2014年末、プラモ屋からSHERMAN戦車が消えた。家電量販店からも専門店からも中古ホビーショップからもネット通販からもだ。その時私は1/35戦車のプラモを作り始めた頃。タミヤのタイガーⅠを作り終え、次は絶対SHERMANと心に決めていた。もちろんタミヤのSHERMAN。タミヤの製品は新旧問わずどこでも売っている。さてと・・。財布には三千円もあれば十分さ。海外ではタミヤ製品は3~4倍の値段がするらしい。ここが日本で良かったと心軽く街に出かける。最初に行ったのは当時デパートに入っていた有名模型店。さほどAFVの品揃えは良くないが近所なのでそこに通っていた。ぐるっと店内を回る。当時知ったDRAGONやAFVCLUBの製品などとタミヤが並ぶ。・・がそこにはタミヤはおろか、どのメーカーのSHERMANも無かった。内心、何だよタミヤのSHERMAN位抑えとけよ・・。と軽く悪態をつきながらデパートを出た。残るは中古ホビーショップ。案の定、そこにはSHERMANの影すらなかった。少々、頑固者の私、他の物は手を付けず。手ぶらでトボトボ帰路についた。そこからは毎日、頭の中をSHERMAN戦車がグルグル軽快に走り回る。次の休みには足を延ばし秋葉原に向かった。競る気持ちで中央線の電車がSHERMAN戦車より遅く感じる。いつものコース。家電量販店から専門店、中古ホビーショップ巡り。だがそこにもSHERMANの姿は無かった・・。理由は分かっていた。その年の冬、AFVファンにとって既に伝説になっている映画が公開されたのです。
そう。このブログをご覧いただいている方には言わずともがなご存じの映画「フューリー」。家族同然の絆で結ばれた戦車クルー達。戦闘で失った通信兵の代わりに送り込まれたのは戦闘経験ゼロの新兵だった・・。といった物語。この映画で主役戦車として登場するのがM4A3E8通称イージーエイト。その他にもM4A1、A2など登場しSHERMAN好きにはたまらない内容(とは言え、当時の私の知識は丸いの(M4A1)と四角いの(A2以降)程度でしたが)しかも劇中車両としてそれぞれ個性的な装飾が施されており、各ホビー雑誌が公開前にも関わらず劇中車を再現していたりと映画ファンよりもAFVファンの方がざわついておりました。そんな状況でふらっと行ったプラモ屋でSHERMANをゲット出来る訳がない(記憶が不鮮明だがネット通販でも売り切れはおろか結構なプレミア価格になっていた)それから暫くはSHERMAN探しをするのが休日のイベントとなっておりました。「FURY」公開後、しばらくしてややテンションが下がり始めた頃、いつもの中古ホビーショップでやっと鹵獲できたのがこれ。
M4A3・105mm(タミヤ)です。本体はとにかく素組み。牽引ワイヤーをステンレス製の物に交換した程度。今、見返すと技術的にまだまだですが、やっと手に入れたSHERMAN。力が入っております。
一つ改造点は履帯の上部がキットのままだと筒抜けになっています。プラ板を張って工作しました。でもこんな角度じゃないと見えません。でもやらないと先に進めないのがモデラーの性というものでしょうか。ターレット番号は手書きです。完成させて一息ついた頃、ふと入った中古ホビーショップで見つけたのがこれ。
M4AA1・75m・EARLY VERSION(DRAGON)です。DRAGONは難易度高めが通説でした。AFV初心者の私は手を出さなかったのですがSHERMAN=貴重=見つけたら買う。という数式が出来上がっていたので鹵獲。思いのほかパチパチと組みあがりましたがそこはDRAGON。
組み立て式履帯です。人生初の組履帯、しかも地面接地面を横のギザギザで挟み込むという途方に暮れる作業。塗装の方法が分からず6分割位に組んでおいて塗装。そして接着という教科書には載せられない独自の方法で作りました。
その甲斐あってか、見てくださいこの見事なアーチ。挟み込んだ歯の部分もガタガタです。分かっているんならモデルカステンの可動式にしたら・・なんて言わないでください。一旦完成させるともう、手を付けたくなくなるものです。しかしこれ以降、履帯は組み立て式に移行していきました。一回作るとベルト式では満足できなくなってしまいます。面倒な事をあえてする。難儀な趣味ですな、プラモデル作りは・・。
行軍風に並べてみました。男前なドイツ戦車と違い、どこか可愛らしい風貌のSHERMAN。どこか一つ違いの兄弟が仲良く並んで歩いている感じがします。様々なタイプがあったSHERMAN戦車。しかし基本的な形は同じと言えます。しかしそこは個性を重んずるアメリカ人。そのままでは乗りません。記録写真などを眺めると車体にパンツァーファースト避けの丸太や装甲板、はたまた土嚢を積んだり、はたまた車体後部に荷物を山の様に積んだりと、オリジナリティーを出してきます。ではこちらもそうしなければなりません。
で、ドーンと積みました。右のA3はジェリカンや弾薬ケースを多めに。対空識別シートはティッシュペーパーから。ネットは医療用ガーゼから製作。イメージとしては遠方に行かされる為、消耗品を沢山乗せて出発・・。A1は大戦末期、基地で暇だから自転車を拾ってきて遊ぼう・・といったところ。そんな物語を考えながら作ると楽しい。もはやSHERMANをどう作るかよりも何を積むか?の方に重きを置いてしまいます。
お気に入りの角度。A1の布類は当時覚えたエポキシパテを伸ばして製作。ティッシュよりも自然な皺が表現できます。横の丸太はバルサの棒をカッターナイフで削って製作。大戦車は木と鉄のバランスが好きなんです。このブログを書いているとまたシャーマンが作りたくなってきました。タミヤから新規金型でE8が出たしシャーマニア(シャーマンマニアの造語)のアスカのキットも作らないと何も語れない。いや、その前に1/48でジオラマを作るプランもある・・。
まぁ、興味のない方から言わせると、どれも一緒だよ!と言われそうですが・・。













