2025年11月1日 観劇
“ファミリーツリー”
今回の劇場は・・・
東京都新宿区 “三栄町LIVE”です。
『どうして私を捨てたの?』
ストーリーは父親が我が子を手放すシーンから始まる。
時は流れ、場所はスナック。
冒頭の重苦しい雰囲気から明るいムードに切り替わる。
この2シーンのムードの落差が、何気ない日常の中に深いメッセージが隠されていることを予感させつつ、その日常の中に存在する「普通」とは何かという課題を、ストーリーが進むにつれ徐々に全面に押し出してきます。
“同性愛”
マイノリティを完全に受け入れられるほど、社会はまだ整備されていない。
主人公 杉山 音さん(キャストは永瀬がーな氏)と弟の杉山 奏さん(キャストは三瓶暖斗氏)。
2人の育ての父が同性愛者、杉山 音さんの実の父が同性愛者。
本当の自分を隠して生きていかなければいけない窮屈さ。
『普通って何だよ』
世間で言う“普通”という言葉に縛られて生きなければいけない窮屈さ。
否、普通という言葉に縛られるのではなく、本当は自分の方から縛られに行っているのではないか?
『自分への嘘はいつか抱えきれなくなる』
複雑に複雑に絡み合った糸のような悶々とした感情に、
心と脳を支配されて生きる苦しさ。
しかし実は絡み合った糸は存在せず、元々まっすぐな糸だったのかもしれない。
そのことに気づくのに、随分と時間がかかってしまうという深いメッセージを作品を、作品を通して感じることが出来ます。
『自分の気持ちに素直に・・』
『人の数だけ普通がある』
ラストの杉山 音さんの言葉
『私は幸せです』
作品を超えた幸せの笑顔でした。



