NED DOHENY  「LOVE LIKE OURS」       1991
 
 『ネッド・ドヒニーがロマンティックに語りかける愛の物語。
「ライフ・アフター・ロマンス」から2年4ヶ月振りの新作は
ネッドが心を込めて綴ったラヴ・ソング・アルバム!』
 
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 SSWファンには懐かしい名前ですね。そんなネッドのカムバック第2作目です。
90年代初頭といえば、どうしても時代はAOR路線ですね。
 
 「Touched By Love」などはサックスも入れてちょっとアーバンな雰囲気。
スロー・ナンバーがこの時代のネッドにはピッタリか?
「When Hearts Collide」や「Love Like Ours」などの
スロー・バラードが本作の魅力です。
特に後者はピアノとのデュオで切々と愛を語っています。
JOE WALSH  「ANALOG MAN」       2012
 
 久々のソロ・アルバムです。
 
 
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 第一印象
 ①ジェフ・リンのカラーが強すぎて、ジョーの魅力が半減。
 ②タイトルの「ANALOG MAN」は、世に蔓延るデジタル・ミュージックを
  揶揄したものでしょうか。自分自身のスタンスを守りきる、という意味では
  もっとストレートなサウンドにしても良かったのでは?
 ③スカッとさせる爽快感のあるいつものギターが聴けない。
 
 ジェフ・リンが絡んでるトラックでジョーらしいのは
タイトル・チューンの「Analog Man」、でもギター・スライド共に遠慮気味。
 
 逆にジェフが絡んでないモノでは、カントリーぽい「Lucky That Way」、
インドぽい香りの中にもジョーらしさがほのかに光る「Band Played On」、
クロスビー&ナッシュ参加のワルツ「Family」(シンセが耳障りですが)、
かつての名曲「Funk#49」を想わせる「Funk50」あたりが好きで、
「Funk50」ではギター、ベース、ドラムスという3ピース・バンドを一人で演じています。
 
 リンゴ・スターと義兄弟の仲になったり、ポール・マッカートニーとも絡んだり、
本作ではジェフ・リンをプロデューサーに迎えたり、と
何かとビートルズ人脈が見え隠れする昨今ですが、
そのあたりの新しい方向性を見出すファンもいるでしょう。
 
 ワタシは昔のようにパワーを炸裂させ、
スカッとさせて欲しいと願うばかりです。(笑)
 
 結論・・・「もっと弾いてくれ!!」
CAETANO  「ZII E ZIE」      2009
 
 タイトルの「ZII E ZIE」は「叔父と叔母」という意味だそうです。
ジャケをよ~く見ると、「Caetano」と「zii e zie」というロゴの他に
「TRANSAMBA」という小さな文字があり、
裏ジャケには「TRANSROCK」という文字が。
「サンバもロックも超越したカエターノ独自の音世界」という風に解釈してますが。
 
 
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 息子のモレノ・ヴェローゾと共にプロデュースを担当するペドロ・サー、
アルバム全般でギターも弾いており、
これがディストーションを用いた素人ぽい音で、
とてもカエターノの息子世代とは思えない懐かしさを感じさせるサウンドです。
 
 カエターノ自身は、というと、これがファルセットを多用したりして
かなり妙な雰囲気...。
 「Por Quem?」なんかは最初から最後までファルセットで唄い通し、
せわしないパーカッションと、単音のシンプルなギターのコントラストが
面白い曲です。美しいメロディです、これは。
ERYKAH BADU 
「WORLDWIDE UNDERGROUND」 
2003
 
 3作目です。
 
 
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 普段ブラック・ミュージックはブルーズ系しか聴かないワタシですが、
このエリカ様は何となく好きで聴いてるんですわ。
 
 前2作とはちょっと違い、クラブ・テイストが前面に出た作品です。
「Intro」に続く「Bump It」、これカッコええなぁ。
「well,well,well,bump it」のフレーズがイカシてまっせぇ。
また、レニー・クラヴィッツがギターで参加してる「Back In The Day」の
メロゥな雰囲気もいいですねぇ。
 
 本作の1番の注目トラックは「Love Of My Life Worldwide」でしょう。
クィーン・ラティファ、アンジー・ストーン&バハマディアがゲスト、
エリカ以外は、どれが誰の声か、ワタシにはまったくわかりませんが、
声もインストルメンタルの一部として構成されたファンキーなナンバーです。
 
 そしてボートラの「Hollywood」、これルーファス時代のチャカ・カーンの曲。
エリカのお得意の高音域ヴォーカルが何かスカッとさせてくれますね。
V.A. 
「THE LOST NOTEBOOKS OF HANK WILLIAMS」 
2011
 
 ハンク・ウィリアムズの遺品の中にあったノートやメモに書かれた歌詞に
新たに曲をつけ足したらどうなるのかしら? というボブ・ディランの発想。
それをディランが一人でやらずに11人のソングライター(兼シンガー)に託す。
人選の中にはジャック・ホワイトのようなちょっと意外なヒトもいますが。
 
 
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 基本的にはハンクが唄ったらどうなるか?
ということを前提に曲が作られてるので
どのテイクも曲としては安心して聴けるはずです。
結果的には大半がカントリー・ワルツという形式になっちゃいましたが。
 
 当然ながら、アラン・ジャクスンやヴィンス・ギルあたりは
このワルツ・スタイルにピタッとハマるんですが、
もちろんディランやリヴォン・ヘルム、そしてラヴィレス姉さんもご立派です。
また孫のホリーが父のハンクJr.と、祖父の歌を唄う的な
親子3代コラボも楽しめます。
 
 マール・ハガードも頑張ってるし、
ヴィンス・ギルのバックでスティール弾いてるのは
ハンクの昔の僚友ドン・ヘルムスで、何でも彼自身の遺作になったとか...。
JETHRO TULL  「WAR CHILD」      1974
 
 『1年間のライヴ活動停止後に発表された7枚目のアルバム。
シングル・ヒット曲「バングル・イン・ザ・ジャングル」を収録した
バラエティ豊かな意欲作。』
 
 
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 72年の「ジェラルド」、73年の「パッション・プレイ」と、
コンセプチュアルな大作が続いたタルでしたが、
本作は比較的わかりやすい楽曲が羅列されており、
英米のセールス的にも良かったんじゃないかな。
 
 タイトル・チューンの「War Child」、管弦や効果音なども入り、カッコいい!
トラッドぽいイントロの「Ladies」が変拍子の「蛍の光」で終わるところも憎い!
また「Queen And Country」や「Sealion」、「Bungle In The Jungle」あたりは
ハード・ロックしてるんだけど、イアンの声質や弦の導入などで、
かなり知的な感じさえ受けます。
ボートラの「Paradise Steakhouse」や「Sealion 2」などのドラムスを聴くと、
バリモア・バーロゥ、雑だけど中々迫力モノですね。
 
 大作の後の小品集みたいな感もありますが、いろんなタイプの音が聴け、
これはこれで結構楽しめるアルバムでした。
BILL CHARLAP  「STARDUST」        2001
 
 ビル・チャーラップ・トリオのホーギー・カーマイケル集です。
曲によってはヴォーカルにトニー・ベネットやシャーリー・ホーン、
ギターにジム・ホール、テナーにフランク・ウェスが参加しています。
 
 
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 実はこのビル・チャーラップ・トリオを聴くのはこれが初めてだったんですが、
ホーギー・カーマイケルの曲だけを集めたこのアルバム、
もちろんあの「ジョージア・・・」や「スターダスト」も入っており、
「スターダスト」のシャーリー・ホーンの唄、ビルのピアノ・ソロ、
いやぁ、リラックス・モードですよ、すでに。
朴訥としたビルのピアノがまたいいですねぇ。
 
 「ジョージア・・・」なんかもそうなんですが、
「当たり前の音」を当たり前のように弾く、といった場面に出くわした場合、
「当たり前の音」の凄さが再認識させられたりしますね。
面白みの無い、というヒトもいらっしゃるかも知れませんが、
ワタシは好きですねぇ。
V.A.  「BEACH BOYS BEST OF TRIBUTE」 
2004
 
 『"ビーチボーイズ、はじめました!"
スーパー・グループ、ビーチボーイズの、
日本を代表するスペシャルメンバーでの初トリビュートアルバム!!』
 
 
 
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 缶入りのCDです。
収録曲は
「Wouldn't It Be Nice」 / 槇原敬之
「Do You Want To Dance」 / 大黒摩希
「Surfin' U.S.A.」 / 小倉博和(山弦)
「Kokomo」 / Great3 with 佐橋佳幸(山弦)
「Sail On Sailor」 / GB's
「Fun, Fun, Fun」 / naja
「Caroline No」 / 佐橋佳幸(山弦) with B-Girls(A.K.A-Ms,T)
「California Girls」 / 渡辺等
「Good Vibrations」 / 槇原敬之 with 高野寛
「Surfer Girl」 / Ai Miyakawa
「In My Room」 / GB's featuring 柴田俊文
 
 夏と言えばビーチ・ボーイズ! といった短絡的な発想も結構好きです。(笑)
夏場のドライヴのお供にはビーチ・ボーイズを選ぶこともあります。
でもひと夏に一回でいいかな?(笑)
 
 どのテイクもビーチ・ボーイズのサウンドを丁寧にカヴァーするリスペクトぶり。
そんな中で唯一オリジナルではない「Do You Want To Dance」を唄った大黒摩希、
ホーンをフィーチャーし、ラテンのリズムにアレンジした面白いサウンドです。
 
 また、ワタシ的にはボーイズよりもKGBのインパクトの方が大きかった
「Sail On Sailor」、どうってことないインストですが懐かしいですなぁ。
小倉博和のギター・ソロもカッコええ。
 
 その小倉のインスト「Surfin' U.S.A.」、ここまで崩すんだったら
大瀧師匠風に「音頭」という手もあったな...。
QUNCHO  「WISHES」       1994
 
 QUNCHOを初めて知ったのは
75年のサウス・トゥ・サウスの「この熱い魂を伝えたいんや」でした。
そこでのQUNCHOが唄う「Love me tender」は
レコードが擦り切れるくらい聴きましたね。
もちろん当時は「QUNCHO」ではなく、「クンチョウ」という表記でしたが。
 
 
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 このアルバムにはQUNCHOのオリジナルに交じって
荒井由実の「何もきかないで」や
スティーヴィー・ワンダーの「Send One Your Love」、
そして先行シングル「青い夏まで待てない」(宇徳敬子とのデュエット)
なども含まれています。
 
 レゲエ調の「Again(再び・・・)」のエンディングの
ギターとハープの掛け合いがカッコいい。
また、「心の底のあの日」や「何もきかないで」などは
唄の上手さも堪能できます。
サウス時代は英語の曲を好んで唄ってたと思うのですが、
本作では2曲を除いてほとんどを日本語で作詞しています。
サウスのイメージしか無かったのですが、R&B、レゲエやラテンのリズムなども
取り入れて、唄も上手くなっており、まさに「大人のロック」ですよ。
 
 ちなみにアルバム全編でバック・コーラスでクレジットされてる宇徳敬子さん、
昔「踊るぽんぽこりん」のBBクィーンズで唄ってたヒトのようです。
あと「思い出の九十九里浜」とか。
J-POPシーンではバック・コーラスとしていろんなところで
クレジットされてるようです。
BETH ORTON  「TRAILER PARK」       1996
 
 英国出身のSSWの2ndアルバム(メジャー・デビュー・アルバム)です。
 
 
 
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 ベスの存在を初めて知ったのはバート・ヤンシュの
「THE BLACK SWAN」というアルバムにゲスト参加している音源でした。
永年のバート・ヤンシュのファンだったベスはバートのステージに立ったりして
親交を温めたようです。
 
 
 オリジナル10曲とカヴァー1曲といった構成で、
カヴァーはロネッツの「I wish I never saw the sunshine」、
もちろんスペクター&グリニッチの曲です。
ちょっぴりスモーキーで溜息混じりの唄い方が切ないですね。
 
 
 ちょっとクラブぽく、そしてフォーキーな妙な取り合わせのSSWです。