中国の動画サイトPPSでは日本では見ることが難しいインドの映画も見れるので楽しい。もっとも字幕は北京語なので会話の詳細は把握しずらいという難点があるが。インドの大スターであるシャー・ルク・カーン主演の「私の名前はカーン」を見た。シャー・ルク・カーン演ずる主人公はイスラム教徒のリズワン・カーン。彼はムンバイ在住の労働者階級の息子である。アスペルガー症候群に罹患しているリズワンは音や色彩の黄色には過剰に反応するが、機械の修理には類い希な才能を発揮する。リズワンの弟ザキールは成績優秀で奨学金をもらってアメリカの大学に進学し、サンフランシスコで起業して成功を収め、やがて奇行の目立つ兄を引き取る。サンフランシスコでセールスマンの仕事をするようになったリズワンは、バツイチのインド系の美容師マンディラと知り合い結婚する。ちなみにマンディラはヒンズー教徒だ。マンディラはサンフランシスコの郊外で美容院を始め、リズワンもそこを手伝うことになり、マンディラの連れ子のサミールと幸せな生活を送るが、9.11から家族は崩壊を始める。カーンという回教徒の名前を掲げる美容院の客足は落ち、サミールは学校でいじめに会い悪ガキが蹴ったサッカーボールが腹部を強打し脾臓破裂で死んでしまう。マンディラはイスラム教徒のカーンと結婚したことを呪い悲嘆にくれ、リズワンはマンディラに「回教の教えの基本は愛だ」と説くがマンディラは「アメリカの大統領にイスラム教徒だからといってテロリストとは限らないといわせるまであなたと会わない」と無理難題を言う。アスペルガー症候群のリズワンはその言葉を額面どおりに受け取り、大統領に会いに行く長く苦しい旅に出るのである。リズワンは空港や旅先でひどい目に会うが、その度に「My name is Khan. I am not a terrorist」と繰り返す。本当に重たいテーマの映画であるが、シャー・ルク・カーンの演技が迫真で9.11後に現実に起こったイスラム教徒狩りの理不尽さを見事に告発している。
アメリカの研究チームが今月16日発行の科学誌「ネイチャー」に木星の衛星「エウロパ」には大きな海だけでなく、地表を覆う厚い氷の下に巨大な湖があることが分かったとの研究結果を発表した。そしてエウロパの海に生命が存在する可能性も高まったとしている。NASAの科学者によると、エウロパに海があることは10年ほど前から確実視されていたが、この海は厚い氷に覆われていることから、地表と接触して生命の維持に必要な養分を摂取することができないと見られ、生命存在説の妨げになっていたという。が、テキサス大学などの研究チームは1989年に打ち上げられた木星探査機「ガリレオ」が撮影した木星と衛星の画像を解析した結果、エウロパの海の上部に湖が存在し、揺れ動いている形跡があることが判明した。研究者は「氷はその厚さにもかかわらず活発に混じり合っている可能性があり、エウロパとその海に生命が存在する可能性が高まった」と指摘している。NASAの科学者はこの研究について、エウロパに生命の兆候を見つけようとしている科学者にとって朗報だと述べ、「エウロパに生命が存在できることを示す手がかりになる」と解説。湖は氷の表面から約3~5キロ、海は約50キロの深さにあると推定している。スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」の続編の「2010年宇宙の旅」では、エウロパの海中に生命体が存在し、この生命体がモノリスの啓示を受け、約20000年を経て太陽系で人類に代わる生物になった過程が描かれている。この黙示録的な予言が的中しそうな気配となってきた。それにしてもエウロパの海中深く存在する生命体はどのような姿をしているのか。想像するだけでワクワクする。
深夜食堂第二シリーズが始まった。主演は小林薫。ドラマには同じく状況劇場出身の不破万作も出ている。新宿ゴールデン街が舞台なのでワクワクする。新宿花園神社の状況劇場の紅テントにあこがれ、神社裏のゴールデン街にまずい酒を飲みに良く通ったものだ。小林薫が状況劇場にいたのは何十年前なのか。初めて見た状況劇場の腰巻おぼろに小林薫が出演していたか記憶がない。しかし、小林薫の演技を観ると彼が状況劇場の正当な系譜者であるのは疑いない。小林薫の演じる深夜食堂の主人は瞼に縦の切り傷があり、訳ありのようだ。過去ある人か。寡黙だが、客の悩みはお見通しのようだ。ドラマは一話ごとに主人公が違い、深夜食堂に通ってくる客の人間模様が描かれている。デニム帽をかぶった忠さん役を演じる不破万作もいい。状況劇場が置換されたようなドラマだ。