2025年9月27日 観劇
“日本人の狂科書。~序章~”
“部落。”
今回の劇場は・・・
東京都新宿区“三栄町LIVE”です。
今回は2作品公演でした。
“日本人の狂科書。~序章~”
時は2075年
国の教科書検定をめぐり、戦争の記述について出版社内で起こる紛糾と対立。
それを通じて平和を構築することの難しさや、
国民の意思と乖離した国家の欲望を表現した作品。
20世紀は戦争の世紀と評されました。
しかし21世紀も50年後も、人々は戦争に翻弄されるのか。
“隠蔽じゃない 順応だ”
“どっちが正義なんですか?”
どのような理屈や美辞麗句を並べ立てても、戦争に正義、善はありません。
戦争は始まってしまうと、終わらせるのが難しい。
国際機関の機能不全、戦後の利権を見据えた他国の関与などがそれに拍車をかけます。
“教科書は銃よりも強い武器になりますよね?”
この作品の最大の鍵となる台詞です。
LAST前の“これが全てです”・・・
“戦争をなくすのに必要なのは銃じゃない 言葉なんです”
愛理さん(キャストはしばた氏)の言葉が、重苦しい複雑な思いを心の中に拡散させます。
観る側に課題を投げかける、久我氏作品らしい終わり方でした。
“部落。”
時は2023年夏
震災でそれまでの生活環境を失った女子高生と、親戚のおじさんの二人暮らしを描いた作品。
ストーリーとタイトルに直接的な関連は無さそうですが、
根底に横たわる『差別』というものを思い起こさせます。
石田 友里さん(キャストは森脇氏)の気だるく憂鬱そうな表情から始まる本作は、タイトルと相まって後味の悪いラストを予感させます。
心の中に本音を隠して生きる人、生きざるを得ない人を表現する姿は悲痛である。
作品の中とはいえ、石田 友里さんの人生がつらく、苦しいだけのもの・・・ではなかったと願いたい。
“タピオカ・・・”
唯一救われるシーンでした。
さらに麺をすする音が、大きな虚無感を感じさせます。
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両作品とも随所に、本当の涙を感じることができます。




