルシチ

ヴォールシュってカタカナでいうボルシチね、と見て気づいた。

いろんな具材の出汁が感じられて大変美味。

味の素的な化学調味料の味もしたが、

ダシの無化調にこだわるタイプではないので問題なし。

来たらぜひ食べたいものだったので押し売りお兄さんに感謝。

 

⑤パン

ほんのり甘い普通のパンだった。

朝から売れ残っていたのか、もそもそしていた。

 

⑥チェリーコーク

普通のがなかったので。

 

 

食事後ホテルに戻った。

ロシア人のおっさん全般顔こわいな。

あと料理全般結構うまい。

 

食事の後はスーパーを物色。

 

相変わらず入り口は「入っていいの?」とためらうレベルで小さい。
 
極東だからか、並行輸入品とおぼしき日本の製品も結構並んでいる。
粉クレンザー、カネヨって微妙にマイナーじゃない?
なぜ...。
 
既視感のあるパッケージのケチャップ、韓国資本だった。
プライドないなぁ。
 
スーパーってその土地の暮らしだとか国の工業力だとか色んなものが見えるから好き。
 
夜間徘徊は避けたいのでホテルに退散。
余力があったらピザ屋でピザつまんでもいいかなと思ったが、すっかり胃もたれ。
 

冷えた体を風呂で温めたい。

風呂を溜めているとグラスでは無色透明に見えた水が

結構シャレにならないレベルで黄ばんでいることに気づいた。

 

 

チェックイン直後に景気よく2杯いったわ!!

 

やっべー!!

 

ぶっ倒れたらどうしよう。

とりあえず大使館のウェブサイトで病院だけ探しておく。

 

もう少し調べてみると、ここの水道水は

建物の配管がとかじゃなくて市域全域でこういうもんだそうだ。

 

着色は見られるが有害性はないとのこと。

そして地元の人も水道水は飲まないとのこと。

(幸い健康問題は起きなかった)

 

結局何の色なの...。アムールのミネラル...?


 

 

その4